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世界に轟け中華の声よ  作者: 鈴木颯手
東歴304年前半・大杏帝国皇帝雨露の転生
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第二十六話「ふんそーは!おわりです!」

「陛下。お久しぶりです」

「そなたも元気そうだな」


 やってきたのはパーティーで嫌味を言い合った高原だった。紛争前のパーティー以来とはいえここまで早く再会するとは思って見なかったな。取り敢えず形式上の挨拶をその後行っていき漸く本題に入る事が出来た。


「それで、今回貴殿が来られた理由は何じゃ?」

「ええ、今起きているシベリア共和国との白紙講和の提案に来ました」


 高原さんの言葉に周囲がざわめくが僕も同じように驚きたいくらいだ。流石に皇帝である僕がそんな簡単に表情を出すわけにはいかない。僕は努めて冷静に、声が震えないように気を付けながら訪ねる。


「それは、何の意図があるのじゃ?」

「我が国としてはシベリア共和国と貴国が争う事を望んではおりません。シベリア共和国には既に話を通しており貴国さえ了承してくれるのなら直ぐに調印式に移る事が出来ます」

「成程……」


 高原さんの言葉に僕は考える。現状、大杏帝国軍は劣勢だ。いくらウラジオストックを陥落させているとは言えこのままなら開放する事だって出来るだろう。それを行わずに今手を退く理由は一体何なんだろうか……?いろいろと考えていると青姜さんと清択さんが僕の方を見ているのに気づいた。そうだね、僕一人で考えても仕方ないか。


「大日本皇国の意志は分かった。だが少しだけ時間を貰いたい」

「……分かりました。明日の昼、もう一度伺います。それまでに決定している事を願っております」


 高原さんはそれだけ言うと部屋を出ていった。取り敢えず青姜さんと清択さんの意見を尋ねる。


「軍人から考えれば補給の問題が挙げられますね。満州は鉄道が通っていますが一般道路はそこまで整備されているわけではないので」

「私は国内で厭戦気分が立ち込めているのでは、と予想します。大日本皇国は欧州大戦にこそ主だった参戦はしていませんが東南アジアに出兵はしています。加えて初期にウラジオストックを陥落させるという成果を出しています。国民が厭戦気分になっても可笑しくはないと思います」


 二人の意見を聞いてさらに謎が深まる。確かに二人の意見は両方とも信ぴょう性があるけど青姜さんの意見はそもそも補給路が伸び切った場合の話だ。確かに大日本皇国は南満州に侵攻しているけど地図を見る限り補給がひっ迫する程ではないと思う。もし、これで大日本皇国の補給路が大変な事になっているのなら日本の後方支援はお粗末以下という事になる。大杏帝国軍だってこの程度で補給が途絶える事はない……、と信じたい。

 次に清択さんの意見だけど青姜さん以上にあり得ない。何せ厭戦気分と言うのは劣勢や負けそうな時に起こるものだ。大杏帝国軍の前線を食い破り領土に侵攻したというのは士気高揚には打ってつけだと思う。

 僕の意見を二人に話すと二人とも黙ってしまう。現状では情報があまりにも少なすぎて判断が出来そうにない。でも、ここで考えていても大日本皇国の案に乗るしかないのが現状なんだよな~。白紙講和は大杏帝国に取っては渡りに船でしかないから。





 そうして青姜さんと清択さんと一緒に講和の方向で話がまとまった。大日本皇国の突然の動きに不信感はあったがそのなぞは次の日に簡単に判明した。

 帝都にロシア帝国の使者がやってきたからだ。


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