第74話 カフェ2
買い物を終えて、カフェで休憩中。
涼はアイスコーヒー、奏はアイスココアを注文した。
「涼君、ありがとうね」
「いや、奏。こちらがありがとうだよ」
「私もお礼言いたいの」
「そっか、じゃあ、どういたしまして」
「私もどういたしまして」
「はは」
「ふふ」
お互いで、顔を見合わせて笑う。
なんだかこそばゆさを2人は感じる。
「涼君、調子はどう?」
「ああ、もう大丈夫な気がする。そろそろ体を動かしたいくらいだな」
「ダメだよまだ」
「って、言ってもなあ。ボルダリングをちょっとならって思う」
「ダメ!」
「まあ、そうだな。金曜日まではやめておくか」
「そうだよ。本当に心配なんだからね」
「ああ、心配してくれてありがとうな」
心配してくれるのを嬉しそうにして笑顔でお礼を言う涼。
その笑顔に奏はドキッとさせられる。
「ずるいよ涼君」
「え? 何」
「なんでもないよ」
「そうか」
「そういえばさ、涼君。バスケ部の監督にスカウトされた?」
「いや、されてないよ。そういえば向井もそんなこと言ってたな」
「うん、バスケ部の監督が涼君について色々聞いているって噂になってるよ」
「そうか。そのうち話に来るのかな?」
「もし、スカウトに来たらどうするの?」
「うーん、どうしようかな。バスケは面白いんだけど、奏とうちで1on1とか他のスポーツやってても楽しいんだよな」
「実は私も女子のバスケ部のキャプテンに声かけられてるの」
「そうなのか。それでどうすんだ?」
「私もどうしようかなって感じなんだよね。涼君とトレーニングしたり遊んだりしてるのって、楽しくてそれで十分って感じはしてるんだよ」
「そうだよな。部活入ると、今みたいに遊ぶタイミングはかなり減るだろうな」
「それはやだな」
「そうだな。ただ、前向きに生きるって決めてはいるから、何かに取り組むっていうのも考える必要はあると思うんだ」
「じゃあさ、私たちで3x3の大会に出るとかは?」
「3x3? 男女でできるの?」
「大会によってはできるみたいだよ。それを目指していれば何かに取り組んでいるってことにもなるんじゃないかな?」
「考えたことなかったな」
「面白いと思うんだけど、どうかな?」
「うん、いいんじゃないかな」
「じゃあ、メンバーも集めないとね」
「天音はどう?」
「あ、そうか。部活が休みの日に大会があるところを選べばいいもんね」
「メンバーは4人必要だよな。あと最低1人は欲しいね」
「まどかも誘おうか」
「いいね」
「あと、誰かいたら、その時に誘うってことで」
「うん」
「思いついたんだけど、ボルダリングとかも大会に出てみようよ」
「ああ、楽しそう。毎日のようにやってるもんね」
「うん、部活に所属していないから、色々できそうだな」
「そうだね、他にも色々ありそうだからやれそうな事やってみようよ」
「ああ、そうしよう」
「楽しみになってきたね」
「うん、色々一緒にやろうな」
「うん」
奏がパァっと音がしたかと思うような笑顔になった。
不意打ち気味に来たため、涼が目を離せずに奏を見つめる。
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
「えー、何かなぁ。隠してる?」
「ああ、隠してる」
「隠してんのかい!」
「まあ、それは置いといて」
「置いとくなぁ!」
「だって、ねぇ」
「だって、何?」
「だから」
「だから、何」
「言って、いいの?」
「何それ、ドキドキするんだけど。でも言って」
「分かった……さっき、うんって言ったろ」
「うん」
涼が、頬を染め言う。
「その笑顔が、天使みたいで可愛いなって見惚れてた」
「っ!? く、口説いてんの?」
「思わず口説きたくなるくらい眩しかった」
奏が真っ赤になり、向かいの席から手を振り回してきた。
「わ、奏、危ないよ」
「もう、もう、涼君が悪いよ!」
奏が落ち着くまでにそれなりに時間がかかった。
「涼君はときどき不意打ちをしてくるのが問題なんだよ」
「いや、奏の笑顔の方が不意打ちだったよ」
「もう、それはいいから!」
そっぽを向く奏だったが、口元がニヤついていた。
美人はニヤついている顔も絵になる。
(可愛いなぁ。また暴れ出すから言わないけど)
「さて、それじゃあさ。お互いで、どんなことをしたいか考えてみようか」
「そうだね。高校3年間でできること色々ありそうだね」
「ああ、楽しみだよ」
そう話すと、2人はカフェを出た。
涼のうちまで、雑談をしながら歩いてくると、家の前でちょうど天音と行き合った。
「あれ、お兄ちゃんとお姉ちゃん、今帰りなの?」
「ああ、ちょっと買い物をね」
「制服買い物デート? いいなー」
「そんな大袈裟じゃないけどね。買い物して、カフェ寄っただけ」
「十分だよ。お兄ちゃん、今度私とも制服デートして?」
「ああ、分かった。いいよ」
「やったー。……ところで、2人で買い物に行ったって、何買いに行ったの?」
「涼君のお弁当箱だよ」
「おお、お姉ちゃん、ついにお兄ちゃんのお弁当作ることにしたの?」
「うん、私の涼君専用弁当箱だよ。プレゼントしてもらっちゃった」
「よかったね、お姉ちゃん」
「うん」
「いや、俺が使うものだから、プレゼントって言っちゃうと恥ずかしいけどな」
「むー、いいんだよ。私が嬉しいんだから」
「そうだよ、お兄ちゃん水さしちゃダメだよ」
「そっか、ごめんな奏」
「いいよ。そういえば明日何食べたい? 記念すべき第1回目のお弁当だからリクエストに答えるよ」
「卵焼きがいいな」
「ブー! 卵焼きは毎回入れるから他のおかずを言ってください」
「そうか、じゃあ、ハンバーグはどう?」
「いいよ。ハンバーグにしよう」
「いいな、お姉ちゃんのハンバーグ美味しいんだよ」
「おお、それは楽しみだ」
「あ、そろそろ中に入ろうか」
「「うん」」
「天音、クッキー買っといたよ」
「やった、ありがとうお兄ちゃん。大好き」
「やった、俺も好きだよ天音」
(天音は簡単に大好きとか言えちゃっていいな)
天音が羨ましい奏だった。
しばらく勉強をして、奏と天音は帰った。
「お兄ちゃん、元気そうでよかった」
「うん! そうだね」
「なんかお姉ちゃん、いいことあった?」
「うーん、色々あったかな」
「なーに? 教えてよ」
「少しだけだったらいいよ」
「何ケチなこと言ってるの?」
「ふふ、あれは言えないな」
(だって涼君、天使とか言うんだもん)
思い出して、赤くなる奏。
「今、何か想像したでしょ。それを教えて」
「それはダメ」
奏は、走り出した。
「ちょっと、お姉ちゃん、ずるい。教えてよー」
「ダメだよー」
すっかり暗くなった、住宅街に楽しそうな2人の声が響き渡った。
(涼君とこれからいろんなことに挑戦するんだー。楽しみー)
今までの感想や昨日の後書きで、賛否両論いただいた方ありがとうございました。
否定的な意見の方も、わざわざ書いていただきありがとうございます。
まあ、正直モチベーションは下がるんですが、別に間違いだとも思わないですし、意見の1つとして受けとめさせていただきたいと思います。
応援していただいた方、温かいお言葉ありがとうございます。
大まかにプロットはあるとはいえ、その時の流れに従って書いていますので、自分でも話の方向が予想もつかない方向に行ってしまったりするので、読者の方は大丈夫かなとは思っています。
そんな中に応援しているというお言葉があると、とても心強いです。
昨日はレビューのところにも書いていただいて、その言葉もとても嬉しかったです。
ありがとうございました。
その時の更新頻度についての質問ですが、こちらで答えさせていただきます。
現在1日3話更新で、7時 12時 20時となっています。
ただ、もう3本は限界になりますので、近く1日2本にかえさせていただきます。
その場合は7時 20時 になります。
近いうちに変更しますので、そうなったら後書きでご報告します。
それで、最終的に1日1話更新になってしまうのですが、その場合は20時更新とさせていただきます。
今のところ、1日2話ストックで作っていますので、しばらくは2話更新できると思いますが、もし1話に帰るようでしたら、それもこちらでご連絡いたします。
それでは、これからもお付き合いいただける方はよろしくお願いします。




