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世界に轟け中華の声よ  作者: 鈴木颯手
東歴304後半・赤い津波
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第三十一話「杏共内戦~展開~」

「三か月前に日本と講和したばかりなのに今度は内戦かよ……」


 大杏帝国軍のとある小隊に所属する挺上等兵はそうぼやく。彼の周囲には同じように西に向かって歩き続ける大杏帝国軍がいた。艇も少しづつ疲労が溜まる体を必死に動かしていく。

 大杏帝国軍20万は先の紛争でも活躍した安高聾将軍を総司令官として西に向かって進んでいる。共産勢力の侵攻速度はバラバラではあるが早いところでは侵攻した州を越えて次の州にまで進出している。一方の大杏帝国軍の動きは遅かった。漸く中京州に入り同地に侵攻中の汎軍閥の討伐を目標としている。汎軍閥は4万の兵と大杏帝国軍の5分の1しかいないがその分侵攻速度は早い。


「まったく、軍属も大変だよな」

「そう言うお前は気楽でいいな」


 艇のボヤきに同僚である苞伍長が聞いていたらしく話しかけてくる。同期の中では出世コースを順調に進む苞は期待のエースとして注目されつつあった。実際、三か月前の紛争では部隊を率いて功績を残しており勲章を授与されていた。

 一月後には軍曹に昇進が決まっており苞は「早く時が流れないかな」ってウキウキしている。出世し階級が上になっても私的の場では仲の良い二人は良く二人でいる事が多かった。


「何でも今度の敵は50万の軍勢らしいぜ」

「50万!?共産勢力の力はそこまで強くなっていたのか!?」

「おま、声が大きいだろ。……なんでもこの軍勢は無理して集めたみたいで大半が槍とか農機具を持った奴ららしい」

「農民を徴収したのか。でも襲ってくる以上的であることに変わりはないけど弾薬が足らなくないか?」

「ああ、そうなった場合は銃剣とか槍とかで戦えだってよ」

「こんな時代に槍か……」


 艇は原始的な戦いになる可能性を考えてため息を吐く。とは言え少しでも出世して両親に楽な暮らしをさせたい艇としては敵を大量に倒せる今回の機会はまさにチャンスでもあった。艇は改めて決意を固めると力強く一歩を踏み出すのだった。


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