第0話 悪夢
「あっち行け!」
少年の手から放たれた1つの石が銀髪の少年に当たる。鈍い音に遅れて、少年の頭に鈍痛が走る。銀色の髪が薄く赤みを帯びた。
「触ると呪われるぞ!」
別の少年がまた1つ石を投げる。数人の少年が集まり、うずくまる少年に対して暴言を吐きかけながら石を投げていた。
「寄るな!バケモノ!」
銀髪の少年の目が潤む。頬にある痣をなぞるように一筋の涙が垂れた。その涙に気付くことなく石を投げている少年達は、危害を加えている側であるにも関わらずどこか恐怖に怯えているような目をしていた。
「やめなさい!この子が何をしたと言うの!?」
その時、女性の叫ぶ声が響く。その直後銀髪の少年は何か柔らかく温かなものに包まれた。一瞬の困惑の後、安堵の表情を浮かべるとともに思わず声が出る。
「マザー……」
自分を優しく包んだその人を少年は知っていた。黒を基調とし、袖など一部白いだけの服を見に纏い、頭に黒い布を被っているその女性は、心配そうに少年の頭を優しく撫でる。
大人が現れたことで少年達は後ずさりをするが、たじろぎながらも叫んでいた。
「だ、だって!ママが言ってたもん!お前は!人間じゃない、って!ダッテオ……マ……エ……ハ……
ーーーー