プロローグ1 盲亀の浮木
初投稿です
まずは状況説明
盲亀の浮木 滅多におこらない珍しいこと
「ここは…何処だ?」
僕は奇妙な空間で目を覚ました
真っ白で、下には地面や床の感触はない
しかし今まで寝ていて、立ち上がることさえ出来る
「そうだ、僕は松井明。
17歳の高校生
成績は中の下
運動神経は中の上
ルックスは中の中
趣味は読書とゲームのごく普通の一般人
特技は家事全般、特に料理が得意
別名世界一主夫が似合う男」
自分のことを認識した僕は改めて周りを見渡した
が、周りには本当に何もない
「そうだ、確か学校帰りに、自転車のペダルが急に重くなって
バランスを崩して…」
「目覚めたかい?アキラ・マツイ君」
「誰だっ?」
後ろから聞こえた声に振り返ると
そこには人の形をした光のようなものが浮いていた
「ボクかい?ボクは神だよ」
「カミ?あぁ神様ね
随分砕けた口調だけど」
「このほうが楽だからね
どうせ短い付き合いになるんだし
君もタメ口でいいよ」
「わかった。
しかし神様が居るってことは、やはり僕は死んだのかな?」
「察しがいいね。そうだよ」
わかってはいたけど
改めて言われるとさすがに落ち込むな
「もう幼なじみにも家族にも友達にも会えないのかな?」
「残念ながらね」
「そうか…
で、僕はこれからどうなるのかな?
天国行き?それとも地獄?」
「それなんだけどね
神にも予想できない死に方をした者は
別の世界へ転生しなければならないというルールがあるんだ
だから君には異世界に行ってもらうよ」
「……は?
ち、ちょっと待って
予想できないって何?
それに転生って…」
「順番に行こうか
まずは見たほうが早いね」
そう言うと神は手を軽く振った
すると空間に窓のようなものが出現した
「あ、僕だ…」
そこには自転車に乗る僕が映し出されていた
そして視点が変わり、野球をしている少年たちが映し出された
そこからの映像はあり得ないものだった
一人の少年が場外ホームランを打つ
↓
ボールが飛んでいたカラスに直撃する
↓
落下したボールが僕の自転車のタイヤに直撃し、さらにチェーンに絡み、僕はバランスを崩して転倒する
↓
一方、カラスは道路に落下し、トラックの後輪に捲き込まれる
↓
飛び散った肉片と赤い液体が、後ろを走っていた車のフロントガラスにべったり
↓
ドライバーがパニックになり運転をミスする
↓
転んでいる僕の方に向かって…
「……まじ?」
「うん、大マジ
これほどの不運な死に方は初めて見たよ
まさか子どもがあんなに球を飛ばすとはね
それに絶妙な位置に君とカラスと車がいるなんてね」
「転生と言うのは?」
「あまりにも気の毒だから
一応の救済措置だよ
魂が消滅して無になる道もあるけど
嫌だよね?」
「そうだな、僕にもやりたいことは一杯あったし
やり直しのチャンスがあるなら転生したいよ」
「それなら、ちょっと目を閉じてもらえるかな?」
「ん?…
ってうわわわわっ」
暗闇の中にいきなりうかんだ文字の列に
僕は思わず悲鳴を上げた
後書きでは
次回タイトル予告と
告知または用語説明を行います
次回タイトルは
プロローグ2 スキルとスキルポイント です