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絶好の監禁日


 南川はうすら笑いを浮かべながらそう俺に言う。


「れ、連休中?」


 そして南川は『連休は始まったばかり』だと言うではないか。


 それは、俺はこの連休中ここから外に出ることが出来ないという事なのか、彼女をできるだけ刺激しないように質問してみる。


「そうや、連休中や。 ようやっと彩音は圭介ではない他の男へと好意を寄せる男性を変更したんや。 しかも今彩音は西條にかなりお熱で圭介の事なんか眼中にないといった感じやし、これなら別にウチが今まで『彩音の為に』と我慢してきたこの想いを、我慢する必要が無くなったワケや。 けれども、せっかく我慢する必要がなくなったのに圭介は未だに彩音にお熱やし、彩音の心が圭介から西條へ移ってしまっている事にすら気づかないどころか、西條が脅しているという始末やもん。 一回それで痛い目おうとんのに何で気づかへんのか分からんかったんやけど、まぁ別にそれでもええかな思ったんやけど、そんな時に近く三連休があるっていうやん? しかも両親はその三連休は出張でおらへん言うしな、これはもう絶好の監禁日やん。 これはきっと今までずぅっと我慢してきたウチの為に神様が用意してくれたご褒美やと思うたんやけどな、それはええけどどうやって圭介をこの家に誘い込もうかと思った所でちょうど圭介が『彩音が西條と三連休泊まりで旅行に行くらしいが、阻止するにはどうしたらいい?』とウチに相談しに来るやんか。 これはもう、この際やから使わしてもらおう思うてな」


 そして南川は聞いてもいないのに喋る続けるその様は、異様で少し不気味に感じてしまうのだが、俺が南川のことをそう思っている事をを感じ取られてしまったらどうなってしまうのか想像もつかない俺は、とりあえずそれを悟られまいと引き攣った笑顔で南川の話を聞くしかない。


 てか絶好の監禁日って何だよ……。


「でも、ウチもまだまだやわ。 まさか舞い上がってしもうて肝心のウチの部屋の鍵をかけ忘れてもうてたんやから。 ほんまは今日一日かけてゆっくりとお互い距離を詰めていって、最終日あたりで一つになる予定やったんやけどな、むしろこうなてしまったら逆に初日から強引に襲ってウチの身体でメロメロにすればええんちゃう? て思うてん。 バレた当初はどないしよ思ったけど、そう思ったら逆にこっちの方が初日からイチャイチャできて逆にええんちゃうて思ってな。 大丈夫。 初め痛いのは女性であるウチだけやら圭介は気持ちいい思いしながら初めは天井のシミでも数えとったらええねん」

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