第一話「転生はおっさんの顔と共に」
「陛下!お目ざめになりましたか!」
目が覚めて初めて聞いたのは知らないおっさんのこの言葉だった。
おっさんの言葉を無視して僕は周囲を見る。周囲の様子から屋内だと思うけどなんか僕の周りに中国っぽい服を着た人達が集まっている。あれ可笑しいな?確か最後の記憶だと公園にいたはずなんだけど……。というかこの人たち誰?何者なの?
「えっと……、誰?」
「へ、陛下!?ご冗談を言わないでください!教育係の黎清択ですよ!?お忘れですか!?」
「……???」
「そ、そんな……!」
何やら僕の体を支えているっぽいおっさんがショックで涙を流している。というか陛下って何よ?新手のドッキリか何かか?そう思った僕は腕を伸ばした時に気付いた。
僕の手、明らかに小さい。こう、子供みたいな手だ。思わずその手で体中を触る、というか目で確認する。足は服と靴で見ないけど目の前のおっさんと比べると明らかに小さい。顎や鼻の下には毛はない、というよりまだ生えてないみたいな感じだった。
嫌な予感が大きくなっていく中僕は部屋の隅に鏡があるのに気づいた。おっさんの腕の中を抜け出し後ろから「陛下!」と呼び止める声も無視してその鏡に向かって走る。とは言え動きづらい服なのでそこまで早くはないけど無事にたどり着く事が出来た。そしてその鏡を覗くとそこには10歳くらいの子供が写っていた。右手を顔に近づければ目の前の鏡の人物も同じように行動する。まさかの幼児の姿に思考を停止させていると後ろからおっさんたちが近づいてくる。
「陛下!大丈夫ですか!?」
「え?うん。大丈夫……多分」
さっきの人とは違うおっさんが声をかけてくる。……眉の中間に大きな黒子を持つその人は安心したように息を吐いた。
「安心しました。突然倒れられたので心配しました。ですが念のためです。今日の公務は全て明日に持ち越しにしましょう」
「そう?」
「はい、陛下。お部屋に戻りましょう」
そう言って手を伸ばしてくる黒子の手を僕は取る。なんでこんな事になっているのかは分からないけど今は情報が整理できる場所に行きたいな。
今日の16時に第二話を投稿します




