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放課後ダンジョンランキング?!

     ……………


 「その通り。おれ達図書委員会、いや、『極東ビブリオバトラーズ』は必ずやお前たちを越える。迷宮(ダンジョン)内で会った時は、対人戦を即座に仕掛ける!」


 「……いや、言うてお前ら、昨日始めたばっかりだろ。レベル差考えろ、レベル差を」


 だが、その重吾の言葉を聞いてもなお、高橋の余裕な顔は崩れない。


 「フフフ……おれ達は四人だけじゃない、総勢13人の大規模チームだ。それに既におれ達は魔術を習得している。おれを含めた3人は既に2つ目を習得している。……お前らは習得していない奴もいるよなァ? 人海戦術と複数人による魔術攻撃に果たしてたった6人で対処できるかな? しかも、お前らのうちの二人は補助と回復しか覚えてないことはランキングでわかってんだぜ……?」


 ――確かに、情報としては勝算も持てる。……だが、こいつ等……靖穂の見つけた魔術の応用を知らんようにも思える。回復術を軽んじているという事は、まあ十中八九そう言う事だ。それに、それだけ早く魔術を持つ奴らばかりという事はおれのような『クリティカル』を狙う奴も、南のような速度アタッカーも、修君のような完全パワータンクもいないと言っているようなものだ。……搦め手だけではおれ達は破れない。


 「そうか。おーこわいこわい。じゃあ、くれぐれも、二層を歩くときは気を付けるようにするよ」


 重吾はそう言って、さっさと教室へと入っていった。

 

 「おい、高橋、いいのかよ。あいつ絶対馬鹿にしてるぞ」


 「……フン……思い知るさ、おれたち『ビブリオバトラーズ』そして、他のチームの脅威を……」


     ―――――


 放課後。

 重吾がパソコン室に入ると、既に他の面々が話し合っていた。話の中心は國山先生と靖穂だった。


 「やはり生徒たちの射幸心をあおるようなやり方は看過できないわ。この部でのあそこでの活動は制限を……」


 「いいえ先生。それは悪手です。なぜなら、彼らは既に教員だけでは手におえない力を迷宮(ダンジョン)内で付け始めている。おそらくDM(ダンジョンマスター)は先生が行っても、教師全員が行っても、警察が来ても、そのシステムを続けるでしょう。その方が確実にむこうの利になる上に、向こうは明らかに人ではない存在です……武力行使も意味をなさいと思います……そもそもあの場所に武装した人間が行けるかもわからない……」


 「……だからって部での活動の制限をしない理由は……」


 「その理由は、先に言ったように『彼らが教員だけでは手におえない力をつけている』ということです。先生だけで迷宮(ダンジョン)に行き、彼らを抑えようとしたところで、集団戦法の前では無力です。聞いたところだと既に魔術を扱う生徒も多いそうですしね。それに学校で大々的に禁止にまで持ち込めたとして……まあ教育庁にどう報告するのかなどの問題はありますが……彼らが迷宮(ダンジョン)に引きこもってしまえばこちらは手出しできません。ここの『入口』もそうですが、既に24時間入り口は開いていますし、増えています……そしてそのまま向こうに引きこもった生徒が多いまま、入り口がこの世界を呑み込んでしまえば……」


 「……それは絶対に避けなければいけない……。でも……」


 迷うような口ぶりの先生に靖穂は諭すように話す。


 「先生、冷静になってください……。生徒同士での迷宮(ダンジョン)内での決闘行為があることは確かに問題に見えますが、今までとそう変わりません、痛みや永遠の死はあそこにはないですから。むしろ救出報酬があるおかげで安全になったとも言えます。私たちがトップランカーで最前線を進み続ければ、不良グループが出来たりしてもある程度対処できるはずです」


 重吾が話に入る。


 「先生。心配になるのは分かりますよ。でも靖穂が言ったように状況はそう変わっちゃいません。まあ、朝、変な連中に絡まれたけど」


 「ええ?!」


 先生が重吾を見る。


 「いや、何と言うか、健全な競争相手ですよ、迷宮(ダンジョン)内であったら攻撃するとか言ってましたが……まあ競争ってそう言う事ですから、まあ」


 國山先生は頭を抱えため息を吐くが、直ぐにむき直る。


 「……はあ……でも、仕方ない……わね。とりあえずダメもとでDM(ダンジョンマスター)に話して……駄目だったら、いつも通り、攻略に移りましょう」


 「へへっ、最初からその道しかないですからねー」


 重吾はいたずらに笑う。三本と金田は呆れたように笑い立ち上がる。

 一行はいつも通り、エントランスへと向かうのだった。


 エントランスには『冒険者ランキングボード』なるものや『層先行突破報酬一覧』などの掲示物が現れ、多くの生徒でにぎわっている。國山先生はもう考えるのが面倒な顔でその光景を見て、ため息を吐く。

 そこへ、DM(ダンジョンマスター)がニコニコといつもの笑顔でやって来るのだった。


 「やあどうも、おかげさまで『冒険者』の数が増えました。あなた達には感謝しております。……それに説明しなければならないこともありますので、少々お時間を」


 「DM(ダンジョンマスター)さん、この、ランキングと報酬はなんとか中止できないものですかね。過度に射幸心をあおるような場所に生徒を入れるのは教育責任者としてはいただけないのですが」


 「申し訳ございません。それは出来かねます。私としても既に一度、他の『冒険者』と約束を交わしたので、それを翻って反故にするのは許されておりません。ただ、これ以上のシステム改変は起こらないという事だけは『約束』いたします」


 「……ハァ……わかりました」


 重吾はDM(ダンジョンマスター)に訊く

 

 「それで、ランキングと報酬についてはどんな説明を聞かせてくれるんですか、DMダンジョンマスターサン」


 重吾は好奇の目を彼に向ける。彼は微笑みを絶やさず、優しい声色で説明を始める。


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