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幼馴染に振られた少女と家族を失った孤独な少年の慰め合い同盟〜いつの間にか離れられなくなってしまって〜  作者: めのめむし


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第76話 初めての奏の弁当

 昼休みになった。

 涼のところにはすっかり顔馴染みになったが、いまだに名前の知らない女子5人組が現れた。

いや、今回は3人組だった。

 

「羽山君、今日も栗山さん達とお昼?」

「ああ、そうだよ」

「今度、私たちとも一緒に食べてほしいな」

「ああ、そうだなー、ちょっと、無理かも」

「え、無理なの?」

「うん、奏がお弁当作ってくれることになってるからね」

「え、そうなの」


 ちょうど、奏とまどかがやってきた。


「涼君、お昼に行こう」

「栗山さん、羽山君にお弁当作ってるの?」

「そうだよ、今日からだけどね。昨日一緒にお弁当箱買いに行ったの」

「つ、付き合ってないんだよね」

「付き合ってないよ」

「それなら、なんでお弁当なんか」


 それには、涼が答える。


「奏とは仲がいいからね。いつも俺の食べてるもの見てるから、俺の食生活に我慢できないってさ。

俺としては奏のご飯、美味しいから嬉しいんだけどね」

「そ、そうなんだ」


 周りからも、奏のお弁当の話を聞いた人たちが口々に話している。


「栗山さんのお弁当作ってもらえるのかよ」

「羨ましい」

「俺だって作ってもらいたい」

「弁当作るって手があったかー」

「私が羽山君に作ってあげたいー」


 男子女子入り乱れて話が聞こえてくる。

話が聞こえている奏は少し優越感に浸っている。


(私の弁当を食べられるのは、涼君だけなんだよ。

それにしても昨日のうちに弁当作る宣言して良かったかも)


「それじゃ、奏、まどか、行こうか」

「「うん」」

「それじゃ、またね3に、みんな」


 涼達が出て行った教室で3人組が話す。


「すっかり、先越されちゃったね」

「栗山さんと付き合ってないって言ってたのに」

「でも、前からあの2人は仲良かったし」

「私たち、栗山さんが羽山くんと仲良いの見て馬鹿にしてたもんね」

「今のところ、私たちは眼中にない感じだよね」

「私たちが、羽山くんのこと眼中になかったもんね」

「諦める?」

「まだ、付き合ってないならチャンスはあるよ」

「そうだね」

「私、羽山くんと付き合えなくても推したいんだ。かっこいいし、優しいし、笑顔素敵だから」

「そうだね、まずはそこから行こう。私も推すよ」

「私も」

「よし、推し活頑張ろう」

「「おう」」


 3人は涼の知らないところで決意を固めるのだった。


 屋上にて。


「おお、これが奏の弁当か!」

「まどか、見てくれ。この弁当を」

「はいはい。いいな。私も奏の弁当食べたい」

「まどかのも作ろうか?」

「いいよ、うちはお母さんが作ってくれるから」

「そっか。じゃあ、おかず交換しようか」

「あ、それいいね。じゃあ、ハンバーグちょうだい」

「じゃあ、私は唐揚げちょうだい」

「早く食べよう」

「「うん」」

「「「いただきます」」」


 涼は、リクエストしたハンバーグから食べた。

冷えてても、美味しく食べられる味付けになっていて、ご飯がすすむ。


「奏、美味しいよ」

「そう、良かったよ」

「卵焼きも美味しい。この甘さがちょうどいい」

「そっか、涼君はそのくらいがいいのかな」

「そうだな。これくらいが好きかな」

「覚えておくよ」


 涼にとって、奏の作った弁当はどれも魅力的で美味しかった。

ついついがっついて食べてしまい、気づけばなくなっていた。


「ふう、美味しかった。ありがとうな、奏」

「ふふ、そう言ってもらえると、作った甲斐があるよ。これから毎日作るから、楽しみにしてて」

「すっごい嬉しいけど、できない時は無理しなくていいからな」

「分かった。無理しない程度に作るね」

「うん、そうして。それにしても、今まで、カロリーバーだけしか食べなかったけど、あれでいいと思ってたんだよね。でも、奏の弁当を食べると、カロリーバーに戻れなくなっちゃうよ」

「戻らなくていいんだよ」

「そうか、嬉しいな」


 奏も涼もニコニコしている。


 そこへ、まどかが話題を変える。


「そういえば、朝、バスケ部の監督が来なかった?」

「ああ、そうだ、そのことで奏に話したいことと、まどかにも聞きたいことがあったんだ」

「私にも?」


 涼はまず、昨日奏と話した3x3のことや、そのほか色々なことに挑戦したいことを話し、もし良かったら、まどかもやらないかと聞いてみる。


「面白そうだね。部活がない時だったら、できるかも。って言っても、部活結構多いからな。部活辞めようかな」

「それは、もったいないだろ。陸上好きなんだろうし」

「冗談だよ。半分くらいは本気の」

「半分も本気なのかよ」

「だって、部活やってると、楽しみって減るでしょ。記録が伸びることは嬉しいんだけどね。でも、そればっかりになっちゃうし。その点、涼君や奏がやろうとしていることって、青春って感じでいいじゃない。トレーニングできる場所も充実しているし」

「そうなのよ、まどか。涼君ちがあれば、かなりいろんなことできると思うんだよ」

「そうだよね。だから、半分は本気で部活辞めてもいいかなって思ったの。まだ、決断できないけどね」

「まあ、とりあえず、まどかは空いてる時に参加するってことでいいんじゃないか?」

「うん、そうするよ」

「奏、天音には話してくれた?」

「昨日話したよ。やりたいって。天音も部活辞めていいって言ってたよ」


 そう言って、奏は笑う。


「そうなんだ。まあ、その決断はまだ待ってよ。俺たちも何やるかまだ決まっていない部分はあるし」

「そうだね。でもね、1つ思いついたことがあって。学校内で同好会作らない?

同好会だったら、部活の要件はないし、部費とかは出ないけど、元々自分たちで出すし、涼君ちでやるんだから、元々お金かからないし。入りたいって人もいるかもしれないし、入りたい人もこちらで選んじゃえるし」

「ああ、いいかも。でも、活動内容と名前はどうするの?」

「色々やる同好会みたいな感じでいい名前のないかな」

「よろず同好会とかどう?」

「いいかも。何でも屋さんみたい。でも私たちにピッタリ」

「じゃあ、それで行こう。設立とかって何か必要なのかな?」

「そうだね、生徒会に聞いてみないとなのかな」

「まあ、無理に学校内に作らなくてもいいから、気楽に聞いてみようか」

「楽しみになってきたね。まどかも掛け持ちで入れるようにしようね」

「うん、そうしてくれると嬉しい。私ねえ、キャンプとかしてみたいな」

「おお、いいな。その線で言ったら、俺は山に行きたいかも」

「登山かー、涼君は経験あるの?」

「うちはそれこそなんでもやらせる方針だったからね。小学生くらいまではよく山に連れて行ってもらってたよ」

「へー、じゃあ涼君に教えてもらわないと」

「うん、100名山を目指すのもいいし、のんびり低山ハイクっていうのもいいぞ。ゲレンデって言って、自然の壁でクライミングをするのもいいかもな」

「おお、いいね」

「何かアクティビティをしに行くのもいいかもラフティングとかキャニオニングとか」

「ああ、ラフティングってゴムボートで川を下るやつか。キャニオニングは滝を滑ったりするやつ?」

「そうそう」

「何それ、楽しそう。やばい、部活やってる場合じゃなくなってきた気がするよ」

「まあ、まどか。具体的な話が煮詰まる前に早まらないでくれよ」

「はい」

「とにかくしばらくは、やることのアイデアだしに、設立にあたっての必要な手続きを調べることだな」

「そうだね、私、今日の放課後、早速生徒会に聞いてくるよ」

「奏が行くなら、俺も行こうかな」

「うん、じゃあ一緒にお願い」

「了解」


 3人はこれから始まる楽しそうな予感にワクワクしていた。

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