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64:来襲(シエラ)

 アルバード達が、魔人の住処に行った同時刻____

 シエラの部屋には、シエラとユーナ、そしてドアの内側と外側には護衛騎士が二名ずつ立っていた。


 「アルバード、大丈夫かしら?」


 「ご心配なのはわかりますが、アルバード様はSランク冒険者ですから、余程の事がない限り大丈夫ですよ。」


 「・・・相手は、イライザさんと張るくらいの魔法使いなのでしょ?(まぁイライザさん曰く、私の方が上!とは言ってたけど)その余程のことになったらどうしよう・・・」


 シエラはポソっと言ってしまったが、


 「それは・・・えーと、とっとにかくイライザさんもご一緒のようですし、大丈夫ですよ!」


 ユーナも言ったものの根拠はなかったが、二人でいるのなら、大丈夫だろうと思ったのは間違いなかった。


 「それにしても、まさかそのネックレスに防御魔法まで付与されているなんて、さすがイライザ様ですよねぇ。」


 「ねぇ、私もびっくりしちゃった。」


 イライザさんからは、くれぐれもネックレスを外すなって言われちゃった。何があるかわからないからって。


 「黒幕・・・捕まるのかしら。」


 「そうだといいですねぇ。」


 うん、本当に。そうしたら私の呪いも解けて、もしかしたら私がちゃんと元に戻れたら、大人の女の姿になれたなら、アルバードと両想いになれるかもしれないもん。


 シエラは、自分が今幼女だから、アルバードと両想いになれないのかも、と思い始めていたのだ。アルバードの反応を見る限りでは、シエラの事は少なからず好意は持ってくれているようだと、シエラ自身も確信はしていた。だが、見かけが幼女なばかりに、恋愛感情まで踏み切れないのでは?と考えていた。シエラは気付いていないが、本来の呪いの解呪の為の両想いではなく、純粋にアルバードと結ばれたいと思うようになっていた。


 まぁ・・・そういう意味では、アルバードはロリ〇ンではなかったってことで、そこは良かったんだけどね・・・


 なんてことを思いながら、シエラはお茶を飲んでいたのだが、ここで異変が起きた。



 「うっ・・・なんだ・・・急に眠気が・・・」


 「なん・・でこんな・・・時に?」


 護衛の二人が強烈な眠気に襲われていた。


 「え?どういうこと・・?」


 シエラは一体何が起こったのか、訳が分からなかった。


 「シエラ殿下!・・・お逃げ・・・くださ・・い!」


 「申し・・・わけ・・・・」


そう言うと、バタン!!と二人共倒れてしまった。


 「「!!!」」


 「大丈夫?!」


 

 シエラは慌てて、倒れた護衛騎士に駆け寄りにいこうとしたが、ユーナの様子もおかしくなっていることに気付いた。


 「ひ・・姫様、何があっても・・・何があっても、決して・・・屈してはいけませ・・・ん!!」


 「ユーナ?」


 「に・・げ・・・て・・」


 ユーナもそう言うなり、倒れてしまった。


 「ユーナ!!!」


 シエラはユーナに慌てて駆け寄った。そしてよく見れば、


 「すー・・・・」


 ユーナは寝息をたてていた。


 「え?寝てる??」


 もしやと思い、護衛騎士にも駆け寄ると、


 「すぴーー・・・」

 「ぐぅ・・・・」


 同じく、護衛騎士も寝ていたのだ。


 「え?寝てるの??!!」


 そう、護衛騎士と、ユーナは寝てしまったのだ。


 

 !!!


 シエラは瞬時に悟った。黒幕の仕業だと。


 すると、ドアが開き、見知らぬ男がそこから現れた。  


 「ほう・・・流石ですな。イライザが何か仕掛けを施したのか、貴方の『祝福』のせいなのか、どちらの効力が私の睡眠魔法を跳ねのけているのでしょうかねぇ。」


 その侵入者は、どういう訳だか堂々とドアから入ってきた。その風貌は、長めの黒髪を後ろで束ねた、中肉中背といった背恰好であったが、そのギラついた目の赤い瞳がまさに聞いていた『魔人』の特徴であった。


 「・・・貴方が、私に呪いをかけた張本人ね?」


 シエラは内心は恐ろしかった。だが、シエラは王族の矜持故、臆した態度を出さないよう、その男に問うた。


 「ほう、私を見ても、怯むことがないとは、さすがは王族といったところでしょうかねぇ。」


 「質問に答えて!」

 

 「これはこれは、シエラ王女失礼しました。仰るとおり確かに私が貴方に呪いをかけましたよぉ。」


 男がニヤリと笑ったその瞬間、その男にめがけて何かが飛んできた。しかし___


 「くくっ、確か東の国の『クナイ』とかいう武器でしたかねぇ?」


放たれた『クナイ』はカンカン!という音と共に見えない壁に跳ね返されてしまった。


 

「・・・結界か。」


 そう言うや否や、シエラを庇うように前に立ちはだかったのは、黒い衣服を纏い顔半分を黒いマスクで覆った、ヤン・リーリンだった。 


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