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プロローグ 死ぬルートしかない

 目が覚めると見知らぬ天井が見えた。


 俺は確かに自分の部屋で寝た筈である。


 記憶が正しければ昨日は確かエロゲの『永遠の愛を誓って』をやっていたはずで、キリが良いところで眠っていた筈なのに、一体これはどういう事だろうか?


 周囲を見渡しても見た事ない部屋に、このベッドも、何もかも見た事がないものばかりである。


「……誰だ? コイツ」


 そして部屋の壁にかけてある鏡を見てみると、見知らぬ顔がそこに映っていた。


 いや、どこかで見たことある。


 そう思った瞬間、この部屋も見覚えがある事に気き始める。


 鏡に映るこの顔は、まるで昨日までやっていたエロゲ『永遠の愛を誓って』の悪役キャラクターである西條グループの御曹司である西條祐也を、まるで実写化したような顔立ちであるし、この部屋もゲーム内の西條祐也の部屋そのものではないか。


 そして、ここが本当に西條祐也の部屋であれば俺が目覚めると、部屋の外で待機させている家政婦がノックをしてから俺の部屋へ入って来る筈である。


「痛っ!?」


 そこまで考えたその時、俺は全て(・・)を思い出した。


 思い出したというか、この身体の持ち主である西條祐也の記憶を引き継いだ(・・・・・)と言った方がいいだろうか。


 とにかく、俺、いや、この身体は西條祐也で間違いないと言う事と、もう一つ最悪な事をその記憶は俺に教えてくれる。


 それは、ゲームと同様に俺はメインヒロインである北条彩音と婚約を昨日済ませていたという事である。


 最悪だ。


 どうせならば北条彩音と婚約する前にして欲しかった。


 それは、俺の身体の本来の持ち主である西條祐也と北条彩音と婚約するルート、それはどう足掻いても西條祐也が死ぬルートしか無いからである。


 その瞬間、終わったと思った。


 しかしながら俺自身は元はしがないサラリーマンであるし、これからの未来が分かるというチートレベルでかなり強力な情報を持っているのだ。


 これは綱渡レベル、または蜘蛛の糸レベルではあるものの、もしかすればどうにかなるかも知れないという一縷の望みが芽生えてくる。


 なぜ俺がこの世界に西條祐也として飛ばされたんか全くもって理解できないし、元の世界の俺がどうなっているのかも分からないのだが、取り合えす西條祐也としてこの死亡フラグだらけの世界を生き抜いてやると強く思うのであった。

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