褒め殺し。
六本木
もう、枯れるほど流れた涙
駆け巡る情報
「負けたぞ!六本木」
「即死だ。吉竹」
「はぁ?うそだろ・・・そんなに、強いのか渋谷」
「あの、吉竹が?冗談だろ?」
「誰?吉竹取ったの?」
「一応、池袋の田中」
「眠れる獅子か・・起きやがったのか?」
「だが、田中も、死んだらしい・・・」
「死んだ?マジか!?」
吉竹の遺体と対面する、ユリアとココ
「うぇええええんなんで・・青おにいさんっ」ココ号泣
「すまん。何もできなかった・・・これが、抗争だ・・・」青鬼
「・・ありがと・・・遺体、こっちに、渡してくれて」ユリア
せめてもの・・・
闇に葬り去らず。
青鬼が、懇願。渋谷の頭に。
警察も、一応、吉竹、田中の相撃ちで、決着との見解。
六本木ディープインパクトは、そのまま渋谷系の傘下に。
青鬼が、管理する事で、ディープインパクトも、納得。
もともと、青鬼には、派閥は、違うが、よくしてもらってきた。
たった、一日だけの恋・・・愛。
吉竹の葬儀の日だが、ユリアは、右翼の昇段試験に向かう
「なんで・・・」ココ
「いやっ。正解。天国の吉竹も、そうしろって言う・・」青鬼
「じゃあ、絶対受かってよ。ユリアさん!」ココ
「がんばれ、夢への、第一歩になるように・・」青鬼
「うん。慈愛と、国粋で・・私が、治めるんだ。」ユリア
右翼本部事務所で行われる試験
もちろん、渡辺も・・・・
「はいっ終了~テストは、そのままに」
「ぶはー・・・やばい・・・ギリっぽい・・」渡辺
(・・・・受かりたい・・いやっ受かるんだ。)ユリア
「テストの合格不合格、関係なく、このあと、面談がありますので」
しばらく待つ渡辺と、ユリア
ナンバー2の高杉が、やってくる・・
「・・・残念だったが・・・二人とも・・点数は・・」高杉
「そっ・・そんな~俺もう、10年連続っすよ」渡辺
「・・・しょうがない・・また一年遅れるだけ・・」ユリア (ごめん・・)
「いやっ、実は、まだ、可能性が、ある・・・
今年の、面談、なんと、トップの吉本さん自らだ・・
もしかしたら、テストの点数帳消しにするほどの
何かが、出れば・・四段に、昇格は、あるかもしれん。
がんばれ!俺も、お前達には、立ち止まらせたくないっ」高杉
なんだかんだで、渡辺と、ユリアをかってる高杉
いわば、高杉派の二人。
「吉本さんか・・聖帝・・・通称サウザー・・」渡辺
「いやっ・・勝手に作るの止めて。聖帝だけどサウザーじゃないね」高杉
「聖帝吉本・・・大和魂の塊の様なお方・・・」ユリア
「つぎー、夜華恋、ユリアー」聖帝吉本
「はいっ!!」(愛した人よ・・・私にもう一度・・)ユリア
「失礼します」
扉を開け、席に着くユリア
吉本は、窓の外を、向いたまま腰かける。
「・・・大和魂とは、なんぞや?」聖帝吉本
(来たっ!直球。)ユリア
「・・・・たとえ・・・」ユリア
「たとえ?」吉本
「たとえ・・愛する人が・・・うっ・・ぐすっ・・」泣き出すユリア
「たとえ、愛する人が、居ても・・・自分の、夢、信念に向かい
どんなに、高い壁だろうとも・・死をも恐れず・・
この、日本の先を見据え・・・たとえ、負けると、わかっていても
・・・・突っ込んで散る勇気。・・・うわああああん」号泣のユリア
あの日の夜、六本木の覇者吉竹が、子供の様に、ユリアに抱きつき言った・・
「本当は、恐いから・・・・お願い・・・ずっと・・側に居て。」
「・・・・・合格。以後も励め。まだ上もある」聖帝吉本
「はいっ!。」ユリア
(一樹・・・・うっうわあああん)ユリア
ユリア、四段に昇格。これで、聖帝会の幹部に。
四段 幹部
五段 大幹部達
六段 ナンバー3
七段 ナンバー2高杉
八段 聖帝吉本
九段 空位
名人 大先生
えっと・・・大幹部のナンバー5なのに、まだ、三段な人居るな・・・
「次ー、ナベっ!」聖帝吉本
さすがに、ナンバー5。聖帝会じゃ有名な渡辺
「たぁいっ!」渡辺 はいっの、最上級らしい・・たぁいっ・・が
「・・・大和魂とは、なんぞや?」聖帝吉本
(来たっ。ド、ストレート・・)渡辺
「たとえ・・愛する人が・・・うっ・・ぐすっ・・」泣き出す渡辺
このくそっ・・・聞いてたな・・・
「不合格・・」聖帝吉本
「はえ~~~」渡辺
うん。さすが聖帝。
すぐ報告に向かうユリア
仲間へ、愛した人へ
渡辺は、納得いかず、本部事務所に、街宣活動を行う
もう、一つの、通称・・・褒め殺しの渡辺
響いてくる街宣車の大音量
「この聖帝会トップの吉本とは~
まことに、先を見る目を、持ったお方で~
新しい時代の芽を、摘むことに、関しては、右に出るものはおらず
自身の、保身の能力に、すばらしい力を持つ
権力を使いこなす。最高のトップで、ございます。」渡辺
「俺知らないぞ・・・」逃げて行く高杉
「ぶははははナベか」
「また落ちたらしいな。ナンバー5なのに」
「北方領土の四島を答えよで、
北島。方島。領島。度島。だって・・・ダブル間違いだし・・」
「薩長土~盟だって・・おしい。」
「だいたい、右翼ビック4の国民の休日を答えろで、
海の日、入ってたしな・・・」
「なにすんだよ・・・海の日に・・」
「去年は、海パン、浮き輪で、北方領土まで、泳いで行くっつって、
沖縄から、泳ぎだしたぜ」
「なんで、あえて遠くなる、沖縄だよ・・・」
「のくせ、次の日のホテルしっかり、予約してたみたいだぞ」
「ははは、行く気ないじゃん」
「トロピカルなジュース飲んで満喫してたぞ」
「でも、その心意気、武士なりって、大先生が・・・」
「もう、パフォーマンスの魔術師だな・・・」
同じ右翼団体からも、一目置かれる渡辺
「ぶち殺してやるか。くそ先輩が・・・」
「大先生と、高杉さんに、気に入られてるだけの若造が・・」
なにやら、不穏な流れ・・・
そして、遂に迎える、建国記念日。