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幼馴染に振られた少女と家族を失った孤独な少年の慰め合い同盟〜いつの間にか離れられなくなってしまって〜  作者: めのめむし


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第105話 順位表

 週が明けて期末テストの答案返却日。

この日はテスト順位が30番まで張り出される日。


「勝負だな、奏」

「うん、涼君は私に勝てると思っているのかな」

「かなり勉強したからな。十分可能性はあるよ」

「へー、すごい自信だね。ち、ちなみに、私に勝ったら私に何をさせる気なのかな?」

「内緒だよ。後のお楽しみってことで」

「いいじゃない。先に言っちゃいなよー」

「ダメだって、面白みがなくなっちゃうだろ」

「むー、エッチなこと考えてるんでしょ」

「考えてないよ」

「本当かなー」

(本当は何も決まってないんだよな。ちょっとぐらいエッチなことも……ダメだよなぁ)

「奏こそ、俺に何をさせる気なんだよ」

「ふふ、内緒」

「自分で言えって言っておいて、なんだよ」

「だって、涼君をびっくりさせるんだもん」

「どんな方向のことかだけ教えて」

「やだよー」

(本当は全然決まってないんだけどね。エッチなことを要求したら、してくれるのかな。

ダメ、考えただけで心臓持たない。やっぱり言えない)


 そうやって、じゃれながら登校する2人。

最近では普通のことになっていて、嫉妬の目を向けられる事は少なくなってきていた。


「今日は同好会の部室に行って、やることを決めようか」

「うん、そうだね。まどかとかありささんも来れればいいんだけど」

「今日はどうだろうな。まどかは大会終わったばかりだけど」

「ありささんは生徒会よね」

「やることは俺たちで決めちゃっていいんじゃないか?」


 校内に入って、廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。


「奏、涼君おはよう」

「おはよう、まどか」

「おはよう」

「相変わらず仲がいいねぇ」

「今日は普通だったぞ」

「そうよ、普通よ」

「普通ねぇ。距離感がね」

「距離感?」

「すごい近いよ、2人とも」

「そ、そう?」

「あ、本当だ」

「でしょ」

「ああ、相変わらず仲良かったな。な、奏」

「う、うん、そうだね」


 奏はほんのり赤くなっている。


(なんで、私だけ照れてるのよ。涼君はなんなの?)


「認めたところで行こうか、2人とも」

「そうだ、まどか。今日も部活か?」

「うん、そうだよ」

「今日から同好会行くけど、やることはある程度こっちで決めちゃっていいか?」

「そこは部長の涼君に任せるよ」

「分かった」


 教室に入ろうとしたところで、声をかけられた。


「羽山君」

「おお、黒田か」


 康太が立っていた。

実は、いじめを解決して以降、ちょくちょくやって来ている。


「奏、まどか、ちょっと話してから行くよ」

「うん、分かった」

「それじゃね」


 康太は奏がいなくなっても嫌な顔をしない。

奏目当てで近づいてきているわけではないとわかる。


(中学以降で、初めての友達だよな)


「羽山君、今、僕がハマっている本なんだけどね……」


 黒田とはいろいろな趣味を持っている。

アニメ 漫画 本 映画 果ては世界的なキャラクターのテーマパークなども好きらしい。

妹がいて、よくいっしょに観たり出かけたりしているらしい。


 涼が知らないことが多かったから、興味深く聞いている。


 話していると、5人組の1人神野寧々が近づいてきた。


「おはよう、涼君 黒田っち」

「おはよう、寧々」

「うっ……」

「どうした?」

「寧々って呼ばれると、心臓に来る」

「はは、よく言うよ」

「本当だよ」


 5人組は涼に迫ってくるわけじゃないが、好意は隠さない。

涼は自分が5人組に推されていると聞いた。

推しと好きはちょっと違うらしい。

よく分からないが、それでも嬉しい涼だった。


「おはよう、神野さん」

「黒田っち、また涼君を独占してんの?」

「そんなことないよ。羽山君は共有財産なんでしょ」

「おい、誰が共有財産だ」

「分かってんじゃん、黒田っち。君を推し活6番目のメンバーに推薦しておくよ」

「いや、別にいいけど」

「なんですって!」


 5人組は康太とも気安く接していて、みていて気持ちがいいと、涼は感じている。

康太も教室ではまだギクシャクしているので、5人に会えるのも楽しみにしているようだ。


「康太、そろそろ時間だぞ」

「あ、本当だ。じゃあね、羽山君」

「じゃあな」

「じゃね、黒田っち」

「神野さんもまた」


 康太を見送ってから、寧々と教室の中に入ると、


「あー、寧々抜け駆けしてる」

「本当だ。ずるい」

「油断も隙もない」

「声かけてよ」

「早い者勝ちだよ」


 騒いでいる5人組はほっといて、涼は席に戻った。

すぐに担任の笠井が入ってきて、HRが始まった。


 テスト返しが順調に済んで昼休み。


「奏、涼君。テスト順位が張り出されているから、見に行こう」

「ああ、分かった」

「うん」


 と、やって来た。順位表の前。


「涼君、勝負だよ」

「ああ、奏。覚悟しろ」


ちょっと探すと言うドキドキを体験したいなと思っていた涼の目に、呆気なく自分の名前と奏の名前が目に入る。


 1位 栗山奏

 2位 羽山涼


「やった、涼君に勝った」

「負けたかぁ。かなり勉強したのに」

「すごいね、2人とも。ワンツーフィニッシュだよ」

「涼君もすごい頑張ったね。前は30位に入ってなかったのにすごいことだよ」

「奏、嫌味か?」

「バレた? ちょっとぐらい調子に乗らせてもらわないとね」

「くっそー、届かなかった」

「まあ、実力的な順当で言ったら、当たり前だから、気にしないで大丈夫だよ」

「うー、奏、中間では絶対勝ってやるからなぁ」

「涼君、なんかやられ役っぽいこと言ってるよ」

「まどかまで、ちくしょう」


 奏が袖を掴んできた。


「涼君、これは冗談じゃないんだけどね。涼君は、すごく頑張ったと思うよ。

いっぱい勉強してたのは私がよく知っているし、前回は30位に入ってなかったのに、いきなり2位になってるのって、本当にすごいと思うよ。その……すごくかっこいい」


 奏は頬を赤くさせ言ってくる。

涼も突然褒められたことに、照れて赤くなる。


「ああ、そう言ってもらえると嬉しい。ありがとうな、奏」

「……うん」

「ちょっとさあ、こんなところで、いきなりいちゃつかないでくれる?」


 まどかの声に、顔を上げると周りの生徒が見ていた。

ヒソヒソと話している。


「あの2人って、付き合ってるの」

「なんかいい雰囲気だよね」

「栗山さん、いいな」

「栗山さんにあんなこと言ってもらいてえ」


 ヒソヒソ話なのによく聞こえてしまった。

居た堪れなくなった2人は


「行こっか」

「うん」

「もう、しょうがないわね、2人とも」


 そそくさと去っていった。


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