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幼馴染に振られた少女と家族を失った孤独な少年の慰め合い同盟〜いつの間にか離れられなくなってしまって〜  作者: めのめむし


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第77話 生徒会長

 放課後、涼と奏は生徒会室に向かって歩いていた。


「ちょっと、緊張するな」

「ダメって言われたらどうしようね」

「まあ、その時は別に今まで通りうちで色々やればいいんだし」

「そうだね。どっちみち活動拠点は涼君ちなんだし」


 そうこう言っているうちに生徒会室の前についた。

コンコン。

ドアを叩く。


「はーい」


 メガネをつけた、女子生徒が出てきた。


「どう言ったご用件ですか?」


 奏が答える。


「同好会を作りたいのですけど、どうすればいいか聞きにきました」

「えっと、同好会設立は一応5月中ってことに決まってて、もう6月なので、終わってるんですよ」

「えっ、そうなんですか? 知りませんでした。それなら、仕方ないね」


 奏が残念そうな顔をして、涼の方を見る


「ああ、仕方ないな。すみません、お邪魔しました」


 すると、奥から声がかかる。


「あ、待って、同好会は設立要件が緩いし、期限はどうにでもなるから、なんとかするよ。入ってきてもらって」

「あ、はい会長」


 メガネの生徒にソファーに案内される。


「こちらに座ってください」

「ありがとうございます」


 ソファーに座ると、ボブカットの目鼻立ちの整った美形の女生徒が出てきた。


「こんにちは、私は生徒会長の来栖ありさです」

「あ、僕は1年1組の」

「羽山涼くんだよね。知ってるよ。そっちは、栗山奏さんだね」

「奏は分かりますが、なんで僕の名前を知ってるんですか?」

「なんでって、君、今有名人でしょ。一夜にして、地味メンからイケメンに変わって、バスケの試合では大活躍をしていたけど、残念なことに怪我をしてしまって、2試合しかできなかった。多くの女子生徒が残念がっていたよ」

「なんか、聞いてて恥ずかしいですね」

「恥ずかしがることないよ。実は私もみていたんだ。あの試合。私も興奮しちゃったよ。君本当にすごかったからね」

「ありがとうございます」

「栗山さんの活躍もすごかったよ。同じ女性ながら、かっこいいと思ったね。その2人がきてくれるなんて嬉しいよ」

「あ、ありがとうございます」

「どうだい、君たち、生徒会に入らないかい?」

「あ、いえいえ、同好会のことを聞きたかったんです」

「残念。美男美女はいくらいてもいいのに……それで、何を知りたいんだろう?」

「設立するための条件ですね」

「ああ、それなら簡単だよ。細かいことはあるけど、大まかなことを言ったら2名以上の参加者と1名の顧問でいいんだ」

「そうなんですね。でも顧問、見つかるかな?」

「顧問は他の部の兼任でもいいよ。あ、でも君たちのクラスの笠井先生はどこの顧問もやってなかったはずだよ」

「ああ、そうでしたか。相談してみます」

「部費は一切でないから注意してね。ただ、活動場所は空いている教室など貸してもらえるから。安心して」

「ところで、どんな活動するのかな?」


 涼と奏は同好会の趣旨を話した。


「へー、面白そうだね。私も入らせてもらおうかな」

 

 すると、他の生徒会メンバーが口を挟む。


「生徒会長はやることいっぱいあるのでダメです」

「えー、兼任でやれば、生徒会の仕事の息抜きができて、作業効率も上がると思うんだよね」

「兼任も大歓迎ですので、よかったらリフレッシュにどうぞ」

「おお、羽山君、話がわかるね。そういう子はポイント高いよ」

「ありがとうございます」


 会長の笑顔に釣られて涼も笑顔になる。


(何よ、涼君。会長さん美人だからって、デレデレしちゃって)


 会長が申請用紙を出してくる。


「顧問が決まったら、こちらに書いて、メンバーの名前と同好会名も書いて、ここに提出に来てもらえる?

私も名前を書いておこう」


 そう言って、3番目に勝手に名前を書いてしまった。


「あ、本当に入るんですね」

「会長ー、何してるんですか」

「息抜きだよ息抜き」

「それじゃあ、僕たち行きますね」

「失礼します」

「じゃあ、同じ同好会員同士、仲良くやろう」

「はい、それでは」


 生徒会室を出た涼と奏。


「なんか、生徒会長、元気な人だったな」

「うん、本当に入るのかな」

「うん、もう紙に書いてあるからね。しかも3番目に」

「どう思う?」

「俺はいいけど、奏は?」

「私もいいよ。いい人そうだし」

「じゃあ、歓迎しようか」

「うん、そうしよう」


 涼と奏はその足で、職員室まで行った。


「笠井先生、ちょっといいですか?」

「ああ、羽山くんに栗山さん。どうしたの?」

「実は相談があって……」


 涼と奏は同好会を作ることになった経緯。

活動内容やこれからやっていきたいこと。

顧問と言っても活動することはそんなにないということを話した。


「以上ですけど、いかがでしょうか?」

「実は、何も顧問をやっていないと、色々言ってくる先生もいるんだよ。

そう言った意味でちょうどいい隠れ蓑になりそうだし、引き受けていいよ。

楽しそうな活動は私も混ぜてもらえたら嬉しいよ」

「「ありがとうございます」」

「じゃあ、こちらに記入してください」

「はい、これでいい?」

「はい、それじゃあ、また決まったら声かけますので」

「気をつけて帰るのよ」

「ありがとうございました。失礼します」


 職員室を出る2人。

思ったよりあっさりと決まってしまったことに顔を綻ばせる。


「簡単だったな」

「そうだね」

「じゃあ、俺たちの名前を書いて、明日まどかにも書いてもらおうか」

「うん、そうしよう」

「じゃあ、今日は運動できないけど、ウチによる?」

「うん、同好会のことも話したいし、あと勉強もしようよ」

「そうだね。じゃあウチに行こう」

「うん」


 すると、廊下の反対側から、女子のバスケ部員らしき人影が向かってくる。

みると、キャプテンの相澤だった。

奏が挨拶をする。


「相澤先輩、こんにちは」

「あ、栗山さん、こんにちは。ちょうど栗山さんのことを話していたの。どう、入ってみる気になった?」

「そのことでお話があったんです」


 奏は、同好会を立ち上げること、男子のバスケ部に3x3で練習に行くこと。

その他の活動もしていくことなどを話した。


「面白そうね。じゃあ、女子にも練習に来てくれないかしら。うちも3x3をもっと取り入れようと考えていたから」

「いいんですか? 男子もいますけど」


ちらっと、涼を見て奏が言う。


「羽山涼くんでしょ。この間の球技大会見たわよ。

すごかったわね。うちの部員にも羽山くんのファンが増えてね。来てくれたら喜ぶわ」

「そう言うことでしたら……いいよね、涼君」

「ああ、いいよ」

「じゃあ、そうさせてもらいます」

「楽しみにしているわ。2人ともWine交換してもらえないかしら」

「いいですよ」

「はい」


 交換したら、相澤志穂と出た。

「志穂さんって言うんですね」

「そうよ、よろしくね」

「よろしくお願いします」

「お願いします」

「それじゃあ、練習に行くわね」

「はい、さようなら」


 2人は、タイミングが良かったことに満足しながら、涼の家に向かった。


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