表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
九尾の異世界転生と幸せライフ  作者: 十六夜
王都観光編
14/49

王都観光~三番街は魔法の国~

王都には様々な建物がある。王城を中心に屋敷や店が外側へと広がっていて今も新しい家を建設中らしい。どこまで広がっていくのだろうと不思議に思う。


さて、今日は待ちに待った王都観光する日です。昨日は自己嫌悪に陥りましたが、ヴォルの慰めと今後は大人としてパートナーとして頑張ろうと前向きになったことで元気になりました。


「最初に行くのは三番街だ。俺の用事を済ませてから観光に行くから少し我慢してくれ。」


『きゅ!』


もう我が儘言わないですから用事を片付けてくださいな。それよりも三番街ってどんな所だろう?


屋敷から馬車に乗り込み、三番街を目指します。因みに貴族の住居区は二番街らしいです。一番街は王城。番号が下がるごとに王族→貴族→商人→冒険者→平民→スラムの流れ者(奴隷)→犯罪者という住居区の番号が下がるそうです。


「着いたぞ。ここからは徒歩だ。お前はここから顔を出して店を見るといい。決して出るなよ?」


『きゅう!』


またもや懐の中に入れられました。少し開けられた胸元から顔と両手を出して初めての三番街を眺めた。


三番街はとても活気があって沢山の人や獣人、エルフ、ドワーフなど様々な人種が往来していました。そして私の興味を一番に注いだのはあらゆる店でした。


七色に輝く光。何の石かは分からないけど不思議な力を感じた。アンティークのような小物にその石を飾り付け、そして店主らしき人が魔法をかけると、小物が淡い光を放ち始めたの。それはそれは綺麗だった。


「あれは女性に人気の小物だ。魔力に反応してその石の色に合わせて光る仕組みだ。」


へぇ、なんだか地球でいうライトのようなものかな?


「三番街は面白いだろう?この通りは魔法を扱う店の通りなんだ。右の通りには武器や防具、回復薬など売っている通りがある。左には食品や様々な素材を売っている通りになっているんだ。三番街は生活に必要な物が何でも揃う区域になっている。」


すごいすごい!三番街ってショッピングモールみたいな場所なんだね。この魔法通りはかなり興味深い!不思議な物が沢山溢れているんだもの。


ヴォルティスはアシルドさんと護衛の方に案内されて一件の魔法店に入った。


看板を見ると【魔法具の店 カザル】と書いてあった。


店内は様々な装飾品が所せましと陳列されていた。薬品の匂いが漂う。ハーブ系の匂いだからそんなにキツくはない。


「いらっしゃいませ。本日はどのような物をお求めですか?」


店主らしき人はスラリと背の高い男の人だ。ヴォルやアシルドさんのような美形ではないけど、地球だったらイケメンって近所のおばちゃん達に可愛がられそうな優男風だった。


「魔力を抑える魔法具と相手の位置を把握できる魔法具、後、痴漢撃退用の魔法具を欲しい。」


『きゅ!?』


ち、痴漢撃退用って!?ま、まさかヴォルティスを狙う悪漢がいるとでも!?……いやいやいや、もしかして騎士学校は男の園だから同性同士の恋愛を見越しての下準備とか!?ヴォルティスのような絶世の美少年ならあり得なくもない。……ヴォル、貴方のことは私が絶対に守って見せるから!!


私が変な決意をしているとは知らず、ヴォル達は装飾品を見ていた。


「俺専用ではなくてな、この子用の小さな物が欲しいのだ。」


懐から私を取り出して机の上にそっと下ろした。


『きゅう?』


え、私の為の装飾品だったの?


「これは……何とも可愛らしい魔獣ですね。成る程、これではならず者に襲われでもしたら大変だ。」


「まだ魔力も扱えない子供だから余計に心配なのだ。」


痴漢撃退用は私の為の物だったんだ……。そうだよね、仮にも騎士を目指すのだものヴォルは強かったんだ。


「結界や相手を痺れさせる機能があれば、何かあったとき俺が助けてやれるし、ウルウも逃げる時間がとれると思う。」


「そうですね……目眩ましや麻酔機能も付けてみましょう。……となるとオーダーメイドになりますね。ちなみに首輪にしますか?」


「首輪よりもピアスにしてくれ。首輪だと外れてしまうからな。」


「かしこまりました。」


どうやら話は終わったようです。


「今日の買い物は俺の物の他にお前の物も買う予定なんだ。学校では俺が面倒見るから必要物品は買わないと困るからな。」


何から何までお世話になります。


「次は俺の物を買いに行くぞ。」


次は隣の店に入りました。【服の店 マルクス】


「いらっしゃいませ。」


ここの店主は夫婦のようでした。高齢のご夫婦でとても仲が良さそうな人達で、柔らかい雰囲気だった。


「服を仕立ててくれ。騎士学校専用の物を頼む。」


「あらあら、それはおめでとうございます。誠心誠意、仕立てさせていただきます。」


「サイズを図るのでこちらにどうぞ。」


ヴォルはアシルドさんに私を渡してからサイズを図りに行った。その間、私とアシルドさんは始終無言で過ごした。でも時折、私を撫でてくれるから嫌われてないと思う。ただ無口なだけで優しい人なんだと改めて再認識した。


『くぁ~……』


ああ、眠たくなってきたな。アシルドさんの触り方がヴォル並みに絶妙なのですよ。気持ちよくて……ああ、眠たい。


ヴォル、早く帰って来てください……。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ