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お姉ちゃんそこ退いてっ!!

 そもそもただ逃げるだけでは美咲に間違いなく居場所を突き止められてしまうだろう。


 なので大学を卒業して日本国内、なんなら海外を転々とするのも良いかなと思っていたのだが、それをするのもある程度まとまった資金は必要であるし、大学在学中にその資金を集める予定ではあった。


 それに大卒と高卒では選択肢の幅やフットワークの軽さも違ってくるだろうし、それを考えれば大卒の方が良いというのもある。


 恐らく美咲が、俺が高校を卒業と同時に居なくなると思ったのは、俺の覚悟を読み切れなかったのではないかと思う。


 それでも、例え海外に逃げたとしても美咲ならばいずれ見つかってしまいそうなのだが、そこまでされれば家出を止めて実家に戻り美咲を娶るつもりではあった。


 その時には恐らく彩音との婚約も解消され、彩音の、俺に対する愛想もとっくに尽きて他の俺以外の男性とお付き合いなり結婚なりしている事だろう。


「どうせ私達から逃げ回っている間に私たちの裕也様に対する気持ちも、愛想も尽きるだろうとお思いなのではないでしょうか?」


 そして美咲はまたもやピンポイントで俺の気持ちを言い当ててくるのだろうか。


 びっくりするだとか通り越して普通に恐怖なんですが……。


「………………ど、どうだろうな?」

「……ふむ、裕也様のその反応からしてどうやら当たらずとも遠からず、といった感じですね」


 いや、もろブチ当たってんだよな……その能力を使て占いだとかすれば良いのに、なんて思ってしまう。


「まったく、それで私たちが納得するとでも思っているあたりが祐也様の甘さでもあります。 あまり見くびらないでもらいたいですね」

「ちょっ、おまっ!?」


 そして美咲はそう言うと俺の頭を両手でガシッと掴むと、勢いそのままにキスをしてくるではないか。


 いきなりの事で流石の俺も対処できず、キスをされてからはあまりの衝撃に身体が硬直してしまい俺は数秒間もの間美咲にされるがまま唇を重ね合わせていた。


「ちょ、ちょっとっ、美咲さんっ!? こ、こここここ、婚約者がいる目の前で何勝手に唇を奪っているのよっ!?」

「わっ、わわわっ!? 犬飼さんってすごい大胆ねっ!! そうよね、婚約者といえども親同士が勝手に決めた婚約だし、好き同士で婚約したのではないという事は祐也も他の女性になびく可能性も高いってことよねっ!! ならば私も裕也にキスしなきゃっ!!」

「あっ!! こらっ!! 莉音まで私の婚約者に何をしようとしているのよっ!! 絶対にさせないわっ!!」

「お姉ちゃんそこ退いてっ!! 祐也にキスできないっ!!」


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