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「番探しの王子と転生おばあちゃん~王子様、私は黒髪黒目じゃありません~」  作者: 栗原林檎
第1章

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プロローグ


夕焼けが病室の窓いっぱいに広がっていた。

茜色から紫へと溶けていく空が、静かな光となって二人を包む。

ベッドに横たわる老人――五十鈴 音也の呼吸は、ゆっくりと浅い。

その傍らで、桜は彼の手を両手で包み込んでいた。

細くなった指。

けれど、その温もりだけは変わらない。


「……桜」


かすれた声が、彼女を呼ぶ。


「はい、音也」


微笑むと、音也はゆっくりと目を開けた。


「君と一緒になれて……本当に幸せだった」


桜の瞳が揺れる。


「私もよ……あなた」


音也は息を整えながら、静かに続けた。


「また君を必ず見つける。

 次も、必ず……一緒になろうな」


桜は涙をこらえ、強く頷いた。


「ええ。約束よ」


音也は少し照れたように笑い、


「……また君の作る、美味しいご飯が食べたかったなぁ」


その声は風に溶けるように小さくなり、

やがて静かに途切れた。

桜はそっと額を寄せる。


「来世でも、必ず、一緒になりましょうね」


夕焼けが、二人を優しく包み込んでいた。

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