表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/36

22 学校で一番怖いとこは屋上だと思う。

―広域競技場―


本日晴天、雲一つない戦闘日和。

そんな今日、俺達一年生は競技場へと集っていた。


「では、生徒会長からの御言葉です」

「あ~ テステス、テステウッ」


((((((((((…噛んだな))))))))))


「オホン。今日から始まる能力検定試験で一定以下の成績の人は、退学して貰いま~す♪」


少しの沈黙の後に、一年生全員が悲鳴にも似た声を上げた。


そして「何でだよ!」「身勝手すぎるだろ!」「金返せ!」「ぺちゃぱいは引っ込め!」「チビは帰れ!」「子供会長は家で寝てろ!」等々、なぜか生徒会長への嫌みに変わり、会長は沈黙を破り言葉を発した。

「…黙ってなさい」と、顔は笑っているのに目が笑ってなかった。

これ以降、会長への誹謗中傷は一切なくなったという。


「さて、理由は一年生が多いから…以上です」


きっと叫びたい奴、文句を言いたい奴はいるだろう、だが言えない。

いや、言ってはいけない状況が生まれてしまっているのだ。

アレを見せられた後で反論できる奴なんているわけないじゃないか、まぁ兄である委員長なら言えるかもしれないけど。


「え~ モニターに注目~」


すると、モニターにはトーナメント表が映し出された。


「今から皆さんには一対一で戦って貰います。あと、殺しちゃダメだよ? でも三分の二殺しくらいまではOKですよ~

あと会場はこの学校の全域なので、出口で予定表貰ってくださいね~ はい、解散!」



「俺は…校舎!? しかも屋上かよ」

「いいな~ 私なんかプールだぞ?」

「泳げばいいじゃん」

「まだ時季的には早いし、水着持って来てない」

「あー そうか。だったら普通にやればいいじゃん」

「そうだな。プールを真っ赤に染めてやるよ」


そんな物騒な事を言って烈はスキップでプールに向かった。


マジで誰か死ぬかもな。


まぁ俺も俺で物騒な事考えてるんだが、今は自分の身が大事だ。


「屋上ね~ 誰が場所決めたんだか」


でもまぁ、俺もそこそこ強くなったし負けるような事はないよ…な?


そんな期待をしながら俺は屋上へ上った。



―屋上―


「俺の対戦相手は…君か」

吉瀬きせ 龍己たつみだ」


そう彼は自己紹介をする。


「俺は北条―――」

「知っている。風紀委員の北条秋人だろ」

「へぇー 結構有名なんだな」

「あぁ。あの、あの、い、岩裂さんといつもイチャイチャしてるんだからな」


あれー なんか俺、恨まれてる?

嫉妬ッスか、アイツの本性も知らないくせいによく言うな!

同中の奴でアイツに好意抱く奴なんて一人もいないんだぞ!?

皆アイツの本性知ってるからな!

まぁ、たまにM君が鞭持って告白してるって噂は聞いた事あるけど。


「その話は置いといて、君の能力は?」

「敵に塩を置くような真似するかよ」

「俺は有名なんだろ? じゃあどんなスタイルか知ってんだろ、フェアーじゃなと思わないか?」

「…確かに」


あと一押しってとこか

これで止めだ!


「それにな。烈はひねくれ者が大嫌いなんだ」

「! そうか、そうだな。僕は神経強化系で低レベルの魔法が使える」

「あ~ この前授業でやってた」

「そうだ。万能魔法低級なら大抵は使える」


はぁ~ なんか羨ましいな。

こういう時に神経強化系が眩しく見える。


「ってことは君、科学系じゃなくて魔法系が強いんだ」

「あぁ」


▼▼▼説明▼▼▼


神経強化系にはさらに区切りがあり、『魔法系統』『科学系統』に区別される。

さらに魔法系統にも科学系統にも数多くの種類が存在している。

例を上げるなら、魔法系統 黒魔術科 といった感じである。


説明終了。



「さて、時間も頃あいだし。僕的には始めたいんだが?」

「俺は一向に構わない、タイミングは君に任せる」

「余裕だな?」

「そりゃー 伊達に風紀委員やってないから」


両者は睨み合い、吉瀬は右手に光球を創り出し、俺目掛けて投擲。


「遅い! 五月雨抜刀」


抜刀と同時に渾身の力を込めて斬撃を光球にぶつけ、玉砕し斬撃は吉瀬に向かうが、さすがに避けられた。


「やるな」

「当たり前だ。北条秋人 推して参る!」


俺は再び五月雨を鞘に納め、


「華天流演武 二つ目 『昇華』」


昇華。先輩から教えて貰ったばかりだが、実践でこそ試すべきだろ!

肉体強化系の能力を刀に流し込み、強度・破壊力を特化させる強化技。

正常に発動したことを認識すると、俺は柄を握ったまま吉瀬に向け駆ける。


「光槍!」

「なっ、それ確か中級じゃ」

「誰が低級しか使えないと言った!」


光槍を構え迎撃態勢をとる吉瀬、俺はそんなのお構いなしに前へ進む。


「華天流演武 抜刀術 『返し手』」


『返し手』は刃を使うのではなく、峰で攻撃する珍しい物だ。

俺もまさか峰うち以外で峰を使う事があるなんて思いもしなかった。


光槍に向け峰が触れると、光槍は振動と共に亀裂が走り粉砕。

吉瀬は目を大きく見開いている。

自信があったのだろうか、それともただ単に驚いているだけなのだろうか、

俺には分からないが、この上ないチャンスという事だけは分かった。


振り抜いたと同時に刀を一回転し、持ち方を変え柄の先で鳩尾を一突き。


おぶっ。


と声を上げ、気絶。


「俺の勝ち~」


貰った紙に書いてあったのだが、勝利の判定は相手のネームバッジを開催本部で見せる事なので、

俺はありがたく吉瀬と書かれたネームバッジを頂戴した。



次話は烈視点で書いてみようと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ