体は男子、姿は女子。
少し遅くなっている気がします。
申し訳ありません。
水の日希九
「完成。」
思いの外寝てしまい服を作る時間を失ったので仕方なく夜中まで作成を中断するはめとなった。
「この素材って布?その辺も詳しく調べないと・・・」
学園から渡された端末はこんなタイミングに役に立つ。
写真に写したものの情報を表示してくれる機能があった。
と、言うのも初日に理解したのだが使うものも無かったので無視していたのだ。
「布には布らしいけど聞いた事の無い素材・・・しっかり調べないと・・・」
最近はこの時間には寝ている。
つまりは・・・
「眠っ・・・明日にしよう。」
簡単に片付けるとベッドに潜り込む。
そして5分もしないうちに眠ってしまっていた。
土の日希九
「やっぱり寝た気がしなくなるなぁ・・・」
この世界のもとの世界との明らかなる違いを知ってしまっている。
それだとしてもまだ暗い外を見ると寝た気がしない。
「やるか。」
ここからはウイニングランである。
20分位で仕上げを終えた。
「き、着たいけど・・・放課後!!放課後間で我慢!!」
着たい気持ちを押し殺して制服に着替える。
ほ、放課後の楽しみだもん。
我慢なんてしてないもん・・・
「やっと着れる・・・」
何もかもが終わった夜。
畜生、久しぶりに自分の部屋が欲しくなった。
自分の部屋べあれば気兼ねなく着替えが出来るのに。
「ちゃんと測ったからサイズもバッチリ。本来だったらもうちょっと手を加えてイベントに参加してもおかしくないんだけどなぁ・・・」
残念ながらそんなイベントはない。
今回参考にしたのはこっちの世界の服だ。
と、言うのもこっちの世界で過ごすのに向こうの世界の普段着は異色に感じた。
それは個人的な意見であって統計こそとってないけど自分から見ても違和感しかなかった。
私服に使っていたのは全てコスプレ用なはずだったのだ。
そのため自作という方法を取ることにした。
「自作なら出費は3分の1に抑えられる。でも既製品もほしいなぁ・・・」
明日は風の日。
買いに行く機会はすぐそこである。
「一応今日のクエスト報酬で金はあるんや・・・」
今日は数で勝負に出るつもりだったのだが、簡単なクエストもわりと稼ぎが良かった。
「そうそう、この雑誌に確か・・・」
いわゆるファッション雑誌を借りていた。
そこには素材自体の情報もあり、僕にとってはだいぶありがたい代物だ。
「か、可愛い・・・」
「あ・・・」
くっ、見られる前に着替えるつもりだったのに・・・
戻ってきたミレイに見られてしまった。
「むう、もう少し着てたかったけど仕方ないね。着替えてくる。」
「そういえば、何でいまだにトイレで着替えてるの?」
「え、あの、その・・・」
(正直保険としてトイレで着替えてるだけなんだけど。)
「もしかして・・・隠れ巨乳?」
「・・・・・」
良かった。
そういう回答が出るだけましだろう。
「もしかして自分の体にコンプレックスが・・・?お風呂の時もそうですし・・・」
「・・・・・」
どちらも女子の体に付いていてはいけないものを見られない為なんだよなぁ・・・
「結局トイレで着替えたぁ・・・」
「ごめんね、これが僕の癖だから。」
「トイレで着替えるのが?」
「どちらかと言えば1人でかな。」
コミケの時は違うけど。
この話題がここで切れてくれたことに救いしか感じなかった。
着替え事件後(そんなに大きな事件ではないが。)僕がファッション雑誌を読んでいるといかにも胡散臭いものが目に入った。
『性別転化薬』
どこかの機関で偶然的に生まれてしまった産物。
浴びる、飲む等の行為で体が異性のものへと変化する。
また、思考回路も変わった性別の影響を受ける。
そして今だ期間は不明だが戻らなかったという報告は出ていない。
そして甘めに出来る。
・・・つまりはおっさんとかが欲しがりそうな薬って訳か。
そもそもポーションの内容理解って飲むのか?
ワケわからないポーションを?
・・・ブラック企業より命懸けじゃねーか。
ここでコンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「はーい。」
「どーも。」
「グレアさん!?」
「参ったことにかなりの量の飲み物を頂いちゃってね。貰ってくれないかなと。」
「なるほど、それでその袋。でも何で僕のところなんですか?」
「マイカちゃんの可愛い姿が見られるかと思って。」
「・・・・・」
「ジト目止めて!?半分冗談だから!!これ妹が好きだったから持ってきたの!!」
「なら最初からそういえば良かったじゃないですか。」
「残念ながら欲望が勝ってしまったから。」
この人もかなりヤバイ気がする。
仕方ないのでありがたく頂いてドアを閉じる。
「誰だった?」
「グレアさん。」
「それでお姉ちゃんが何か?」
「飲み物の処理って。」
「あはは・・・無駄に色々買うからですよ・・・頂いたって言っておいてその実自分で買って使わないやつを回してるだけなんですから・・・」
まともでは無いようである。
「でもこう見るとポーションの用にも見える。」
「そういう形に作られたものだと思います。でも素材は違うものを使用してるかと。」
「ふーん。」
つまりはポーションが紛れ込んだところで気づかれないってことなのかな?
とりあえず1本頂こう。
・・・甘い。んでなんかボーッとするな。
アルコールとか入ってないだろうな・・・こっちでは飲んでいいのかは置いておいて現実では飲めない年齢だったんだから耐性は無いんだよ。
「先、寝ます。」
「あ、はい、おやすみなさい。」
そのあとすぐに眠りについた。
思った以上にぐっすり眠ってしまった。
「さて、私も1本頂きましょう。んー、この酸っぱさがいいんですよね。・・・でも今回甘めですね。新作でしょうか?」
「ん・・・」
体がおかしい、こんなに動かしにくかったっけ・・・
って・・・
ばっ!と大切なものがあるかどうか確認する。
「無い・・・?」
テスト前ぇぇぇぇぇ・・・
でも教科少ないので頑張ります。