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8 マデリーンの恋

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 お慕いしていた方がいました。この国の第3王子アルス様。伯爵令嬢とは言え、15歳まで平民で、白魔法を発現した事から急にお父様に引き取られた私は、礼儀作法や歴史などをひと月で詰め込まれ、王立魔法学園に入学させられました。右も左も分からなかった私に手を差し伸べてくれたのが、アルス様で、とてもお優しくて、王子様とは思えないほど気さくな方でした。私はすぐに好きになってしまいました。


 アルス様と仲良くなったおかげで、嫉妬する方もいましたが、殆どの方は親切にしてくれるようになり、私は取り巻きの一人になりました。そして、兄で皇太子だったジオル様とその婚約者のリンダ様にも紹介されました。


 アルス様の親切も、わざわざジオル様とリンダ様にに私を紹介したのも、ベルゼ様とリンダ様の恋の舞台設計だったのに、私は本当に舞い上がっていました。アルス様は実のところ私のことなんとも思っていなかったのに。


 それなのに私はアルス様のプロポーズを受け入れてしまっています。リンダ様は人外のモノに魅入られ、私は話の都合上人外のものと結婚する……


 嫌です!!お断りです!!リンダ様のように本当に愛されているならともかく、どうしてついでのように人外に嫁がなきゃいけないの!?


 決めた。私は抵抗します。絶対に絶対に、あんな人を馬鹿にしたようにニタァと笑う人の思い通りにはなりません!


 リンダ様とお話ししなければ。私だけでは太刀打ちできない。でも、リンダ様と二人ならできるかもしれない。


 普段は黒なのに日の光の中では赤く輝く不思議な髪。白磁の肌。吸い込まれそうな青い瞳。まるで女神様のよう。


 紹介された時、アルス様とお似合いのご令嬢ねと言われて、嬉しくて嬉しくて、この方と義理の姉妹になれるかもと舞い上がって……


 そうなんだわ。私はアルス様を責められない。


 だって本当に好きだったのはアルス様ではなくて……

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