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~あの日の時間~
序
どうしてこんなことになったのだろうか。
ずっとあなたのことを見ていた。
あなたも俺のことを、見てくれているはずだった。
この時間がずっと……続くものだと思っていたのに。
「ごめんなさい……私には分からない」
俺にだって分からなかった。
なぜあなたがこんな目に合わなければいけないのか。
なぜあなたが《分からない》のか。
「エルディア!!俺だよ!」
俺はそう叫んだが、眼前の女の眼が虚ろなことに変わりはなかった。
皮肉さえ覚える。
結局、どうすれば良かったんだ。
何か俺がどこかで間違っていたのだろうか。