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世界に轟け中華の声よ  作者: 鈴木颯手
東歴304後半・赤い津波
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第三十五話「杏共内戦~反抗開始~」

 完嬰州を統治する李軍閥は李云の元安定した統治が行われていた。李云は皇帝への忠誠が厚い人物であり皇帝派として南部にある共産勢力の軍閥の防衛の役目を担っていると自負していた。そう、自負していただけに現状に焦りと苛立ちを感じていた。

 完嬰州の大半は緑海軍閥によって占領された。行政執行地すら失い権力も権威も失った彼らだが側近であるボロの元編成された8万の軍勢はほぼ無傷で残っていた。故に、彼らは反抗作戦の要とされた。


「李様、落ち着いてくれます(・・・・)

ください(・・・・)だ! いい加減に言語を覚えろ!」


 李云はボロのつたない中華語に苛立ちを覚える。モンゴル人である彼だが生まれも育ちも完嬰州とは思えないほど下手糞だった。それでも、彼の指揮能力、戦術は帝国軍のバルトエデネにも劣らないと言われている。それゆえに彼も手放そうとは思っていなかった。


「とにかく! 我らは突出する緑海軍閥の西部方面軍を背後から叩く。その為にも騎馬隊と歩兵の準備はできているな?」

「勿論だす(・・)。直ぐでも行けるます(・・)

「……」


 ボロの言いたい事は伝わってきた為李云はそれ以上は何も言わなかった。これ以上苛立ちを覚えたくないという思いが出てきたからだ。


「敵の引き付けは青山州の青山軍閥が引き受けてくれるそうだ。アイツらも中立勢力からこちらに寝返ったのだ。必死なのだろうな」

「中京よ紅宗も似たようなものだと聞きだしました(・・・・・)

「……寝返りや新参者はそれだけ大変という事だろう」


 中京州の軍閥たちは兵を出し帝国軍と共に戦っている。紅宗州も同じであり裏切った報復を警戒しつつ前線に兵を出している。両軍40万以上の兵が中京州で展開しており敵の正規兵は他の戦線に応援に行けずに釘付けになっていた。

 ふと、彼らがたつ地面を朝日が照らし始める。それを見て目を細める李云は時間だ、と呟いた。


「兵を起せ、敵が起きる前に突撃する」

「兵は起きてますよ。だから言ったでしょう? 準備万端だと」

「……そうだな」


 李云は一言だけ返事をすると侵攻の命令を下すのだった。


 共産勢力の奇襲で始まった内戦は、誰もが予想した”数年に渡る内戦”や”帝国の滅亡”といったものを裏切り帝国軍の反抗作戦によって終結の道をフルスピードで向かって行くこととなるのだった。


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