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九尾の異世界転生と幸せライフ  作者: 十六夜
イグドシア騎士学院 学友編
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囲い混み作戦始動!

皆さん、こんにちは。ウルウです!


クリスト君が気になって仕方なく、悩みすぎて体調を崩した私。ヴォル

と話せるようになったお陰で悩みを聞いてもらえるようになり、心が軽くなって、今では元気いっぱいです。


さて、元気になったからにはクリスト君を友達にするためにも頑張らなければなりません。


ヴォルとライトさんはクリスト君を友達にすることは賛成してくれました。でも、騎士になるために学業を続けるか、辞めるかは本人の意志次第だと言いました。


確かに、辛い思いをしている人に無理矢理学業を続けさせても本人の為にもならないし、私の手助けもただの押し付けになってしまう。



「俺達は然り気無くクリスト・ハルルクに関わっていくつもりだ。いきなり距離が近すぎると周りに贔屓に見られたり、クリスト自身が虐められる可能性がある。」


「だが、それだけだと何の意味もないからお前を通じてクリストと関わりを深くするんだ。」


『キュウ?(私を通して?)』


「ああ。お前は可愛いから、お前からクリストに近づいて奴と接点を作るんだ。そしてパートナーであるヴォルティスと親友の俺が近づいても何の文句は出ないだろ?」


それって大丈夫なのだろうか?だって、首席と次席の目立つ二人が関わるんだよ?誰だって二人とは関わり合いになりたいだろうし、友人になりたいだろう。  


「いいか?この作戦の重要なポイントは、ウルウ。お前がクリスト・ハルルクに懐くという点なんだよ。」


右手の人差し指をピン!と立てて説明するライトさん。


「魔獣ってのは本来パートナー以外の人間には懐かない。それを利用するんだ。お前がクリストを気に入っているという事実がヴォルティスにとって有益であると周りに示しがつくんだ。実際に、我等の国王陛下のパートナーに気に入られた人間は総じて幹部になっているし、大物ばかりなんだ。」


『キュウ!(私たちって結構、人間関係に関わりがあるんだね。でもさ、陛下のパートナーと私は比べたら失礼なんじゃないかなぁ?私って、ほら、結構変わってるし……)』


元は人間だった私。


私の価値観は殆ど人間と変わらない。でも、僅かながら魔獣の本能がある程度。魔獣としてはきっと私は違った存在になる。人間でもなく、魔獣でもない。半端な獣だ。


私がネガティブになっていると、ヴォルが「お前は俺の自慢のパートナーだ。」と頭を撫でてきた。


「まだ、難しい話はお前には早かったようだ。いつか、成体になって自分の事を理解できる頃には、お前の役割も理解できるはずだ。」


「ま、お子様にはまだ早いってこった。」



あははははは!


ライトさんの子供扱いに少しイラッとしたけど、まあ我慢してあげることにした。体は子供でも心は大人なんだからね。





翌日になりました。早速ミッションを開始したいと思います。


教室に入ると、いつもより人数が少なくなっていました。


「うわ~。また辞めてったのかぁ。」


「そのようだな。……だが、クリスト・ハルルクはまだ来ているようだ。」


「ウルウに聞いていたより、ずっと根性があるようじゃん?」


『キュ(確かに……。泣き虫だけど、根性はあるかもしれない。)』


クリスト君の事を少し誤解していたかもしれない。少し見直したかも。





席に着いたヴォルとライトさん。


「今日から普通の授業になるな。」


「ああ。」


「体を動かすことは苦じゃねぇけど、たまにはゆっくり本でも読みたいぜ。……勉強はそんなに好きじゃないがな。」


ふーん。今日から普通の授業が始まるのか。


「お前の役目は休憩の間に行動するようにな。」


『キュ!(ん、了解です!)』








授業が始まりました。初めての授業は歴史です。しかも、一般に習う歴史より濃い内容でした。その、歴史の闇というか、偉人から罪人の善から悪までの内容です。


特に恐ろしかったのは王族の王位争いでした。兄弟同士、実の親子なのに殺し合ったって話。そんな恐ろしい授業にブルリと身震いしてしまいましたよ。







~休憩時間~


一時限が終わり、10分の休憩が入りました。いよいよ私の出番のようです。


緊張してカチコチになったのですが、「お前の思う通りに行動すればいいよ。」とヴォルが久々に笑ってくれたの。美少年なのにあまり笑わない彼だけど、笑うととても素敵なの。あまり笑わないからこそヴォルの笑顔は価値があるのよね。


『キュ!(うん!行ってくるよ!)』


ヴォルの笑顔に励まされて、ウルウ、いざ出陣!!


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