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幼馴染に振られた少女と家族を失った孤独な少年の慰め合い同盟〜いつの間にか離れられなくなってしまって〜  作者: めのめむし


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第46話 人気急上昇

 1回戦の第2試合が終わり、涼たちの2回戦第一試合が始まる時間になった。


 よく話すようになった向井と涼が話していると、賢治が近づいてくる。


「おう、向井」

「大山か」

「今日は俺たちが勝つぜ。バスケ部3人いるしな」

「そうか、俺たちも負ける気はないぜ。羽山は相当うまいしな」

「はっ、ダンクしたんだってな。バスケは派手なことしてても勝てないって、教えてやる必要があるな」

「いや、羽山はダンクだけじゃなくて、優秀なポイントガードだぞ」

「どうだかな。和を乱すことしかできない自分勝手野郎に見えるけどな」

「おい、大山。なんてことを言うんだ」


 向井と大山が揉めそうだったので、涼が止めに入る。


「気にすんなよ、向井」

「でもなー、大山の言ってることはスポーツマンとしてあるまじきことで」

「いいって、ここで揉めてもいいことなんてないだろ」

「まあ、そうだけど」


 そこで、再び賢治が口を開く。


「はっ、自分勝手野郎は腰抜けなんだな」

「……」

「今度はダンマリかよ。いいぜ、そうしていても勝つのは俺だからな。

俺が勝ったら約束通り奏に近づくなよ」

「そんな約束してないし、する気もないぞ」

「ビビってるのか? 

俺が負けたら奏に近づかないんだから、お前も負けたら近づくなよな」


 賢治は言い捨てて去っていった。


「なあ、向井」

「なんだ?」

「あいつっていつもああなのか?」

「うーん、入学した頃はそうでもなかったんだけど、最近は割と傲慢なんだよな。

ベンチ入りしたあたりからかな。1年では3人しかいないんだよ。

でも3週間くらい前からさらにその傾向は強いけどな」

(奏と別れたあたりからかな)

「どちらにしても、あいつの言うことはあまり気にするなよ」

「ああ、でもまあ、勝ってやるかな」


 すると、向井がきょとんとした顔になり続いて破顔した。


「そうだな、それがいいや」

「そうだろ」

「よし、いっちょ勝ってやろうか」


 ギャラリーでみている奏とまどか。

涼に近づく賢治を見ている。


「あ、涼君に大山くんが近づいているよ」

「また、何かちょっかいかけに行ったのかな」

「うん、何か話してるみたい」

「何話しているか知らないけど、あまり良くないことなんだろうな」

「ねえ、奏。以前は知らないけど、今の大山くんがよりを戻そうって言ってきたら、どうする?」

「うーん、ちょっと嫌かも」

「もう、気持ちは残ってないの?」

「情みたいなものはあるけど、好きって言う気持ちはここ最近の彼の態度で、だいぶなくなってしまった気がするの」

「ふーん、そうなんだ。じゃあさ、その好きって言う気持ちは涼君に向かってるの?」

「えっ! い、いや、そ、それはどうだろう?」


 その奏の反応に、まどかが呆れたようにため息を吐く。


「ふー、奏、周りをよく見て」

「え? 周り」


 奏が周囲を見渡すと、男子より女子の方が多くなっている。

それも1年生同士の試合なのに、1年から3年までの女子が満遍なくいるようだ。

かなり騒がしいが、話している内容を聞いてみると、ある特定の人物が話題になっているようだ。


「羽山くんの試合、この後でしょ。私、自分のクラスのフットサルの試合ほっといてきちゃった」

「羽山くんって、超かっこいいよね。それにダンクまで決めちゃうなんてすごいよね」

「笑ったところもかっこいいし可愛いんだよ」

「羽山くんって、彼女とかいるのかな」


 その特定の人物は涼だった。


「涼君が話題の中心になってる」

「そうでしょ。うかうかしてると、ぽっと出の人に涼君が取られちゃうよ」

「でも、それを決めるのは涼君だし」

「へー、そんなこと言って、お昼の時間も、放課後の涼君ちでのトレーニングの時間も、涼君ちでの勉強の時間も、取られちゃってもいいの? もう行けなくなっちゃうんだよ」

「そ、それは嫌かも」

「奏が何もしないんだったら、私が涼君にアプローチしちゃおうかな。私、涼君好みだし」

「だ、だめよ」

「奏にダメっていう権利あるの?」

「な、ないけど」

「じゃあ、もっと自分に向き合ってよね。私だって、今は手を出さないけど、他の人に取られるくらいなら私がって思うよ」

「う、うう」

「まあ、そうは言っても奏の気持ちが大切だから、じっくり考えてね」

「うん、ありがとう。まどか」

(私は涼君のことどう思っているんだろう? いまいちはっきりしないのよね)


 そうこうしているうちに試合の開始時間になっていた。

1年1組と1年2組の試合。

賢治と向井がジャンプボールだ。

賢治は向井でなく涼を睨んでいる


(羽山め、奏の前で盛大に恥をかかせてやる)


 ピッ


 短い笛の音とともにボールが浮かび上がる。

賢治と向井が同時にジャンプする。

より高く飛んだのは向井で、涼の方にボールが飛んできてキャッチする。


(よし、ド派手にいって会場を味方につける)


 リングの右側45度あたりから侵入していき、片足で踏切り、ワンハンドダンク。

その瞬間会場が待ってましたと割れんばかりの歓声が上がる。


「きゃあああああ」

「いきなりかー」

「すげー飛んだぞ、今」

「かっこいいー」


 この1発で、涼は会場を味方につけたと言える。


「ナイス、羽山」

「サンキュ、向井」

「このまま流れを持っていこう」

「ああ」


 ただ、2組にはバスケ部が3人いるため、すぐに点を取り返された。

賢治が涼を威嚇する。


「羽山ぁ、どんなに派手なことやっても同じ2点なんだよ。だったら、バスケ部3人いるこっちが有利に決まってるだろ」

「そうかよ」


 涼がボールを持って上がる。

マークに賢治がついた。

涼は気にせずに、距離を詰めていく。


(まずは全体の意識を俺に集中させる)


 賢治の左側から、ドライブをして抜きにかかる。しかし、それは賢治が食らいついてきて抜けない。

一度、3Pラインの手前で止まる。


「素人がどうしたよ。もうネタ切れか?」


 賢治が言ってくるが、涼は耳を貸さない。

代わりに賢治に向かってドライブしてきた。


(左に抜こうとしてる)


 賢治が左のコースを塞ごうと動くと、涼が急にストップし、バックステップした。

賢治は予想外の動きに、足がもつれて尻餅をついてしまった。

涼は、その隙に3Pシュートを打つ。

ボールは綺麗な弧を描き、リングの中にスポッと入った。


「うおー、今度は3ポイントかよ」

「羽山君すごーい」


 ダンクに続いての3Pシュートだったので会場が大盛り上がりだ。


 試合の流れは早くも1年1組に傾いてきているようだった。


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