表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染に振られた少女と家族を失った孤独な少年の慰め合い同盟〜いつの間にか離れられなくなってしまって〜  作者: めのめむし


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/131

第82話 賢治と瑠美2

「賢治くん、おはよう」

「おう、瑠美おはよう」


 待ち合わせ場所で賢治と瑠美が合流した。

この数日間、賢治が不機嫌だったため、チャットや通話のやり取りは最低限しかしていなかった。


「やっと、謹慎が終わったよ。あいつのせいで、酷い目にあった」

「賢治くん、相手に怪我させちゃったんでしょ。

そんなこと言ったらダメだよ。もっと、重い処分になっちゃうかも知れないよ」

「そうは言っても、あんなの大袈裟にあいつが騒いだだけだからな。こっちはいい迷惑だよ」

「相手の人には謝罪したの?」

「両親が謝罪に行ってたよ。俺はいかなくていいって言ってたんだけどな」

「なんで? いかないとダメなんじゃない?」

「元はと言えば、あいつが俺の幼馴染にちょっかいをかけるのがいけないんだ」

「それと、バスケは関係ないんじゃないの?」

「それはそうだけど、腹立つだろ」

「腹たったから、あんなことしたの?」

「い、いや、それは。もう、いいんだよ。終わったことなんだから」

「賢治くん! 謝らないと終わったことにならないよ」


 瑠美が強く言う。

あまり瑠美が強く言うことはないので、賢治は面食らう。


「そんな、怒ることないだろ、瑠美」

「怒ってないよ。謝らないといけないところはきちんと謝らないとダメだよ」

「ああ、分かった。瑠美に言われた通りにするよ」

「……うん、良かった。」

(賢治くん、本当に謝るかな?)


 とりあえず、賢治が謝ると言う姿勢を見せたので、不信感は残るものの瑠美はにこりと微笑んだ。


「賢治くん、今日部活?」

「ああ、今日から部活だ。遅れた分取り戻さないと」

「部活では大丈夫そう? ベンチ外されたんでしょ」

「すぐに、取り返してみせるって」

「そう、良かった」

「今週末、どうする? 日曜日休みなんだ」

「うーん、どうしようか」

「瑠美が行きたいところならどこでも連れていってやるぞ」

(この間、コンクールに行こうって言ったら断ってきたのに……、ダメ、そんなこと考えちゃ)

「じゃあ、ショッピングモールにでも行こうか」

「そうだな。ゲーセンいって、ぬいぐるみとってやるぞ。好きだよな」

「うん、ぬいぐるみ好き」

(本当は、あまり持ってないんだけどね。賢治くんがやりたいみたいだし)

「よし、頑張るか」

「テスト勉強の方はどう?」

「嫌なこと思いださせるなよなぁ」

「あまり、自信ないの?」

「中間テスト、数学と英語がよくなかったんだよな」

「うーん、私はどっちもよくもないけど悪くない感じかな。教えられるほどじゃないかも。ごめんね」

「いいよ。数学と英語は奏にでも教えてもらうから」

「栗山さんに?」

「奏は学年主席だからな。昔から、教えてもらってたんだよ」

「そうなんだ」

(元カノに教えてもらうって、どうなの?)

「そうだ、瑠美も一緒に教わるか? 頼んでやるぞ」

「え? 悪いからいいよ。栗山さん、私のことよく思ってないと思うし」

「全然悪くないぞ。よく思ってないことなんかないはずだから、大丈夫だよ」

「え? だって、私が原因で、賢治くんと別れたんだよ。やっぱり思うところはあるよ」

「いや、奏は幼馴染で今でも続いてるんだから、そこまで気にしないはずだぞ」

「え? そうなの。でも、それはおかしいと思うの」

「何でだ?」

「だって、好きな人をとられたんだよ。幼馴染なんてこと関係なく悲しいでしょ」

「でも、奏は何でも言うことを聞いてくれるから。俺が頼めば大丈夫だよ」

(大丈夫なわけないと思うんだけど。言ってることおかしくない?)

「とにかく、私はいいから。ね。言っちゃダメだよ」

「ああ、分かった」

「お願いね」

「じゃあ、俺はテスト前は奏に勉強を教えてもらうからな」

「でも……一言余計なこと言っていいかな」

「なんだ?」

「元カノと2人でテスト勉強するって言われると、いい気しないよ」

「大丈夫だって、奏は幼馴染なんだから。一番は瑠美だからさ」

「そう言われても、嫌なものは嫌なの」

「じゃあ、数学と英語を終わらせたら、残りは瑠美と勉強するからさ。それで、許してくれよ」

「うん、納得できないけど分かった」

「? 変な言い方するなー。でも分かってくれて良かったよ。これで、俺も期末テストは安心だ」


 話していると、学校の校門にたどり着いた。

すると、一部の女子生徒から訝しむような目で見られた。


「ねぇ、あの人。羽山涼くんに反則をした」

「ああ、あの悪質だったやつね」

「私、見てたけど、酷かったからね」

「何日かあの人見てなかったけど」

「謹慎だったらしいよ」


 賢治はヒソヒソと言われて気分があまりよくない。

一緒にいる瑠美も肩身の狭い思いをしている。

その状態で玄関まできた。


「くそー、何で俺があんなヒソヒソと言われないといけないんだ」

「大勢の人に見られてるみたいだし、動画も出てるらしいから」

「瑠美も見たのか?」

「私は見てないよ」

「俺は悪くないのによー」

(さっきは謝るって言ったのに)

「でも、賢治くんがタックルしたんでしょ。それじゃ賢治くんが」

「俺は悪くないって言ってんだろっ!」


 廊下に賢治の怒鳴り声が響き渡った。

周囲の生徒が賢治に注目して、またヒソヒソと話し始める。


「っ! ごめんね。余計なこと言って」

「まあ、いいよ。気をつけてくれ」


 教室に着くまでの間、瑠美は下を向いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
謝らない→バスケ部に詰められる 奏に会う→勝負して勝っただろ→お前(涼)がいなくなったからノーカン→あの悪質タックルはそれでやったのか! どっちみち、賢治くんは型にはめられる未来しかないな
毎日楽しみに読ませていただいてます。 ちょっと気になったことを。 賢治くんが無茶苦茶なのは今更なので良いのですが、(良くはない) この学校も事なかれ主義で対応の悪い学校なのでしょうか。 謹慎(指導…
久々の賢治くん成分助かります 奏に近付かない約束をナチュラルに忘れているのが賢治くんクォリティ 瑠美は早く逃げて欲しい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ