29 トラブルは意図あって起こるものだと思う。
今度は理事会と戦っちゃいます。
VS理事会編 プロローグ?的な話。
波乱のテストを終えて早一週間、クラスは大きく編成された。
A~Jまでクラスがあったが、退学者が続出した為に例年に比べて激減したのだ。
今現在、御南茂学園の一年はA~Eまでの5クラスだけ、これでも十分に多いと思えるのだが、昨年のテスト終わりの時点でクラスはA~Hまであったのだから、『激減』というのも頷ける。
教師陣は『今年は不作ですかな~』とか『まだ希望はありますよ』とかなんとか愚痴っていたそうな。
「にしても、短い付き合いだったな。F組」
「そうね、まぁでもFからEに変わっても違和感無いけど」
「それもそうだな。でもなんでF組の担任だった荻久保先生までE組に来てんですか?」
と秋人は教壇に立つ荻久保に問う。
「あ~ それはだね~ 成り行き?」
「なんで疑問形なんですか、答えになってないですよ」
「ま~ 気にするなって事で。え~ それでは自己紹介も面倒なんで……自習~」
相変わらずの態度に元F組一同は溜息を吐く。
そして元F組以外の人は、この先大丈夫だろうか。と机と睨めっこしていた。
「自習って言ってもな、テスト終わったばっかだし。何したらいいんだ?」
「私に聞かないでよ」
「そうだな、でも―――」
ピンポンパンポーン!
「一年E組、北条 秋人、岩裂 烈は風紀委員会第一会議室へ急行してください」
ピンポンパンポーン。
……。 流れる沈黙。
「行きますか」
「そうだな」
秋人と烈はつかの間の平穏を脱ぎ捨てて、戦場に赴くような面立ちで教室を後にした。
次話、VS理事会編 第一話。
風紀委員&生徒会が理事会に喧嘩を売ります。(予定)