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②ただ、嬉しかっただけ

②ただ、嬉しかっただけ


減った体重。少し細くなったウエスト。中学2年生の6月。学校に約3ヶ月ぶりに登校する日、私の心はワクワクでたまりませんでした。

「みんな、気づいてくれるかな〜」

ルンルンで教室に入りました。

「みんな、久しぶり〜!!!」

「みかんちゃん!!久しぶり!!」

「あれ?もしかして、みかんちゃん、痩せた?」

「そうなの〜!よく気づいたね!休校期間中に5キロ痩せたの!」

5キロという数字を聞いた友達はみんなびっくり。

「え、うそ!すごい!」

「どうやって痩せたの?教えて!」

「毎日運動頑張ったの!あと、朝ごはんはもち麦ご飯と野菜スープ!」

「おおお!!みかんちゃん、ストイックすぎ!」

「尊敬する〜!」

勉強は普通で運動が苦手な私にとって、学校でこんなに褒められたことは初めてでした。本当に気持ちがよかったことを覚えています。そんな快感を覚えた私。このままこの体重をキープしていこうと思っていましたが、もう少し減らしてみることにしました。目標体重は45キロ、その当時よりマイナス3キロに設定しました。


しかし、学校が始まるとなかなか時間がなく、運動ができませんでした。体重も思うように減りませんでした。焦った私は、自分の中でルールを決めました。


・夜ご飯は炭水化物禁止でおかずは半分

・朝ごはんはお米50gと夜の残したおかず

・夜ご飯後に温めたヨーグルトを飲む

・運動は動画を見ながら寝る前に1時間

・ストレッチ、マッサージは運動後に30分ずつ

・夜ご飯は7時まで。おやつは3時まで

・ゆっくり食べる

・階段などを使い、少しでも多く歩く

・歯磨きしながらや、お風呂に入りながら運動する

・野菜から食べる


ここには書くことができないほどたくさんのルールを作りました。それらを全て守りました。

そして、9月。体重は45キロになりました。

ダイエット前は止まるはずがないと笑いながら言っていた生理は止まりました。でも、母には言えませんでした。生理が止まったなんてことを母が知ったら、ダイエットをやめさせられてリバウンドしてしまう…。そう思うと、怖くて言えませんでした。

「ちゃんと食べたら生理って戻ってくるのかな〜。でも、リバウンドしたくないし、ま、いっか!すぐ、戻ってくるだろう!」

そんな甘い考えでした。

10月にはキャンプがありました。学校の宿泊体験で出されるご飯は多いのに残せないという印象が強かった私。1日目のお昼ご飯は自分で買って行くものでったので、母に

「キャンプ場で焼きそばを食べるから!」

と嘘をついて、小さな小さなチーズパンを買いました。みんなで食べるお昼ご飯の時間。友達は、サンドウィッチやキャラ弁などを食べている中、私は小さなチーズパンを少しずつゆっくり食べていました。

「みかんちゃん、そのパンだけで足りるの?」

「うん!夜ご飯が多いだろうからね!」

「うわぁ…。女子力高っ!」

「みかんちゃん、足が細くなったもんね!すごく綺麗!」

「うそ!ありがとう〜!!!」

友達からのひとつひとつの褒め言葉がとても嬉しかったです。しかし、嬉しさを感じると同時に

「リバウンドなんてできない…。もっと痩せたらもっと褒めてもらえる…。こんな体じゃまだまだダメだ…。」

と感じるようになりました。160㎝の身長で45キロ。本当はとても痩せています。でも、当時の私が自分の体を見たら、53キロの頃と何も変わっていないように見えるのです。大袈裟ではなく、本当に。

私はただ、褒められたい、尊敬されたいという理由のためにダイエットを続けました。


つづく…

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