体は女子、見た目も女子。
遅れた理由→他の小説書いてました。
「付いてない!?」
とある違和感に気が付いたのはトイレの中だった。
男子の象徴が無くなっていた。
「魔法の世界じゃあり得ない話では無いと思っていたけどまさかね・・・」
これにより性別がばれる危険は0に等しくなった。
代わりに自分で自分の体を見ることが出来なくなった。
代償がでかすぎるよ・・・
と、いうかよく考えてみれば切れるタイミングもわからないので安心もできない。
即ち、ただのバッドステータスにしかならなかった。
・・・とりあえず図書館で確認しますか。
すぐに行える最善の一手などそれしか残っていなかった。
すぐに10冊ほどの本を引っ張り出しページをめくる。
昨日の本では情報が足りなさすぎた。
2時間ほど読みふけり、見つからなかった。
ちなみに余談だが、司書の先生からは「風の日なのに勉強ですか?」と言われてしまった。
外の世界ではわりと普通なので特に何も思うところは無かったが。
「畜生・・・」
せめて効果時間だ。
それさえわかるだけで大分違う。
自分が何を警戒するかが変わるからだ。
「駄目か・・・」
自室に戻り出掛ける元気すら生まれないのですこし寝ようと思ったのだが、鍵が開いていた。
ありがたい、ミレイは帰っていたのか。
正直鍵を開けるのもおっくうなのだ。
「やっほー、お邪魔してるよ!」
「お帰りください。」
正直男っぽい口調になったので若干口をおさえた。
気が付かれては無いみたいだが。
中にいたのはグレアさんだ。
「ポーションを混ぜたとか言ってたからそのお詫びにね。」
「はい?」
内容はわかってるけど惚けるが正解。
「あー、既にこらしめてあるから安心していいよ。それとこれもね。」
「えーっと、なんですか、これ。」
「完全異常除去薬、ポーションの異常どころか普通の異常状態も回復できるアイテムだよ。」
「なぜ、これを?」
「混ぜた本人に買わせたの。謝罪だけじゃ足りないだろうし一年は会えないし。」
彼女は「それに。」
「これで実験癖も収まるとありがたいし。」
かなりの実験好きが実行犯のようだ。
あったらただじゃおかない。
「てか、ポーションが効いたのは妹の方かな?だって変化無いもんね。女子のまんま。」
あー、そうとられるか。
それもそうか、こっちは女子寮だもん。
「戻りました~って2人ともどうしました?」
「おまえ、体に変化は無いか?」
「いや、特には・・・」
あるはず無いです。それ十中八九僕が飲んじゃったやつだもん。
「ふむ、確かにいつも通りだ。」
「どうしたの?おかしくなっちゃった?」
「失礼な、いつも通りだ。」
姉妹話はいいんですけど、僕が飲んだことをどう伝えればいいのやら。
伝えたら男のことばれますし。
「わからん!!あ、それは貰っておいてくれて構わない。私の金じゃないし。」
「あ、はい。」
「もしかして寝ている間に解けたのか・・・」とか呟いていた。
・・・そういえば効果の時間とか聞いておけば良かったな。
「酷いことしますよね・・・」
「でも、グレアさんのせいじゃ無いみたいですし、怒る人が違うといえばそうなっちゃいますけどね。」
「それでもですよ。」
まあ、被害が最低限に収まってるだけましかな。
「でも、少し高くなりました?」
「えっと、な、何が?」
「声ですよ、声。」
そんなはずはない。
自分で聞いても違和感など無かったし、グレアさんにだってばれなかった。
「まあ、本人では気付きにくいこともあるかもしれませんが。」
やっば、危ない。
元々の声が高くて助かった・・・
結局いつものタオルを取ることは出来なかった。
まあ、見れませんし。
まだ、そのままか・・・
僕が飲んだことをミレイが知らない状態じゃああの薬を飲むことは出来ない。
自然に治ることを待つのみだ。
眠る直前、今日の出来事をメモに纏めていた。
さて、グレアさんが来たことでわかったことはある。
切れないことはない。
それだけで大きな収穫だからうれしい。
「この事は、伝えなくていいか。からかわれそうだし。」
スマホをそっと消して眠りについた。