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幼馴染に振られた少女と家族を失った孤独な少年の慰め合い同盟〜いつの間にか離れられなくなってしまって〜  作者: めのめむし


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第38話 球技大会チーム決め

「来週金曜日の球技大会のチーム分けをするわよ」


 今は月曜日のLHRの時間を使って、翌週の球技大会のチーム分けをする最中。

担任の笠井麻里が概要を説明している。


「競技は何があるんですか?」

「男子はフットサル1チームにバスケットボール1チーム。女子はバレーボール1チームとバスケットボール1チームね。

うちのクラスは男子女子18人ずつで、男子の最低必要な人数は10人だから、男子は8人交代できる人ができる。

女子は最低11人必要だから交代できるのは7人になる。

男子はフットサルとバスケで4人づつ交代できるようにするように。

女子は必要人数の多いバレーボールに4人入れておいて、バスケは3人にするように」

「欠席がそれ以上出たらどうするんですか?」

「その場合は少ない人数でするしかないから、よっぽどのことがない限り欠席しないように。

私からはこれくらいで、あとは学級委員。チーム分けよろしく」


 すると学級委員の遠山友紀と磯貝誠が出てきた。

遠山友紀は人当たりもよく人気があって、クラスでも中心にいつもいる。

奏ともよく行動を共にしている。

磯貝誠は普段あまり目立たないが、成績はクラスでは奏に次いで2番目の秀才だ。


「それじゃあ、チーム分けします。

まずはざっくり確認したいので、自分が出たい種目に手を挙げてください。

必ずどれかに手をあげてくださいね」


 学級委員のまとめ方も良かったのか、男女ともにそれほど揉めることはなくチーム決めは終わった。


「それじゃあ、あとは各チーム集まって、ポジションなどを決めてください」


 涼は、バスケに入ることになったので、バスケの集まりに参加する。

そこには8人が集まっていた。

しかし、ほとんど話をしたことがないから、端っこで大人しくしていることにする。

すると、クラスの中心でもあり、バスケ部でもある向井透が話を進め出した。


「まず、バスケを少しでもやったことある人は手を挙げてくれるか?」


 手を挙げたのは向井と涼しか手をいなかった。


「あまり経験者がいないんだな。羽山はどれぐらいできるんだ?」

「中学の最初だけバスケ部にいて、それ以降は家で1人で練習してたかな。

最近は1on1をする相手がいるから、個人プレーはまあまあできると思う

チームプレーは全然だけど」

「なるほど、3ポイントとかはある程度自信あるか?」

「フリーで10本打って5本くらいは入るかな」

「おお、すごいじゃないか。ドライブもできるか?」

「1on1でやってるから、うまくいける方だと思うよ」

「パスは?」

「それほどやってないからあまり自信ないかな」

「そうか、それは仕方ないな。でも、それならポイントガードをやってくれないか?」

「俺でいいの?」

「多分適任だと思う。

俺のバスケのポジションはセンターでガードには入れないから、少しでも経験がある羽山がポイントガードに入るのが一番いいと思う」

「わかった。そうするよ」

「うん、頼んだ」


 それから、向井は他のメンバーのポジションも決めていった。

経験のない人がほとんどだったが、向井の「他のクラスも経験者は少ないから」と言う言葉に安心していた。


 バスケは割とすんなりと決まったが、サッカーなどはなかなか決まらなくて揉めていた。

涼は気にせずに自分の席で、小説『ダンジョンで出会いを求めたのは間違いだっただろうか』を読んでいた。


「涼君!」


 顔をあげると奏がニコニコと立っていた。


「奏か。もう終わったの?」

「うん、終わった。涼君もバスケ?」

「もって事は、奏も?」

「うん」

「まあ、そうだろうな」

「私、ポイントガード」

「お、俺もだよ」

「おー、涼君にピッタリのポジションだよ」

「奏にはピッタリだけど、パス回しとかしてない俺には向いてるかわからないよ」

「でも、涼君3ポイントもうまいし、ドライブもうまいし周りも見えてるから向いてると思うよ」

「そうか、奏にいってもらえるなら安心だ」

「うん、球技大会まで2人で練習しようね」

「そうだな。今日もやろうか」

「うん。あ、でもボルダリングもやりたいかも」

「ああ、やればいいよ。

ボルダリングは気軽にできるうちみたいな環境なら短時間で回数多くやった方が効率上がると思うからね。

短時間でやめたならバスケの練習は圧迫しないだろ」

「そっか。涼君のおかげだね」

「まあ、俺っていうかお父さんのおかげなんだけどな」

「涼君のお父さんありがとうございます」


 そう言って、奏は手を合わせて上を向く。


「ははは。そういえばまどかはどっちなの?」

「まどかも私のチームでバスケよ」

「そうなんだ。良かったな」

「うん。ところで、その小説巻数進んでない?」

「ああ、また借りてきたんだ。面白いな」

「胸熱だよね」

「だな」

「また、アニメ一緒に見ようね」

「ああ、いいよ」


 2人で話していると、聞き慣れた声が聞こえてきた。


「2人で何話してんの?」

「ナイショの話よ。まどか」

「えー、教えてよ。涼君教えて」

「大した話じゃないよ。まどかは今日も綺麗だなって話」

「えー、ヤダァ。涼君ったら」


 まどかが大袈裟にクネクネして見せると、奏がイタズラっぽく涼に迫る。


「涼君、私は私は?」

「奏はいつでも綺麗で可愛いしスタイルもいいし魅力的だよ」


 しかし、涼の思ったよりもストレートな言葉に顔を赤くする。


「っ!? く、口説いてるの?」

「あ、いや、口説いてないからな」

「あなたたち何いちゃついてんの」


 まどかがジトーとしたっ目で言ってくる。


「「いちゃついてない」」


 涼たちは短期間で気の置けないやり取りをする仲になって、心地の良い時間を過ごせるようになっていた。

しかし、それを好ましく思わない視線が複数あり、それには気づいていなかった。

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