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プロローグ
大きな夢。
小さな夢。
この世界は無数の夢、あらゆる種類の夢に満ちていた。
だが、その多くの夢は果たされなかった。
いや、果たしたくても、出来なかった。
“ある男”の夢が無数の夢を破壊した。
今、世界には戦争という狂気が渦巻いていた。
無数の夢を持った人々が戦争によって殺され、持っていた夢は潰えた。
男の黒い夢は達成に向かって進めば進むほど、他の人の多くの夢が消えていく。
そして、とうとう、男の夢を壊すのが夢という者まで現れた。
その1人が戦争を好まない、とある優しい女性だった。
彼女は邪悪なる黒い夢を壊す為、混沌の世界大戦に飛び込む。
相反する夢が交差する時、より多くの夢が散り果てるであろう――。