第23話 親友とカフェでおしゃべり
駅近くのショッピングモールのカフェで奏と親友のまどかがお茶をしている。
数日前の約束通りに、遊びに来ていて、ショッピングをひとしきり楽しんだ後の休憩中。
奏はアイスティー、まどかはオレンジジュースを飲んでいる。
「それで、羽山君とはどういう関係なの? ずっと気になってたんだ」
「まあ、どういう関係かって言われると、友達としか言えないんだけど、先週からあったことを順番に話すね」
「うん」
奏は、賢治に振られた時のこと ナンパにあったこと
それが強引だったため、少し男の人が怖くて二人きりになりたくないが、涼なら助けてくれたから安心できて大丈夫だということ、お昼休みに一緒に過ごしたこと、カフェに行ったこと、涼の自宅に行ったことなども話した。
「そんなことがあったんだ。何から言えばいいかわからないくらい、盛りだくさんだったね」
「そうなの、まだ1週間も立ってないのが信じられないわ」
「そうね。色々聞きたいから1つずつ聞いてくね」
「うん、いいよ」
「大山くんとは別れたっていうのは知っていたけど、二股の上に振られたっていうのはびっくりだわ」
「私もびっくりだったよ」
「そうよね。大丈夫?」
「振られてから、精神的に不安定だった時もあったけど、だいぶ落ち着いたよ」
「そっか、それは羽山君のおかげでもあるのかな?」
「そうだね。
あの日にナンパは怖かったけど、羽山君が助けてくれたから、早く立ち直れた気もするし、よかったかなって思う。
ナンパはもうやだけど」
「そのナンパ魔も羽山君が撃退したんでしょ」
「うん、心を折ってたよ。きっちり連絡先まで押さえてたし」
「羽山君、つよ」
「本当に頼りになる人だよ」
「しかし、最初びっくりしたよ」
「何が?」
「はっきり言って羽山君って、地味じゃない?
言っちゃ悪いけど、奏に釣り合ってないっていうか……ね」
「涼君は友達だから釣り合いとか関係ないけど、でも言っておくと涼君って、イケメンよ。
それも学校でもトップクラスだと思う」
「本当に? 見てみたいんだけど」
「徐々に変えていくみたいよ」
「なんであんな地味な格好してるの」
「今まで自分の格好に気を遣えなかったみたいよ。状況的に」
「そうなんだ」
「羽山君、なんでそんなによくしてくれるの?」
「ああ、それは入学式の時にどうしても撮りたい写真を撮ってあげたのを、恩に感じてくれてるみたい」
「それだけで?」
「彼にとっては重要だったみたいでね。細かいことは言えないけど」
「そうなんだ。」
「彼のうちに行ったんでしょ。どうだった。」
「それがお金持ちですごいんだよ。庭にいろいろあるんだけど、バスケットのハーフコートもあるの。
昨日二人で1on1やったんだよ。久しぶりで楽しかった」
「えーいいなー」
「今度クライミングもする予定なの」
「えー、私も行きたい」
「うーん、どうだろう。涼君がいいって言ったらいいんだろうけど」
「聞いてみてよ」
「うん、タイミングみてだけどね」
奏は、少し話しすぎてしまったかと思う。
友達が増えるきっかけにはなると思うが、そもそも友達を増やしたいか、どうかもわからないのだ。
余計なことを言って、隔意を持たれたりするのも嫌なのだ。
でも、まどかは親友だから、涼と仲良くなってもらえれば嬉しいと思うので、話す機会があれば思い切って話してみようと奏は思った。
「話変わるけど、やっぱり奏はモテるよね。
別れた途端告白されてたでしょ。佐竹は告白未遂だったし」
「そうなのよね。はっきり言って困るの。今は告白とか受けたくないな。
それに二人きりとか怖いし。」
「そうよね。それなら、呼び出されたら、私も一緒に行ってあげようか?」
「え? いいのかな」
「それで、ダメっていうなら告白受けなくて良くない?」
「それはそうね」
「どっちみち全部断っちゃうんでしょ」
「まあ、そうだけど」
そこで、まどかがニヤリと笑い言った。
「それか、羽山君についてきてもらうとか」
「それは羽山君に悪すぎるでしょ」
「いいアイデアだと思うけどね。告白する前から諦めてくれるかも」
「うーん」
「でも、羽山君が男子から恨まれるかも」
「それはダメだよ」
そこで、まどかがオレンジジュースを一口口に含んでから聞いた。
「それで、奏は羽山君のことどう思ってるの?」
「うん、友達……かな」
「でも、他の男子とは違うでしょ」
「それはそうだね。 助けられてから一緒にいる時間長いし」
「大山くんに対してはどう思ってるの?」
「それがね」
奏は最近の賢治の行動を話した。
「えー、おかしいよ。自分で振っといて、振った相手の行動を縛ろうとするなんて。
幼馴染にそんなことする権利ないよ」
「うん、そうなんだけどね。まだ、賢治に期待している部分があってね。
それがあるからキツく言い返せないんだ」
「まだ別れたばっかりだしね。それに、私からみても奏は大山くんに尽くしていたからね。
好きって気持ちは伝わってきてたし」
「うん、賢治が酷いのは頭ではわかってるんだけど、気持ちはまだ好きなの」
「奏、もしさあ、大山くんにやっぱり付き合いたいって言われたら、どうする?」
「ちょっと、考えちゃうかも。情けないけど」
「うーん、重症だね」
「そうだよね」
「じゃあもし、羽山君が告白してきたら?」
「それはないと思うけど」
「もしの話だよ」
「うーん、羽山君には好意は持っているけど、賢治に対して気持ちが残ってる状態で、受けるのは悪いと思うから、断るしかないかな」
「付き合ってたら、大山君に対しての気持ちは消えるんじゃない?」
「涼君には不誠実なことはしたくないの」
「そっか」
それから、しばらく話をしてから解散となった。
帰り道
(まどかに話せてスッキリした。まどかに感謝ね。
それにしても、もし涼君が告白してきたら……か。涼君は私のことをどう思っているんだろ)
そこまで考えると、奏は頭をふる。
(私が答えられないっていうのに、そんなことを考えるなんて酷いよね)




