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幼馴染に振られた少女と家族を失った孤独な少年の慰め合い同盟〜いつの間にか離れられなくなってしまって〜  作者: めのめむし


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第80話 登校時の雑談 

 水曜日の朝。


 涼は身支度を終え、スマホ動画サイトで犬の動画を見ていた。

動画を見ながら、ため息をつく。


「ハァー、犬飼いたいな。柴犬がいい。この間抜けな感じがたまらないんだよなぁ。

でも、一人暮らしだし、これから色々やることを考えると、寂しい思いさせちゃうからなぁ」


 独り言を呟いていた。

涼は犬が飼いたいのだ。

小さな頃から、黒柴を買っていたのだが、小学校の高学年になる前に亡くなってしまった。


 父とは、そのうちまた飼う約束をしていたのだが、飼う前に父が亡くなってしまい、そのあとは涼もそれどころではなくなって現在に至っている。


 一時期は忘れていた犬を飼いたいと言う欲求も、最近余裕が出てきたからか湧き上がってきた。

たまらなく飼いたいのだ。


 ピンポーン。


 動画を食い入るように見つめていると、インターホンが鳴る。

奏と天音が写っていた。

今日から、奏と一緒に登校するのだ。


「はーい」

『お兄ちゃんきたよ』

『涼君お待たせ』

「今行くね」


 玄関を出ると、奏と天音が自転車の鍵をかけていた。


「鍵はどうする? うちの中に入れておく?」

「先に帰らなきゃならなかったりした時のために持っとくよ」

「OK、それじゃあ行こうか」


 3人は並んで歩き出す。


「天音もこっちだっけ?」

「うん、途中で別れるけどね」

「そっか」

「どうしたの? お兄ちゃん、少し元気ないみたいだけど」

「え? いや、やばい、顔に出てた?」

「うん、少し。ねえお姉ちゃん」

「そうだね。元気なさそうだったよ」

「いや、本当に大したことないんだよ」

「何? 言ってよ、お兄ちゃん」

「うん、なんでも話して。悩みでも愚痴でもなんでも聞く約束でしょ」

「いや、恥ずかしいんだけど……」


 涼は、犬が飼いたいのだが、面倒を見れないかもしれないので、飼えないと悩んでいると話した。

奏と天音は拍子抜けしたような顔をしている。


「犬?」

「ワンちゃん?」

「うん、そう。」

「なんだ、もっと深刻なことでもあるのかと思ったよ。心配して損したよ、お兄ちゃん」

「いや、結構悩んでいるんだぞ。犬ってすごく可愛いだろ。もふもふしたり、一緒に昼寝したりしたいだろ」

「うーん、うちの家族は猫派だからなぁ」

「あ、俺とは相入れない家族だな」

「涼君、そんなこと言っていいのかな? 猫をもふもふさせてあげないよ」

「え? 猫飼ってたの?」

「うん、涼君がきたときは部屋に入れてたの」

「お兄ちゃん、猫も可愛いよー。触りたいー?」

「う……そ、そうだな。触ってみたい気もするかな」

「そんな言い方じゃあ、触らせてあげないよ。お兄ちゃん」

「ごめんなさい。触らせてください」

「よろしい。今度来た時に触らせてあげます」

「ははは」

「えへへ」


 天音と涼は顔を見合わせ笑ってしまう。

なんだか、置いてけぼりを食った気がした奏が話題を戻す。


「涼君、犬だって、涼君が帰ってくるのくらい待ってられるんじゃない?」

「うん、そうなんだけどな。俺が、今の家にいつまでいるかもわからないし、高校卒業した後のこともあるからな」

「え? それって、涼君が引っ越すかもしれないの?」

「あ、この間言ってた、親戚のうち?」

「まだわからないけど、可能性がないわけじゃないからな」

「今の家にいられない理由でもあるの?」

「いや、それはないな。完全に俺の家だし。固定資産税もちゃんと払えるから、問題ないよ」

「じゃあ、どうして親戚の家に?」

「あ、お兄ちゃん、従姉妹の女の子って可愛いの?」

「ん? ああ、俺からみても可愛いと思うよ」

「だから行きたいんでしょ。私というものがあるのにー」


 天音がポカポカ叩いてくる。

涼は姉妹だなと、顔を綻ばせる。


「いや、違うよ天音。ただ、1人は寂しいからな。食生活も偏り気味だし」

「じゃあお兄ちゃん、うちでご飯食べれば寂しくないし、食生活も偏らなくなるよ」

「さすがに毎日は無理だろ」

「涼君なら大丈夫だよ」

「奏まで言う。そういうわけには行かないよ」

「涼君、遠慮はいらないんだよ」

「いや、遠慮するよ。それは」

「もう、お兄ちゃん、引っ越しちゃだめ」

「いや、本当にまだ全然具体的なことは考えてもないんだ」

「でも、そのうち考えるかもしれないんだよね」

「まあ、再来週に叔母が来るから、その時にまた話が出るかもな」

「え? いとこの女の子もくるの?」

「ああ、来るよ。泊まることになってる」

「えー、ダメだよ。」

「いや、いとこだからな。それに多分叔母も泊まるし」

「涼君、なんで多分なの?」

「いとこが叔母が止まらなくても自分は泊まるって言ってるから」

「やっぱりダメだよ。男女が1つ屋根の下で一晩過ごして何も起こらないわけないんだよ。お兄ちゃん」

「いや、この間、1つ屋根の下で二晩過ごしたろ。天音は一晩な」

「そ、それは私たちだからいいんだよ、お兄ちゃん」

「そうだよ、他の人だと心配になるんだからね、涼君」

「言ってることがメチャクチャだぞ」

「とにかくダメなものはダメ。あ、私こっち行かなきゃ。

お姉ちゃん、お兄ちゃんを止めるの任せたわ」

「任せておいて」

「お前らなー、楽しんでるだろ」

「さて、何のことやら。じゃあね、お兄ちゃん、お姉ちゃん」

「ああ、頑張れよ」

「いってらっしゃい天音」


 天音は、分かれ道に入っていった。

2人になった涼と奏はしばらく無言で歩く。


「それで、高校卒業した後のことも言ってたけど、大学はどこか遠くに行く予定なの?」

「いや、別に行きたいところは今のところないな」

「じゃあ、どうして」

「ああ、海外の不動産投資に興味があるんだ」

「そうなの?」

「たとえば、アメリカなんかでは不動産がそこに建っているっていう実績で価値が上がったりするんだよ」

「日本は違うの?」

「日本は基本的に価値がさがっていく一方だからな。うちの持ってる不動産も売りたくても、価値が目減りしているはずなんだ。だから、家賃収入としてはいいけど、不動産の価値としてはあまり魅力的ではないんだよ」

「って、ことは涼君はアメリカに行きたいの?」

「ずっとっていうわけじゃなくて、たとえば1ヶ月だけ向こうに行くとかそう言ったことをすることになるんじゃないかな」

「ああ、だから犬は飼えないかなっていうことなのね」

「流石にそんな長期間ペットホテルっていうのもね。そもそも預けられるか知らないけど」

「それは確かに、難しいかもね」

「うん、そうなんだよ」

「ふふ、涼君は優しいね」

「何で?」

「普通、飼う場所と、お金もあるなら、先のことまであまり考えないで飼っちゃうと思うから」

「まあ、お父さんも言ってたからね。生き物を飼うときは最後まで責任を持てって」

「そうだよね。面倒見れなくなったからって、保健所に連れていくのとか、ひどいよね」

「そう、本当にどうしようもなくなったら、それもあるかもしれないけど、自分が酷いことをしたっていうのは、背負っていかなきゃいけないと思うんだよね」

「そうだね。それで、涼君は元気がなくなるくらい悩んでいたんだね」

「はは、そうなんだ」


 涼と奏は気安く雑談をしながら、学校へ向かっていった。

いつも呼んでいただきありがとうございます。


先日お伝えした通り、一日3話投稿から2話投稿にかえさせていただきます。

月曜日まで3話投稿を致しますが、火曜日以降は2話投稿に変わります。

2話投稿の場合は7時と20時の投稿になります。

もっと早く2話投稿にする予定だったのですが、奏にとっての転機になる話がありまして、それが投稿できるまではと思っていました。無事に月曜日にその話を予約投稿できましたので、2話に変えさせていただくことになりました、。

あと、今後投稿の変更やその他連絡がある場合は、基本的に活動報告の方にのせるようにします。

あるなら活用しようと思いましたので。

こちらにも同様の内容を載せる場合もありますが、載せないこともあるかもしれないので、何かあったらのぞいていただければと思います。

よろしくお願いします

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