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秋空哀歌  作者: フラップ
3/11

 何かを忘れてきた気がする。


 何だったかさえ忘れてしまった。


 でもそれが無いのに違和感が無い。


 それさえも忘れてしまったのかもしれない。




 お利口さんを目指して、


 優等生を目指して、


 遊ぶ時間は少なくなっていった。


 死んでしまおうかと初めて思ったのもこのあたりだっただろう。




 何か忘れた。


 それだけを、忘れずに覚えている。


 頭の中で警告灯が光ってる。


 永遠の痛みを訴えている。




 離脱できないフラットスピンに入った。


  いくらエレベータを下げても、


  いくらラダーを踏み込んでも。


 もう戻れない。




 何処で、僕は間違ってしまった?


 何処で、道を間違えた?


 引き戻せない。


 巻き戻せない。




 教科書の美談は、ここには存在しないファンタジー。


 もう抜け出せない。


 もう永遠に、お利口さん。


 もう永遠に、優等生。




 駅には、ホームドア。


 僕みたいな馬鹿が飛び出さないようにだ。


 少なくとも死体は残したくないな。


 残った連中は僕を見て笑うだろう。




 弾けた炭酸の泡のように、


 吐き出した煙のように、


 消えてなくなってしまいたい。


 此処から、この世界から。


 

※作者は劣等生です。

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