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31 『昨日の敵は今日の友』 考えた人は苦労人だと思う。

―翌日―



生徒会室に秋人、烈、委員長、稜姫、生徒会メンバーが集結していた。


「で、お兄ちゃん。共闘って事で間違いないね?」


コク。


と会長の問いに委員長は無言で頷く。


「じゃあ手順を改めて確認という事で宜しいでしょうか?」

「うん、楓ちゃん」

「既に生徒会として反対の立場を理事会には伝えてありますので、あとは武力に頼るしかありません、ですので本日各校舎の職員室を制圧後、理事会に再度取り下げを要求するのが最も良い案かと」


楓の提案に皆驚いた表情を浮かべている。


「か、楓ちゃんってそんな好戦的だっけ?」


会長に至っては宇宙人でも見るかのような目で楓を見ている。


「会長、陳情や嘆願書の処理に一番困るのは書記である私です」


ずれたメガネを直しながら冷静な口調で言うが、額には青筋が浮かんでいた。

どれほどストレスが溜まっているのか容易に窺うことができる。


「よ、よし! みんなでガンバロ~!」



それからの動きは各人早かった。

教職員達もまさか『犬猿の仲』、『水と油』と言われていた生徒会と風紀委員会が手を組んだとは露知らず。

容易に各校舎の職員室を制圧し、教職員達も拘束できた。


そして一時間目の開始を告げるチャイムの代わりに生徒会からのお知らせが流された。


「え~ 会長の飯塚いいづか 朱音あかねです。本日は全員自習をするように、理由は予算に関する事と言えば分かると思います、いいですね~」


という物が流された後、歓喜の声が校舎中から上がったのは言うまでもない。


それと同時に理事会から生徒会長と風紀委員長に対して、臨時理事会に出席するように要請があったが、会長が「話したければ貴方達が来なさい!」と断り、大人の事情VS子供の反乱の構図が完成した。


それまでは万事順調だった、しかし理事会から「では、そちらの代表一人と話したい」という申し入れで兄妹喧嘩が勃発してしまったのだ。

きっと理事会もこれを見込んで言ったんだろ。と秋人も検討はついている。

"も"というのはこの場にいる全員という意味だ。


「だから、生徒の代表たる私が行くと言っているでしょ!」

「朱音は…妹…兄の俺が行く」

「兄弟の関係は今どうでもいいの! 生徒の代表たる私が文句を言いに行くの!」

「風紀を守るのが仕事…だから俺が行く」


なんて押し問答がもうかれこれ三十分、一向に解決が見えない。

だが、転機という物は突然やってくるものだった。


「あのー 平等って事でくじで決めません?」


また烈が提案した。

こういう時に限って何故かいつも被害をこうむるのは秋人、それを散々経験している秋人は猛反発。


「くじなんて運まかせな物で生徒の行末を決めるなんて、無責任すぎると思います!」

「だったら良い案あんの?」

「……」


沈黙。

それは無いという事を肯定しているも同じ行為だった。


「じゃあ作りますね~」


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


結局、神様は秋人に今までと変わらぬ結果をもたらした。

が、状況が状況なだけに秋人は自分の権利を委員長に譲り渡した。


「じゃあ行ってくる」

「い、行ってらっしゃい」


秋人はぎこちない笑みで委員長を見送る。

その理由は後ろで「死ねばいいのに~」と言わんばかりの死線を送る会長のせいだ。

―予告―

   VS理事会編 第三話


    理事会から帰ってきた委員長の口から告げられた事実は……

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