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11 やればできる子は案外自分かもしれない。

今現在、俺は不良ニ名と対峙している。

なんで俺はいっつも苦労する事になるんだろう、自分でも本当に不思議でたまらない。


「さっきの女はさすがにビビったけどよぉ」

「お前はどうやら俺らと同類だな」


同類?

おいおいおい、冗談じゃない。

俺は不良じゃないし、お前らみたく腐ってねぇーよ。


まぁ今思ってる事が口に出せたら、俺も烈の様になれるんだろうけど。


「さて、コイツを倒したら見逃してくれるんだよな~!」


と少し離れた所で見守っている稜姫先輩に、不良の一人が質問する。


「あぁ、その通りだ!」



「だとよぉ~」

「あははは。ほんと俺らはついてるぜ」


二人は戦闘態勢に入る。


そして俺の脳裏には先程言われた先輩の言葉が思いかえされる。


『いいか、華天流演武に入ったのだから…』

『あのー いつ入ったんですか?』

『お前に見せた時だ』

『断る事は出来ない……ですね』

『いいか。刀を抜き、戦うのであればこう言え』


「北条 秋人、推して参る!」


抜刀。と同時に俺は二人めがけて脚力全開で突進、先輩曰く、先手必勝だそうだから、

そんな思考を愚かにも戦闘中にする俺はこんな事も思っていた。


あー きっとすぐ反応されてジワジワ長期戦かな~


と、まだ始まって数秒という時間であきらめモードに入る俺である、我ながら情けないと思う。

しかし、俺の思考とは裏腹に俺が不良一人の背後に移動しても気付いた様子が無かった。


あれ? もしかして気付いてないのか?

チャンスだよな。


俺は烈の様に大胆に相手を攻撃する事に躊躇いがあるので、刃で斬るという行為にいたれない。

だから、峰を打ち込む。


ドガッ。


「ぐはっ!」


不良一名、脱落。


「くそ、いつの間に後ろに。オラァァァァ!」


パンチの嵐、でも稜姫先輩の突きに比べたら止まって見える。

一発、一発を確実に避け、俺はあっという間に懐に潜り込んだ。


「ラスト!」


俺の勝利宣言だった。

柄の先で鳩尾に一突き、完全に決まった。

不良は白目を剥いて地面に倒れ込む。


そして稜姫先輩は、パチパチパチと拍手しながら俺の傍まで来た。


「私の思った通りの結果だ」

「秋人にしては中々良かったわよ」

「どうも」


稜姫先輩は上機嫌、烈はまださっきの戦闘の興奮が冷めないのか少しテーションが高い。

で、俺は気絶させた不良に目を向ける。


「まさか同情なんてしているんじゃないんだろうな?」

「えっ、そ、そんな事ないですよ」

「こいつらは校則ルールを破ったんだ。法を犯したも同然の輩たちだ。だから哀れむ必要はない」


きっぱりと、揺るぎなく、絶対の自信を持って稜姫先輩は言ったのだろう。

言葉の重みを始めて味わった気がするから。


「さてと、校舎に戻ったら私が何か奢ってやろう」

「いいんですか?」

「あぁ、何でも好きな物を言ってくれて構わない」

「やっほー! さすが先輩、太っ腹ですね~♪」

「おい烈、先輩なんだからもっと遠慮というものをだな」

「遠慮なんて要りませんよね?」

「もちろん。今回は私が付き合わせたんだ、礼だと思ってくれ」

「そうですか」


内心俺は嬉しかった。

初めて褒めて貰った気分だ。

それに今気付いたんだけど、俺の両隣にいる二人。

めちゃくちゃ綺麗で可愛いんだよな、はぁ~ 彼女欲しいかも。


じゃじゃじゃじゃーん! じゃじゃじゃじゃーん!


そんな音を発している携帯を稜姫先輩はポケットから取り出した。

ベートヴェンの『運命』が着メロ!?

相手どんな人なんだよ。


「委員長、どうしたんですか?」


委員長、もしかして嫌われてる?

でも、まさかね。


「えっ、はい。すぐに向かいます! 二人とも急いで戻るぞ!」


いきなりの事にポカーンとしている俺と烈に、早くしろ! と声を浴びせる。

俺達は動揺しながらも校舎へ向けて走り出した。

なんか秋人の戦い早く終わっちゃいました(笑)

次話から VS生徒会編です。

あと、感想などありましたらどうぞ。

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