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九尾の異世界転生と幸せライフ  作者: 十六夜
イグドシア騎士学院 学友編
43/49

成体になりました。

クリスト君とヴォルやライトさんが魔力を分け与えてくれたお陰で無事成体になることができました。


成体になった私は一回りも二回りも大きくなった。まさか熊サイズになるとは……。でも、どうやら「変化」で元のサイズに戻ることも出来るようなので、ヴォルと一緒にいるならそっちの方がいいかもしれない。それと、魔力も馬鹿みたいに高くなっていた。「こんな量の魔力どうすんの?」って思う。


▼名前▼

ウルウ♀

▼年齢▼

生後一年未満

▼種族▼

ヨウコ(妖狐)

ゼンコ(善狐)

▼パートナー▼

ヴォルティス・シェライザー

▼親の種族▼

フィニック(狐の魔獣)

▼攻撃力▼

600000/MAX

▼魔力▼

8000000/MAX

▼特殊能力▼

・狐火(治癒・異常回復・攻撃)

・舞い(豊穣・祝福・呪い)

・遠視(媒体を通して)

・浄化(善狐としての神力で闇を祓う)

・変化(見たことのある人・魔獣・動物・物なら変化可能)

【→レベルUPするごとにスキルが増える予定】







…魔獣ってこんなにスキルが高いのだろうか?

まだ他の魔獣のスキルを知らないから何とも言えないのだけど、私、チート過ぎやしないか?



『キュウ?』(ね、ねぇヴォル…私の力…これって普通なの?)


「…普通というと、一般的な魔獣と比べてどうかということか?」


『キュウ』(だって、こんなに強い力を持ってるの怖いよ。もしかしたらヴォルや皆を傷つけてしまうかもしれないし…。)


そう、私が何より怖いのは大切な人を自身の力で傷つけてしまわないかということ。


「大丈夫だ。俺はそこまで軟弱じゃないし、お前のパートナーとして強くなるよう努力を惜しまないつもりだ。お前の力を受け止められるような、お前がそんな不安を抱かないような立派な騎士になる。だから少し待っていてくれ。絶対強くなるから。」



『キュウッ』(あ、え、う、うん……)



まるでプロポーズするかのような言葉の数々。そして、今まで見たことのない男の表情で真剣に見つめる眼差しに動揺してしまう。


何だか恥ずかしくなってキョロキョロと視線をさ迷わせた先に見つけたライトさんに駆け寄った。


……恋愛経験値皆無の私にはハードルが高すぎて現実逃避するしか道がありませんでした。


ベッドに横になっているライトさんは気絶しているようで目を覚ます気配はありません。鼻先でライトさんの頬をつつくが、身動きもしませんでした。それが不安で『クォーン……』と鳴いてしまいます。耳と尾が垂れ下がるのが分かるほど不安に支配されます。


「大丈夫。ライト君はちょっと不眠気味で疲れてるだけだから。」


「お前のことを心配してずっと眠れないでいたんだ。先程も成体になるための魔力をライトも一緒にお前に注いだんだよ。」


『キュウ……』(そうなの?……ライトさんに迷惑かけちゃったね……)


「ライトも俺達も迷惑だなんて思ってないさ。ほら、ライトの寝顔見てみろ。満足そうに安心しきった寝顔だろ?」


確かに穏やかな寝顔だ。


「ライトが起きたら元気な姿を見せてやれ。それだけで元気になるから。」


『キュ!』(うん!)


ヴォル言う通りだね。アレコレ後悔するより感謝の気持ちを伝えた方が良いもんね。よし!ライトさんが起きたらこのモフモフをいっぱい提供しようじゃないか!きっと天国だよ!





 


 









ライトさんが目を覚ましたのは夕方だった。


「ぅ…………。」


『クォン!』(あ、ライトさんが起きたよ!)


ライトさんを看病していた私は報告書をまとめていた二人に声をかけた。


「……お前…………。」


『クォン?』(大丈夫?辛くない?)


薄目でボンヤリしている様子のライトさん。でも「お前……」と呟いたきり何も言わなくなった。ど、どうしたのかな?


オロオロしていた私の横に来たヴォルに背中を撫でられて一先ず落ち着いたが、様子がおかしいライトさんが心配になる。


「ライト、よく見ろ。ウルウだよ。」


「ウルウ……?」


ライトさんが信じられないというように目を見開いて茫然と私を見上げてくる。


「成体になって大きくなったんだ。美しいだろう?彼女が成体になれたのもお前とクリストのお陰だ。ありがとうライト……。遅くなったがクリストもありがとう。」


「いや、僕はただ指示するしか出来なかったよ。魔力だって役に立たなかったし。」


『クォン!』(そんなことないよ!クリスト君の魔力もかなり役立ったんだよ?緻密な魔力調節もクリスト君がいなければ出来なかった事だし。三人が協力してくれなかったら今の私はいなかったんだよ?)


クリスト君も私を救ってくれたんだと伝えれば、彼は少し涙目になりながらも嬉しそうに頷いた。本当に謙虚なんだから……。


「……今の会話を聞いてると、まるでクリストがウルウの言葉を理解しているように思うんだけど……。」


「実は、パートナーじゃないのにウルウの感情や言葉を聞けるようなんだ。」


「え……それってあり得るのか?」


「俺の知る限りでは、そのような人間はいないと思う。」


「……それって国レベルの極秘だからじゃないのか?」


「恐らくはね。」







何やらヤバイ話になってきているようです。暢気に成体になったと喜んでる場合じゃない気がするよ。これからクリスト君はどうなるのでしょう?




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