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九尾の異世界転生と幸せライフ  作者: 十六夜
イグドシア騎士学院 入学編
28/49

教官と顔合わせ

今日は晴天の青空。暖かな日差しが心地いいです。まるで天がヴォル達の入学を祝ってくれているような感じがします。


「なあ、灰色の軍服ってダセェよな。二年生の赤や三年生の黒が羨ましいぜ。」


「中度半端な色なのは、俺達が軍人として未熟という証なんだ。色が濃くなっていくにつれて俺達の心構えも実力も高くなっているという事だ。服装に文句を言っても仕方ない。」


ヴォルは軍服のセンスにあまり拘っていないみたいだけど、寝る前に「本物の軍服が着られるまでの辛抱だな。」って言ってたからライトさんの事を言えないよね。私から見れば、灰色の軍服も格好良いと思うわ。加えてヴォルもライトさんも美形だから凄く似合ってる。スタイルも姿勢も良いから地味でも華がある。完璧に着こなしてるわよ2人とも。


「はぁ…一年もこの色かよ。ま、ヴォルの言う通りに我慢するさ。それより、ウルウをどうするんだ?一緒に入学式に出席できるのか?」


「それなんだが、大人しくしているようにと条件付けで一緒に連れていけるようだ。俺の肩の上で大人しくできるよな?」


『キュン!』


出来ますよ!折角の祝い事を邪魔するつもりはないから。某ジ○リアニメの小動物のように肩から決して離れません。だって、ヴォルの晴れ舞台を見逃したら絶対後悔しちゃうもの。ふふふ、楽しみだわ!


『キュンキュン♪』


嬉しそうに尻尾を振り、ヴォルティスに甘えるウルウを見てライトは羨ましそうに見ながらもウルウが喜ぶ姿を見て微笑ましく思っていた。


「はははっ。あんまりはしゃぐなよ?式は長いからすぐにバテちまうからな。」


「…準備はできたから本館へ行くぞ。」


ライトさんに尻尾を触られながら、私達は本館へと向かった。式は寮の近くにある本館で行う。本館には地球の学校のような様々な施設があり、そこで生徒達は学んでいるらしい。まだ見たことはないから後でヴォルと下調べに行こうと思う。


本館に入り、一年生の教室に行きました。一年生の教室は三階です。


ガララ…


木造のドアを横に開けると、既に沢山の人達で一杯でした。


「俺達って結構遅く来ちまったのかもな。」


少し焦っているライトさんはキョロキョロと辺りを見渡します。


「教官が来ていないから問題ないさ。俺達の席は…どうやら右の前列だな。」


「うげぇ、一番前かよ!?」


ライトさんは壁側の席で居眠りしたりサボる気だってのかしら?確かにライトさんならやりかねないわね。


不満をブツブツ言っているライトさんを置いてヴォルは自分の席に座った。


「机に下ろすぞ。」


『きゅう。』


ポテ…と着地すれば、肉球にひんやりと木の冷たさが感じられた。懐かしい机の感覚。私も前世で学生だったから懐かしく思う。


「置いていくなんて酷いぞ。…ウルウ、お前置物みたいだぞ?」


『きゅう!』


し、失礼ですね!置物なんかじゃないですよ!全く、相変わらず乙女心を分かってない人だわ。


「わ、悪かったって。そう怒るなよ。」


きゅうきゅう鳴いて抗議していると、ライトさんは慌てて謝ってきた。ヴォルが面白そうにニヤリと笑っていて、私達のやり取りが楽しかったみたい。私はフンッ!と鼻息荒くして許してあげた。今はこれくらいにしてあげます!


「本当に気が強いのな。」


「ライトはウルウを怒らせるのが上手いな。」


「…オレの発言に問題があるって正直に言えよ。」


「自覚があるなら失言しないように努力するんだな。俺は基本的にウルウの味方だからな。」


「親友のオレを見捨てるのか!?」


「人間の友情ほど儚いものはないさ。俺はウルウとの絆を優先させる。」


「オレ最高に可哀想!!」


2人のやり取りは漫才みたいで面白い!何だか楽しくなってきて、机の上で飛び跳ねた。ヴォルがここまで自分を出すなんて思わなかったし、良い傾向だと思う。ここには貴族のヴォルティスじゃなくて、普通のヴォルティス自身が開け出せる良い環境なのだろう。イグドシアに来て良かったと思う。



ガララ…


「静かにしろ。これから入学式について説明をする。」


入ってきたのは灰色の軍服を着た教官だ。栗色の短髪に緋色の瞳。逞しい男の人だった。年齢は多分40代位かしら?


「その前に俺の自己紹介だ。俺はアーノルド・キリスイア。今日からお前等の担当教官だ。」


うわ…声も低くて渋いです。


「最初に言っておくが、俺は甘ったれは嫌いだ。ここに来たからには甘えは捨てろ。自分を厳しく律し、イグドシア騎士学院の恥にならないよう精進するんだ。努力する奴は嫌いじゃない。分からない事があれば素直に聞きに来い。以上だ。」


中々に厳しい言葉です。私は甘ったれですから、これからが苦労しそうです。何故かは知りませんが、アーノルド教官がさっきから私をジッと見てきます。この教室には私の他に小型の魔獣がいるのに、私だけを見てくるのです。な、何かしたでしょうか?


「よし、これから会場に行くぞ。式の流れを確認してから行う。真面目にやれば二回で終わる。しっかり頭に叩き込めよ。」


「「「「はい!!」」」」


これから式の流れを練習するようです。騎士の入学式ってどんなものなのでしょうか?理事長から剣を授かるとかあるのかな?何だかワクワクします!



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