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エピローグ
万雷の拍手が鳴り響く。
政府元老院議会場。
中心に立つのはマグフェルト総統。
また彼の権力が大きくなった。
ララーベルの実験が公開され、戦争早期終結を名目に権限が大きくなった。
元老院議員たちの万雷の拍手と声援。
その様子は世界中に伝えられ、多くの者が彼に称賛の声を上げていた。
しかし、中には恐れを抱く者も少なからずいた。
そこから流れるウワサ。
――マグフェルトは戦争を利用して自身の権力を大きくしている。
疑心の芽は既に芽生えつつある。
だが、疑心を抱くも真実に気がつく者はほとんどいない。
元老院議会場のとある一席。
そこに座る者達だけが拍手を送りつつも、冷たい瞳を向けていた。
苦しく呪われた過去を背負った者たちが、彼の黒い夢に気付き始めていた――。




