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鍵が閉まる音


 明日は彩音は西條の別荘に連休で宿泊しに行くというではないか。


 そして、南川が彩音達がどこへ向かうのか知っているというので放課後こうして、どうせならば一緒に帰ればいいのに何故か先に帰っているという南川の家があるマンションへと向かっている所である。


 にしても何で学校や近所の公園などではなく南川の家なのか少しばかり違和感を感じるものの、兎にも角にも西條達の行き場所が分からなければ話にすらならない為、その場所を知っているという南川に頼るしかないというのが現状である。


 その為そんな些細な違和感を感じてしまっているのかという考察など今はどうでも良い。


 それに、本当であれば俺が彩音から聞き出すのが一番良いのだが、恐らく西條の命令であろう、彩音がここ最近俺を避けておりメールを送っても返信すら返ってこない上に、彩音の妹である莉音に聞いてみても『流石にキモイよ。 ストーカー行為じゃん』と返信が来ただけで以降どんなに俺の思いの丈を綴って、これは君のお姉ちゃんの為なんだとメールを送っても返ってこなくなった。


 もしかしたら妹も西條に見張られているかもしれない。


 北条姉妹が西條と一緒に旅行へ行くという時点で俺はその事に気付くべきだったのである。


 そうなると更に西條への憎悪が増していくのが自分でも手に取るように分かる。


 絶対に許してなるものか。


 本来であれば姉である彩音との婚約で手打ちという話であったにも関わらず西條はその約束を破り、妹も寄こせと脅したに違いない。


 姉だけでは飽き足らずに妹まで……マジで最低の野郎だ。


 そして次こそはアイツを成敗させる為にも俺は何としてでも今回の旅行先へ突撃して北条姉妹を助け出さなければならないんだ、という正義と怒りの感情が俺の中で渦巻いている。


「おい、来たぞ南川っ! 早く西條の行き先を教えてくれ!」


 いつぶりだろうか?


 小等部の頃はたまに彩音と一緒に何回か訪れた事は合ったのだがそれっきりである。


 そんな事を思いながら南川の住んでいるマンション、そこの八階にある彩音の家のインターホンを鳴らしなす。


「あー、はいはい。 そんないっぱい鳴らさんでも聞こえとるわ。 それじゃ中に入って話そか。 ささ、どうぞどうぞ」

「お邪魔します……」

「……な、なんか久しぶりやから変に緊張してしまうな。 あ、一応今両親は出張中なから連休中は帰ってこうへんで」


カチャリ


「確かに、久しぶりだと変に緊張するな……」


 そして俺は南川に促されながら家の中へと入って行くのだが、なんか後ろから鍵が閉まる音が聞こえたのは気のせいだろうか。


 いや、南川の両親が今出張中との事なのでただ単に防犯面で鍵を閉めただけだろう。


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[一言] ストーカー男と地雷女 お似合いのカップル
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