終:エピローグ
※本日2話目の投稿です!(前話読んでいない方気を付けてくださいねー)
イライザは、シエラの幼女の解呪と祝福について考察していた。
解呪については、シエラが初夜の後に元に戻ったと報告を受け、やっぱり、と納得した。
実は両想いというのは、そっちの意味では?とイライザは以前より思うところがあったのだ。傍から二人を見ていても、既に相思相愛なのに解呪されていない現状に、もしや一線を超えていないからでは?とイライザは当たりを付けていたのだ。そしてソレは正解だった。
だが、シエラの『祝福』については、いまだ解明されていなかった。
しかし、イライザは既に一つの仮説を立てていた。
アルトは光を除く、5属性の資質を持っている。一方お姫様は、魔力はないけれども光属性の資質を持っている。以前にフォルティシアとアルトの5属性について、議論したことがあった。3属性持っていたクラウディア、そして2属性持っていたゼノ。属性を受け継ぐのは足し算は基本有り得ない。通常は両親のどちらかの何かしらの属性を受け継ぐのだけど、アルトの場合はすべての属性を両親から受けついでいた。
・・・お姫様の『祝福』の正体は、恐らく『ゆりかごの聖杯を持つ者』。・・・アルトの生い立ちも考えれば、もしかしたらこの二人は結ばれるべきして結ばれた運命だったのかもしれない。この答えがわかるのは、もう少し後ね。またフォルティシアと議論を交わしたいものだわ。その時が楽しみね。
イライザは、自分の仮説がはっきりとわかるのは、そう遠くない未来だと確信をしていた。
バランドール神殿___
「はい、それはそれは素晴らしい結婚式でした。」
「そうか、報告ありがとう。」
神殿は、シエラの解呪が「両想い」というのを実際は少し捻じ曲げて伝えていた。
神託の解呪の真実が、シエラ王女が好いた男と情交すればいいなど、流石に他国の王女に言うわけにいかなかったからである。ただ、恋を知った時に夜の間だけでも大人に戻れている事は知らなかったので、幼女でどうやって?という疑問はあったのだが、夜には元に戻っていると報告を受け納得した。
神殿としては、シエラ王女が片思いだった場合に、後の夫婦生活が上手くいかないのでは忍びないと思い、両想いであればそういうこともないだろうと、少し神託の内容を変換して伝えていたのだ。
結婚式を見に行った者の情報によると、シエラ王女は笑顔を浮かべ幸せそうにしていたと報告を受けて、時間はかかったけれども丸く収まって良かったと、とある神官はホッと胸をなで下ろすのであった。
後に、シエラはアルバードとの間に子を設けるのだが、その子が成長し、伝承にあった6属性を全て扱う勇者の再来だと言われるのは、まだ少し先の別のお話。
-完-
最後までお読みくださり、ありがとうございました!(^人^)