模倣の先に天意あり

群雄割拠の戦争後、調停が必要な事態は代理戦争によって解決される時代。しかし国の命運とは無関係に生活していた主人公リールは、底辺貴族ながらかつては将来を期待される存在だった。しかしいつまで経っても何の頭角も表さない彼は学院で目の敵にされ殺されかける。幼馴染サリィの魔法によって一命を取り留めたもののその魔法は彼女の自由を守るために秘匿していたものだった。リールが寝たきりの間に彼女は国の命令で『聖女』という遠い存在になってしまい、リールも除籍処分を受けてしまった。やむなく学院を去ることになったリールだが、聖女狂信者によってまたしても死の淵に立たされる。彼の霞む目に映った最期の光景は、大陸に響き渡る"傾国の少女"が放つ輝きだった。一命をとりとめ、彼女の国に亡命したリールは名前をアレンに改め、自らの可能性に改めて向き合っていく。"傾国"と同格の公爵令嬢、もう一人の幼馴染、聖女サリィや他の聖女達、アレンの持つ可能性は才覚を持つ人間をこそ惹きつけ、その周囲を巻き込んで彼自身もまた周りに釣り合う存在になるため成り上がっていく。