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幼馴染に振られた少女と家族を失った孤独な少年の慰め合い同盟〜いつの間にか離れられなくなってしまって〜  作者: めのめむし


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第92話 勉強会

 開けて翌週。

テスト1週間前となった。

大嶺高校では、期末試験は12教科あり、月曜から金曜まで行われる。

1日に2〜3教科行う。


 科目数が多いので、高得点を狙う生徒は基本的に1週間より前から準備を始める。


「奏、涼君! 助けてよー」

「まどか、ちゃんと勉強してなかったの?」

「まどか、1週間前じゃ時間足りないんじゃないか?」

「うっ、いつになく2人が厳しく感じる」

「まどか、何がまずいんだ?」

「全部」

「頑張れ」

「冗談だよー」


 涼の席で奏と話していたら、まどかが泣きついてきたのだ。


「大体、まどかは中間はどれくらいの順位だったんだ?」

「90番くらい」

「ああ、結構よかったんだ」

「うん、でも数学全部と英語全部が不安」

「逆に他のはどうなの?」

「なんとかなると思う」

「それじゃあ、大丈夫か」

「うん、多分」


 涼と奏が顔を見合わせて言う。

 まどかが安心した顔になる。


「涼くーん、かなでー、うぇーん」

「嘘泣きやめろ」

「奏、涼君が厳しい」

「嘘泣きはちょっと嫌かも」

「奏まで!」

「どっちにしても、奏と天音と俺の3人でテスト勉強するつもりだったんだよ。一緒にやらない?」

「やる!」

「じゃあ、今日からだから。これから俺のうちに集合な」

「分かった。お菓子買ってくね」

「……遊びに来るんじゃないだろうな」

「まさかぁ。気分転換のためだよ」

「まあいいか。じゃあ、この金で適当に買ってきて。買いすぎても明日以降に回すから多めで」

「え? いいの。涼君太っ腹!」

「ウヒャ、腹を触るな」

「むー、まどか!」

「あはは、テンション上がりすぎちゃった」

「もう。じゃあ、まどかと私でお菓子買いに行こう」

「分かった。じゃあ奏のうちに自転車で行くね」

「分かった。待ってるね」


 学校から出た3人。まどかはまっすぐに自宅へ向かい、奏は涼の家に自転車をとりに行った。


「奏、天音がいたら、一緒にお菓子買いに行ってな。天音が食べたいものを買ってやって」

「涼君はそうやって、いつも天音を甘やかす」

「天音はかわいいからな」

「もう。そ、それじゃあ、わ、私は」

「改めて言うと、恥ずかしくなるから言わない」

「言って!」

「分かったよ。か、奏もかわいいよ」

「っ! 改めて言われると、恥ずかしいね」

「だから、言ったろ」

「うん」


 2人は恥ずかしくなって、下を向いている。


「じゃ、じゃあ、いくね」

「ああ、うん、行ってらっしゃい」

「ふふ、行ってきます。なんか、いいね。こういうの」

「え? 何が?」

「なんでもない」


 奏は、急いで自転車に跨ると走り去った。


「行ってきます……か。俺もいいと思う」


 涼にもバッチリ聞こえていた。

しかし、照れ臭さに拍車がかかるから、気づかないふりをしていた。



 奏の家にまどかが迎えにきた。


「行こうか、まどか」

「天音ちゃんは?」

「今帰ってきたばっかりだから、直接涼君のうちに行くって」

「そうなんだ。じゃあ、行こう」


 2人はスーパーの中をカートを押しながら、お菓子を入れていく。


「奏、邪魔しちゃったかな? 涼君との勉強会」

「元々、天音もいる予定だったし、人数が多い方が助かるかも」

「意識しちゃうってこと?」

「うん、涼君がすごく気になるんだよね」

「そうかー、それじゃあ、勉強に集中できないもんね」

「これでも毎日一緒に勉強してるから、少しは慣れたんだけどね。一度意識するともうダメ」

「そうなんだね。涼君の方はどうなの?」

「涼君は平気そうなんだよね」

「奏を意識してない?」

「うん、私ばっかりなの。くやしー」

「あはは、それじゃあまだ時間かかりそうね」

「うん、この間、まどかがせっかく涼君の気になる人のことを解決してくれたのに」

「気になる人いないってことは、奏のことも気にならないのかな?」

「ええー、それは嫌だよ」

「あはは、冗談。涼君は奏のことは気になってるはずだよ」

「そうなのかな」

「って言うか、奏しか見てないじゃん」

「ええ。そうなの! 嬉しい」

「そうだよ。いつも奏を目で追ってるよ。涼君」

「そうなの? それなら嬉しい」

「うん、だから安心してね」

「うん」


 奏は嬉しくて気づいていなかったが、涼の視線が追ってる先を知っているまどかは、涼のことをいつも視線で追ってるのだった。


 お菓子を買った、2人は涼の家に行くと、天音はもう来ていた。


「天音、天音の言ってたチョコパイ買ってきたよ」

「ありがとう。これ、この間お兄ちゃんに買ってもらってから、気に入ってるんだ」

「そうなのか、それなら、天音用のお菓子はいつもこれ買っておけば大丈夫だな。

考えなくて良くなったよ」

「えー、お兄ちゃん、毎回はさすがに嫌だよ。

お兄ちゃんが私のために一生懸命考えてくれるからいいんだよ」

「確かにちょっと天音はチョコパイっぽい顔してるよな」

「話聞いてないし、チョコパイっぽい顔って何?」

「こう言う顔」

「指差すなー」

「うわ、飛び込んでくるな。くすぐるな!」

「お兄ちゃんが悪いんだよ」


 2人が戯れている中、まどかと奏は飲み物を入れにキッチンに行った。


「ねえ、奏」

「何?」

「あの2人、やけに仲良くない?」

「それはあるかも」

「まさか、いないと思ってた奏のライバルがこんな身近にいるとは」

「ライバルって。涼君は天音のこと、妹みたいに思ってるよ」

「って、言っても他人だからねぇ。あんなに距離感が近いんじゃ、くっつく可能性もあるよ」

「うっ、それは……」

「まあ、仲良いんだから仕方ないよね。奏は奏でアピールしていかないとね」

「うん」


 その後、4人は勉強をしたが、まどかには奏が教え、天音には涼が教える形になった。

「お兄ちゃん、中学生の勉強じゃ、復習とかにならないよね。ごめんね」

「涼君変わろうか?」

「いや、天音は飲み込み早いし、そもそも分からないところもそんなに多いわけじゃないから、問題ないよ」

「そんなこと言って、私に負けても知らないよ」

「大丈夫。奏に勝つために、前々から準備してるから、今回はかなりいけるはず」

「涼君と奏は勝負してるの?」

「うん、なんでも言うこと聞くって言う罰ゲーム付きの勝負だよ」

「え? 奏、そんなこと言って大丈夫なの?」

「私負けないもん」

「負けたらどうするの?」

「そ、それは、もちろん罰ゲーム受けるよ」

「まあ、相手が涼君ならいいのか」

「なんで俺だといいんだ?」

「なんでもないよ、涼君」

「うん、なんでもないよ涼君」

「なんでもないよ、お兄ちゃん」

「そ、そっか。分かった」

(俺にだったら、何されてもいいっていうんだったら嬉しいけどな)


 4人は夕飯時まで勉強をしたが、肝心のまどかも集中できたようで、今日やった部分に関しては自信を持てたようだった。

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