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激しく伝えてきている

 その三名を見て俺は早くも面倒臭い事にならなければ良いのだが、と思う。


 なんで三人仲良くならないのか? とは思うものの馬が合わないどうし仲良くしろという方が無理があるのでそこは自然に解決してくれるかもしれないと時間先輩に丸投げしている。


 そもそも俺が東城と仲良くしろと言われたところで無理なものは無理なのと同じだと思うんで無理強いしたところでどうにもならないだろう。


 しかしながらこの三人は馬が合わないというよりかは別の何かが原因でギスギスしているように思えるのだが気のせいだろうか?


 いや、きっと気のせいだろう。


 それに、この件に関しては『馬鹿になって知らないままでいろっ! 変に知ってしまい首をつこむととんでもなく面倒臭い事になるぞっ!!』と俺の第六感がそう激しく伝えてきているので俺は『おそらくこうだろうな』という内容を記憶の奥底にしまって厳重に蓋をすると思い出さないように記憶のさらに隅へと追いやる。


「それじゃぁ、早速来たばかりで悪いが夕食の食材を採ってきて欲しいんだが、頼んでもいいか? その代わりといちゃ何だがとびきり美味いもんを出してやるからよ」


 そして各々泊まる部屋(と言っても男性と女性のふた部屋だけなのだが)を案内してもらい、俺達が荷物を置くのを確認した茂さんが夕飯の材料を採ってきて欲しいと竹籠を渡してくるではないか。


 その竹籠をいきなり渡されて女性陣は当然、今から何をとってきて良いのか困惑しているのがその表情からも見てとれる。


「まったく、茂さんは。 何を採ってくる言わないからみんな困惑しているだろうが。 流石に言葉足らず過ぎだろ」

「なぁーにを言ってんだボウズ。 テメェが知ってんだからそれでいいじゃねぇかよ」


 そして俺が茂さんに指摘すると、茂さんは『ガハハハハ』と笑いながら『お前が教えれば済む話だ』と言うではないか。


 まったく、昔からこういう所は変わらない。


 しかしながら俺を西條家の息子だからと遠慮せず、ただの子供を相手にするように接してくれた茂さんだからこそ小学生時代の俺は茂さんに心を開いたのであろう。


 そして、茂さんは今も変わらず俺を西條家の後取り息子としてではなく、少し生意気な高校生として接してくれる。


 その雰囲気がたまらなく心地いいと思ってしまうのは致し方ない事だろう。


「分かったよ。 俺が教えれば良いんだろ? 俺が。 ほら、日が暮れる前に椎茸と、あとは適当に山菜を早く採りに行くぞ。 今の季節でものびるやふきくらいは生えているだろう。 あとワサビも採っておくか」

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