5.光が曲がる理屈
作者は昔働いていた上司から光レンズという話を聞いたことがあります。
重たい星の周りでは、光が屈折して流れていくため、その後ろ側の星々を捉えることができるという話でした。
これも重力によって引き起こされる現象だと聞いています。
さて、異世界ではどうでしょうか?
光でライトソードを作りたいと考えたことはないでしょうか?
ライトガンやライトボールのように、光を飛ばしたり、曲げたりしたいと思ったことはないでしょうか?
これを現実的に行う場合と、魔法的に行う場合の二点を踏まえ、科学的に解釈するとどうなるかを作者は考えていきたいと思います。
では、簡単に説明していきたいと思います。
前回でも話してきたように、存在Xはあらゆる方向に力が掛かるという定義をしてきたかと思います。その力の流動性は星の中でも例外ではなく、その星の表面に対し吸い付くようなベクトル合成力を起こすことになります。
そして、光レンズのような現象を引き起こす場合があるのです。
前回に説明したように、重力は存在しません。
重力とは、存在Xによって生まれたベクトル合成力であり、星の表面に引き付けようとする力のことになります。
ではここで、地球よりも圧倒的に大きい星について考えてみましょう。
地表からの存在Xの流動性はどうなるのでしょうか?
それは、重さに比例して小さくなっていくことになるかと思います。
地表に対し、空からの押しつけが強くなることを意味します。
その押し付け具合が、約3×10の8乗メートル毎秒に近づいて行くことによって、光が屈折することになります。
お判りいただけるでしょうか?
これが超重力恒星ブラックホールであったならどうでしょうか?
ブラックホールは巨大。かつ超重量である。その結果、表面に対する空の押しつけが限りなく約3×10の8乗メートル毎秒に近いため、光は吸いつけられるように流れていくように見えるのです。
決して外に出ることがないため、我々の目には黒く映ることになったのです。
つまり、宇宙にとってブラックホールとは、大きくて重すぎる惑星という意味になるのです。
ではここで話を戻しましょう。
光を屈折させるためには何が必要か分かりますよね?
そうです。存在Xの流動性を考慮すればいいのです。
現実世界では外乱によるアプローチが必要になるかと思います。
例えば、プリズム。例えば、音波。例えば、電子。例えば、風圧。そう言った事が考えられるでしょう。
では魔法世界であるならばどうでしょうか?
魔法は自由です。自由であるからこそ、科学的にアプローチの制限が必要になってくるのです。
その制限の上限はないものの、制限を利用しなければ矛盾が生じてくるというものです。
つまり、光魔法を使う場合には、最低限の制約を知らなければならないということになるのです。
極論から言えば、存在Xの流動性を制御できれば万事オーケーになるかと思います。
風魔法なのか。あるいは存在Xそのものをコントロールすることができる光魔法であるのかという体系であればいいのです。
そうした考え方の元で、作者様方がそれぞれの作品に使われる光魔法について考えていけばよろしいのです。
いかがでしょうか?
存在Xと魔力や魔素の関係が色々と思い浮かんでくることはないでしょうか?
魔素は軽いものです。魔素もまた設定が必要になるかと思います。
軽い物には存在Xが掛かるもの。そう認識して頂ければよろしいかと思います。