プロローグ4 スキルの選択
まだプロローグという名の状況説明
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「転生したら、当然僕はレベル1だよね?
いくら特典があるとはいえ
生きていけるのかな?」
「急に不安になったようだね
ならば比較的安全なところに転生させるよ
ついでにいえば17歳のレベル1は珍しくない
確かに命の軽い世界ではあるけど
そこまで不安に感じる必要は無いと思うよ」
神曰く、転生先の世界の人族は、生まれてしばらくの間は地球人とほとんど変わらないが、早ければ15歳、遅くとも20歳迄には『神の祝福』というものを受け、肉体が作りかわってレベルが上がり、スキルを修得できるようになるらしい
ちなみにこれを『成人する』と言うみたいだ
もちろん僕は祝福を受けた状態で転生させてくれるそうだ
「ならばいいけど
しかし天涯孤独の人間がいきなり現れるんだよね?
しかもその世界を詳しく知らない人間が
本当に大丈夫かな?」
「意外と心配性だね、ならば……
よし、こうしよう
丁度はぐれブレードベアに襲われて相討ちになって全滅した小さな村がある
そこの生き残りということにすればいいよ」
「はぐれブレードベア?」
「そういう獣がいるんだよ
本来ブレードベアは縄張りから離れないんだけど
稀に餌を求めて山を越えて移動する個体がいるんだ
それをはぐれブレードベアというのさ」
「なるほど、それなら天涯孤独でも常識知らずでも不自然じゃないね」
「ボクとしても戸籍台帳にちょっと細工するだけで
君を自然に転生させられるからね
それに『スターハ村』の周りには、危険な生き物はほとんどいないし
冒険者ギルドがある『アワインの町』も近くにある
我ながらいいところを選んだと思うよ」
「そうなんだ
じゃあそろそろスキルを決めることにするよ」
(あまり危険がないなら
タレントスキルに全振りで余った端数を、戦士と回復に振るのがベストかな)
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まず僕は『成長度上昇』を選択し、一気に10まで上げようとしてみた
『SPを100消費し、L10まで上げますか?』
「あれ?何で?
…そうか、そういうことか」
キャンセルした後
今度は7ポイント消費し、L2まで上げてみた
『成長度上昇がL2になりました
修得経験値50%上昇を修得しました。ONにしますか?』
「やっぱり
しかしパッシブスキルってONOFFが可能なんだ」
当然ONを選択し、次の消費SP−1もONにすると、L3にするのに必要なポイントが6から5に減少した
「思った通りだ
ならば…」
レベルを2から6に、6から8に上げ、そして10まで上げてみた
すると本来なら100ポイントの消費が86にまで減少したのだ
「よし、じゃあ次は『肉体系技能の素質』だ
…あれ?0にはならないんだ…」
消費SPが−3になっているので、消費なしでL1にできるのでは?と、思ったのだが、1ポイントは必要らしい
考えてみればポイントを『消費』してスキルを修得するシステムのため
消費なし、つまり0にはならないのは当然である
「ならば0にはならないって書いててくれよ…
あれ?61ポイント余り?」
どうやら消費SP−7は思った以上にポイントを節約できるようだ
「じゃあ全振りできるじゃん
…いや、残りはたったの8ポイントしかなくなる
ならば頭脳系はL9で止めて21ポイント残そう
これで『戦士技能』、『癒し手技能』、『剣技』、『HP上昇』を全部L4まで上げた上で5ポイント残る
これならそうそう死なないだろうし
レベルアップ速度も実質8倍になってるはずだから
すぐに頭脳系もL10にできるだろう」
「どうやら決まったようだね」
「うん、決まったよ
これでなんとかなると思う」
「じゃあ次はギフトスキルを選んでもらおう」
「うん、わかった
これのポイントも200か…」
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『ブリザードテンペスト
(200)消費MP150
自分を中心に極寒の冷気と氷の刃の混じった竜巻を起こし
範囲内の自分以外の全てを攻撃する』
『メテオスゥオーム(200)消費MP200
指定座標に隕石を落とし、範囲内に地属性と炎属性の攻撃を行う。
遠距離で使用しないと、自分にも影響を与えることに注意』
『ゲイ・ボルグ(150)消費MP60
対象に向かって槍を投擲すると、その槍が無数の破片となり範囲内を攻撃する
攻撃力は槍の攻撃力に準ずる』
「……いらないよ
もう少し控えめなのはないのかな?」
『ワープ(100)消費MP50
現在地からあらかじめ設置したワープポイントまで移動する
ワープポイントはレベルが5の倍数になる毎に1つ増える(設置の解除可)』
「あ、これはいいな
修得っと」
そして僕はさらに
『鑑定(50)消費MP1
指定したものの名前等をしることができる
さらに4消費する事で、更に詳しいデータを知ることができる』
『クラスチェンジ(50)消費MP30
自分またはパーティメンバーのメインクラスまたはサポートクラスを変更する
ただし5分間の集中が必要』
を修得した
どちらも地味だが便利なスキルだと思う
「ギフトスキルも決まったみたいだね」
「うん、これでいつでも
転生できるよ」
「いつでも…ね
君は聞かないんだね?
言語については」
「え?
…あ、そうだ
確かに言葉が通じないと…」
「それについては問題ないよ
転生の過程であちらの共通語を、話すことも読み書きもできるようにしておくからね」
「そうなんだ
脅かさないでくれよ」
「今までの転生者たちは
全員質問してきたんだけど
君はしなかったからね
…おっと、そろそろ時間のようだ」
「…そうみたいだね」
僕の身体が少しずつ薄れ、向こうが透けて見えだした
ようやく転生するようだ
次回タイトル予告「プロローグ5 現世との別れ」
ようやく転生できそうです
用語解説
クラス(職業)
いわゆるジョブ
戦士、盗賊から料理人、農夫などまで様々な種類がある
メインクラス(ファーストジョブ)とサポートクラス(セカンドジョブ)で1つづつ選択できる
クラスによってパラメーター補正に違いがあり
(例えば戦士なら、+HP40%、+Str30%などの補正がつく)
メインクラスだとその補正が倍になる
また修得したスキルはクラスチェンジしても忘れることはないが
自動修得スキルだけは例外で
基本的にそのクラスのままでないと使用できない
例、魔法使いのマジックブラスト(単体用の魔法を複数の相手に使用する)
癒し手のロングヒール(離れた相手にも回復魔法が使用可能になる)など
また一般クラスのレベルは、SP100で完全修得になるが、上級クラスは200ポイント、最上級クラスは300ポイントが必要である