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第2話 騎士と従者

「ん?あれは…」


僕が『アワインの町』を目指し、10分ほど歩いたところ

前方から馬に乗った人が

2騎こちらに向かって来ているのが見えた


「まさか盗賊?

いや違う。あの姿はむしろ…」


後ろの従者らしい人はともかく

前の人は、鎧を身に付け剣と盾を背負っている

さらに従者が槍を持っているところを見ると

典型的な『騎士』のようだ


僕はMPを5消費して『大鑑定』を使用してみた


『ジェイス・ジャック・ストライヴァ 24歳

L21 騎士・戦士


ストライヴァ子爵家の三男

HP680/680

MP250/250

Str94

・』


…リアル騎士様だった


僕は、道から外れると

地面に片膝をついて頭を下げた

この世界のマナーはまだわからないが、下手に出ていれば問題ないだろう


「頭を上げてくれ

少年、君はスターハ村の住人かな?」


騎士様は僕の近くで馬を止めると、馬上から話しかけてきた


「はい、その通りです

騎士様」


「そうか、実は山向こうでブレードベアが山を越えて、こちらに向かうのを見た、という情報が入ったのだ

スターハ村は無事かな?」


「………」


「…どうした?」


「村は……

全滅しました」


「なっ、なんだと?!

どういうことだ」


「熊に襲われて…

なんとか倒したみたいでしたが…

みんなは既に亡くなっていました


たまたま僕は村にいなくて無事でした…」


「ジェイス様」

「うむ、すまない少年

私たちは急いで確認に向かわねばならない

悪いが君も村に来てくれ」


そう言うと2人は、馬を走らせてスターハ村に向かって行った





■□■□■□■□



Sideジェイス


スターハ村に到着した私たちは

村の広場に倒れている巨大な熊を見つけた



「……確かにブレードベアだな」


「そうですね、3メートル50といったところでしょう」


「血の跡があるからここで戦ったようだが

村人たちの遺体はどこだ?」


「おそらくあそこでしょう」


そう言って従者のヒースクリフは、近くの丘を指差した


私はその方向を見ると

墓地らしきものがそこにはあり

新しい墓標もいくつかあるようだ



「なるほど、そのようだな

名前の確認を頼む」

「かしこまりました」


ヒースクリフは台帳を取り出すと、墓に刻まれた名前をチェックしだした


「………残念ながら彼以外の住民は全滅したようです」


「間違いないのか…」


「はい、確認できました

おや…彼が来たようです」


その言葉に丘の麓を見ると

先程の少年が私たちを探していた




■□■□■□■□


Side明




「君はアキラ、でいいのかな?」


「知っているのか?ヒースクリフ」


「台帳に名前がありましたので」


墓地から降りてきた2人は僕の名前を知っていた


神様の情報操作だろう

戸籍台帳に僕の名前を書き加えただけで、僕はこの世界の住人になっている


干渉はできないとか言っていたので

おそらくこの世界の神に頼んだのだろう


「はい、僕が明です」


「村のことはすまなかった

私たちも可能な限り急いだのだが…」


「誰のせいでもありません

僕も間に合いませんでしたから」


「アキラ君、失礼ですが

『祝福』は? 」


「え?あ、はい先日」


「ではまだレベルは低いのでしょう

ブレードベアは低レベルの者が勝てる相手ではありません

むしろ君だけでも助かったのは、不幸中の幸いでした」


「同感だ

しかしアキラはこれからどうするつもりだ?」


「天涯孤独となりましたので

アイワン?の町で冒険者になるつもりでした」


「『アワイン』だな

なるほど、冒険者ギルドがあるからな、成人もしているようだし、問題はあるまい」



「そうですね、こうなってしまったのでは、スターハ村は破棄するしかありません

それが最善でありましょう」


「そうなると…

アキラ、この村の名物は塩と干し肉だったはずだが

保存場所はどこにある?」


「あちらに洞窟があって

そこが採掘場所兼保存所になっています」


僕は質問に答え、さらに2人をそこに案内した


「なるほど、ヒースクリフ

これを全て購入するといくらくらいになる?」


「…そうですね

2千から3千Gといったところでしょう」


「よし、ならば4千だそう

アキラこの塩と肉を4千Gで売ってくれないか?」


「どういうことでしょうか?」


「餞別と賠償だよ、領民を守るのは、我がストライヴァ家の義務だ

君は誰のせいでもないと言ったが

それでは子爵家としての示しがつかない

せめてこれだけでも贈らせてくれ

それに、これだけの食料を破棄するのも勿体ないからな」


「わかりました、有り難うございます」


神様と同じようなセリフに、なんとなく嬉しくなりながら僕は頭を下げた


こういう律儀で思いやりのある人は尊敬できる



「これらは後で人を派遣するとして

ジェイス様、それでしたらブレードベアの死体も、餞別になるのではありませんか?」


「そうか、それもいいな」


僕たちは再びブレードベアのところにやって来た

ヒースクリフさんが熊の死体を調べているが

僕には正直何をやっているのかわからない


「予想通り肉と内臓は腐りかけています

私は『素材解体』は使えませんが

これなら『浄化』が使えます」


そう言うとヒースクリフさんは呪文を唱え始めた


「聖なる光よ、穢れしものを清めたまえ『浄化』」


詠唱が終わると、優しい光がブレードベアを包み込んだ

するとまるで空気が抜けたようにブレードベアの死体がペシャンコになってしまった


「い、今のは?」


「癒し手のスキル、『浄化』ですよ

穢れたものを消し去る効果があるので

こういうこともできるのです」


『浄化』は、癒し手のレベル4のスキルなので、実は僕も使えるのだが

単純にアンデッドに使用するものだと思っていた


「驚きました」


「ブレードベアはいい武具の素材になる

アワインの町の武具屋に持って行けば、加工してくれるだろう」


そう言いながら、ジェイス様は、潰れたブレードベアを絨毯のように丸め、ロープで縛った


「これもいただけるのですか?」


「当然だよ、君の村の者が倒したんだ

ならば所有権は君にある


…少し長居をしてしまったな

アキラはヒースクリフの馬で一緒に来るといい

アワインまで送ろう」


「何から何まで…

本当にありがとうございます」




■□■□■□■□




僕たちは3人でアワインの町へとやって来た

さすがに2人乗りとはいえ馬は速い


「ジェイス様ですね

お通り下さい」


門を顔パスで抜けると、まずは宿屋に向かい馬を預けた


「私はアキラを連れて冒険者ギルドに行く

ヒースクリフは武具屋で待っていてくれ」


「かしこまりました」


僕はジェイス様の後についていくと、剣と盾の看板の建物に到着した


「ここが冒険者ギルドだ

登録した後、武具屋に行こう」


「ありがとうございます」

そう言うと、僕は扉を開けて中に入った


ようやく僕の冒険者ライフが始まるようだ

次回タイトル予告 「ギルドと武具屋」


用語解説

癒しヒーラー


回復に特化した職業

修得可能スキル、回復術、打撃武器、格闘術、盾

自動修得スキル ロングヒール(離れた対象にも回復魔法を使用可能)


修得スキル

L1ヒール

L2マインドアップ

L3クールダウン

L4浄化

L5プロテクト

L6インデュア

L7メディカルセンス

L8マジックバリア

L9メンタルリカバー

L10メガヒール


インデュアは状態異常になりにくくなるスキル


メディカルセンスは薬草学等と併用することで薬を作成できるスキル


メンタルリカバーは自身のMPを回復できるスキルだが、1度使用すると、しばらく使用できなくなる

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