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九尾の異世界転生と幸せライフ  作者: 十六夜
イグドシア騎士学院 入学編
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出発と出会い

5日後、私達は住み慣れた屋敷を去り、イグドシア騎士学院へ向かいました。アシルドさんと沢山の使用人の皆に見送られながら私達は新たな第一歩を踏み出したのです。


イグドシア騎士学院は貴賤問わず、実力があり優秀な人なら誰でも学べる学校です。他国の学校よりも学力や実力が優れた人材を輩出していることから各国に注目されているそうです。そんな凄い学校に入学できるヴォルって凄いと尊敬しましたよ!私のヴォルは格好いいです!


今の私達は民間の馬車(屋根付きじゃない)に乗って学校を目指しています。交通手段が学校が運営しているこの馬車しかないので貴族であるヴォルも郷に従うしかないのです。まあ、ヴォルの様子を見れば気にしてないみたい。


学校は王都から少し離れた森の中にあるのですって。訓練するために森を利用しているらしい。学校の機密も守るためもあるらしいけどね。


ガラガラ……


決して乗り心地は良くない筈なのに誰も文句は言わない。私達の他に5人が乗っているけど、先輩なのかしら?体つきも逞しいし、年上に見えるから高学年なのかしら?


興味津々に彼等をジッと見ていたら5人の中で優しそうな雰囲気の細身の男の人が話しかけてきた。


「こんにちは。初めまして、僕はユーグ。イグドシア騎士学院の2年だ。この子は君のパートナーかい?」


「初めまして。俺はヴォルティスです。この子はウルウ、俺のパートナーです。」


『きゅう!』


私はヴォルの懐の中から膝の上に移動して挨拶をした。


ユーグ先輩は藍色の髪に同じく藍色の瞳を持ったイケメンでした。何だかほわほわしてて喫茶店のマスターでもやってそうな人です。こんな優しそうな人が騎士を目指してるなんて思いたくないです。


「可愛い。ウルウちゃんっていうのか。確かにウルウ石のような瞳だからかな?」


ユーグ先輩は可愛い物に目がない人種なのだろうか?目をキラキラさせて私を見てるのですから。あ、お触りは家の主人に聞いてくださいよ?


「……抱いてみますか?」


『きゅ!?』


な、私を売るのですか!?そんな簡単に私を他の人に抱かせるなんて!!……というのは冗談で、はいはい、コネのためにこの私が接待しましょう!これもヴォルが先輩に虐められないためですから。


ヴォルの手から抱き取ったユーグ先輩は私の頭や背中を優しく撫でてくれました。


「凄い手触りのいい毛皮だね。まるで絹みたいだ。尻尾が九本もある魔獣なんて見たことない。」


「ウルウは未確認の魔獣なんです。でも大人しいですし、賢いですよ。それにまだ子供なので可愛い盛りです。」


「そうか。ところでヴォルティス君だっけ?もしかして新入生かい?」


「はい。今期から共に学ばせてもらうことになりました。」


よし!ユーグ先輩に覚えてもらえたみたいだ。良かった良かった!でもまだユーグ先輩に撫でられている状態だから下手に動けない。いや、ヴォルティスと話している先輩のご機嫌を損ねないように頑張らねば!


「今年は僕の楽しみが増えたよ。ヴォルティス君は面白いし、ウルウちゃんは可愛い。」


「俺が……面白いですか?」


どこに面白味があるのか分からないって顔だ。確かに私もヴォルに面白味がどこにあるのかイマイチだ。


「ヴォルティス君って貴族でしょう?ああ、偏見とか無いから気にしないで。僕が言いたいのはね、貴族の人達ってどうしても下の者を見下す傾向があるんだ。言葉使いも上だしね。でも、ヴォルティス君は平民の僕に平等に会話してくれるし、先輩として接してくれる。更にウルウちゃんを抱かせてくれた。普通の貴族ならそんな事しないからね。だからヴォルティス君は面白い。」


ユーグ先輩は好ましい者を見る目でヴォルティスを見ていた。よしよし、最初の掴みは完璧ですな。


「僕は君の事を気に入ったよ。そこで、さっきから僕達を見ている僕の友人を紹介させてくれ。」


ユーグ先輩の言葉に私達は初めて残りの四人の先輩達の存在に気がついた。ユーグ先輩ばかりに意識が向かってたから忘れてた。


私達の出会いはまだ続く。



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