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恥ずかしくてどうにかなってしまいそう

 唯一問題があるとするのならば、自分で言うのも何だが俺と美咲の顔面偏差値が高すぎるという事である。


 そして当然俺も美咲もスタイルが良いときている。


 その結果が昨日の放課後に行ったマックでの客と店員の反応であろう。


 流石の俺でも俺たち二人が注目されていたのは分かるし、しかもその内容が俺たちの容姿についてなのも当然気づいている。


 イケメンで過ごす日常が前世の俺と比べて、こうも見る世界が変わるのかと地味に傷ついたりもした程である。


「やめてくださいっ!! 祐也様が困っていますっ!!」

「はぁ? 貴女には関係無いでしょうっ!? あ、祐也様って言うのねっ!!」

「祐也様、握手してくださいっ! きゃっ、握手してもらっちゃったっ!!」

「わ、私も握手してくれても良いですか? あ、ありがとうございますっ!! もう一生この手は洗いませんっ!!」

「わ、私もっ!!」

「こらっ!! 貴女達っ!! 祐也様が迷惑だと言っているでしょうっ!!」


 何が言いたいかとバスの中がとんでもない事になっていた。


 ただでさえ一旦女子校前という停留所を挟む為バスの中の女性率が高めなのだが、まさかこんな事になるとは流石の俺も想定外である。


 俺の想定以上に女子高生達の行動力が凄いんだが……。


「美咲、俺は握手くらいなら大丈夫だから。 それよりも危ないからちゃんと座っとけ」

「わ、わかりました……祐也様がそう言うのならば仕方がありませんね……。 私の力不足が悔やまれます」


 そして美咲は悔しいし納得行かないというのが、その表情と声音から伝わってくる。


「そうですよね、危ないですもんね……」

「そうだな。 俺が大変なのは良いがそれが理由で美咲が怪我をする方が俺はいやだからな」

「祐也様……。 わ、分かりました。 祐也様がそこまで言うのでしたら、ゲガをしないように危ないのでしがみ付いてますね」


 何を勘違いしたのかわからないのだが美咲が俺にしがみ付いて来るではないか。


「……え? いや、逆に危ないだろうからやめなさい」

「嫌です」


 流石に危ないと思った俺は離れるように言うのだが、なぜか美咲は余計にしがみ付く腕に力を入れてくる。


 そして美咲がしがみ付いてくると言うことは、当然美咲の持つお胸様が俺に当たって形を変えているわけで……。


 意識しないように集中した結果美咲に対して敬語になってしまい、これではどう考えても意識してしまっているのがバレバレではないか。


 しかしながら俺のこの初々しい反応が功を奏したのか周囲の女子高生たちは「と、尊い……」「守らなきゃ……」「変に刺激してこの光景を壊さないようにしないとねっ」と、なぜか俺たちを見守り始めたではないか。


 恥ずかしくてどうにかなってしまいそうだ。


 救いなのは美咲が女子高生達が大人しくなった理由に気付けていないという事である。


 頼むから星城学園に着くまでは気付かないでくれ、と思いながら俺はバスに揺られるのであった。

 

 

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