不意を突かれた夜
六本木
元、縄張りを奪還
懐かしさに浸る、山本。六本木を一人で徘徊
一応、深くかぶった帽子。
(変わらないな・・・奪還って、言っても、ガキの縄張りだから
上は、別・・・極義会・・・
うん。いるな・・元ディープインパクト・・青山も・・・)
街の雑踏に溶け込む不良グループ。
(黒ギャンか・・・かっこいいな女の子が頭か。)
ココの事は知らない。山本
「ねえ、おねーさんっ!」呼び止める男
「・・・・・・」シカトで、歩き続ける山本
(くだらない・・ナンパ?どうしようも、ねえな・・)山本
だが、ついて来る男
「ねえ、おねーさんってば・・」男
(ほっとこう、ここじゃ、目立つのもな・・・一応お忍びだし)山本
「山本だろ?」男
立ち止まる。さすがに。
(振り向くべきか?・・・すでに、チャカでも、構えられてたら・・
どうする?・・・・・)山本
「ゴリっ」
すぐわかる。ヒンヤリした感覚。チャカ・・・
首に突きつけられる。
「ここで?」山本、起死回生の策を、考える・・・だが無い。
初めて、自分の命に、リーチを掛けられた・・・
あと、僅かな、力だけで、事切れる命・・
まだ人通りの多いこの場所。
「いやっ・・・今のおふざけ。立ち止まってくれないから」拳銃をしまう男
「誰だ?お前」(かわええええ)山本振り返る
「黒川・・・極義会・・」男
「・・・アンタが、黒猫?」山本
「だね。てか、俺年上だぞ。」黒猫
黒川 虎太郎 30歳
東義会 二次団体 黒川組 組長
通称 黒猫
かわいいのに・・・虎。
初めて、山本の命にリーチを掛けた男。
「現れんなやっ!てか、さすが、すげえタイミングだな」山本
「しらねえよ・・・たまたまだよ。俺も今は、ここ地元じゃねえ」黒猫
地元、組事務所、縄張りは三軒茶屋。今日は一人で、遊びに来てただけ
キャバクラに・・・
黒猫・・・
迷信では、不幸の象徴
一部では、幸運の象徴
だが・・抗争中に現れると、いつも、誰かが死ぬ。
付いた異名が黒猫。
さらに、当然仕事も出来る。僅か30歳で、二次団体の組長
若い頃は、聞いた事ない名前だったが・・・
「飯付き合えやっ。命取らなかったんだから・・」黒猫
「強引なナンパだな・・・まあ、いいよ。興味あるし・・」山本
さすがに、六本木は目立つので移動する二人
「気兼ねなしで・・俺の店だから・・飯も、酒もあるし。貸切。」黒猫
「へー。三茶って、もっと、オシャレじゃないって、言うか・・
だせえと、思ってたけど・・」山本
渋谷から、近いのに、来た事がなかった山本
食事を済ませ、裏の話もしたいので従業員も帰す。二人だけ。
「今、若手のトップか・・・東義会の・・」山本
「んっ?何?もう、一回言って。」黒猫わざと、聞きなおす
「ぶははは、おもしろい奴なんだ・・・黒猫・・」山本
「ははは。かわいいだろ」黒猫
「・・自分で言う?」山本
「ああ。鏡みたら、俺かわいいなーって、思うよ」黒猫
(たしかに、ヤクザって、感じの顔じゃない・・・かわいい顔)山本
手馴れた感じで、作る酒・・・
「あっ・・もしかして、ホスト上がりか?黒猫」山本
「だなっ。だから、若い頃、あんまり俺の名前聞かなかっただろ」黒猫
「・・・ああ。地元は?昔からここ?」山本
「店は、六本木15位から・・・だから・・全部知ってるよ歴史も。
てか、すげえ、爆弾発言してやろうか?いっぱいあるぞ」黒猫
「まあ、待って・・こんな事めったにないから、ゆっくりしたい」山本
「ああ・・・かわいいガキ連れてんな・・・誰だかしらねえけど」黒猫
「アウトローじゃねえよ。真面目な好青年」山本
「お前の趣味、よくわかんねーな。歴代の男も・・」黒猫
「ぶはははは」山本
(あの時代の生き証人か・・違う角度から見てた・・・
たしか30位?華の49年組か?・・・しかも15から夜の住民・・・
当然、何もかも知っている、この東京の一番の事情通かもな・・)山本
「金で、出世?いつから?ヤクザは」山本
「22位かな。まあ金だね。今、金払えば殺しでも、
なんでもする奴多いし・・ふふ・・・」黒猫
(黒猫・・抗争には、フラリ現れるだけ・・・
気がつけば、相手は殺されている・・・連戦連勝
今まで、何人か捕まった実行犯は、不良外人・・・)山本
「そうか!・・不良外国人は、黒猫が、仕切ってるのか!?」山本
「・・・・・・」やさしく笑う黒猫
「あっ・・」山本
引き込まれた・・・・なんてこと・・・
「やめて・・・本当に・・・」山本
「・・・・・・俺、女居ないぞ」黒猫
やさしく唇を奪われる
「そういうもんじゃねえ・・・やめろ本当に」山本
「はいっはいっ・・・んっ」黒猫
「んっ・・んっ・・・あっ・・」
「ふふ・・嫌がれや・・嫌なら」黒猫
「嫌がってるよ。気持ちは!大嫌いだよ浮気とか!」山本
だが、黒猫に絡みついた腕・・・抱き寄せる腕・・
(どうしよ・・・キスした・・舌まで・・・)山本
少し距離を取る山本
「さすが、元ホスト・・危ない危ない」山本
「はは・・関係ねえよ・・ただ、いい女抱きたいだけだよ」黒猫
(そっか・・・似てたからか・・ウチの大将に・・
完全にかぶった・・夢かと思った・・・)山本
(だが・・魅力・・・金だけで、出世したわけじゃないのも、分かる・・
喧嘩屋だ・・あの拳。気配。ただ、たどり着くルートが違った・・・
不良グループに属さずに、すぐホスト。それから本職。
もし、あの時代にチームでも、作ってればそれなりに有名だったはず
そう。若いうちに誰もが、トップ取ろうなんて、欲があるわけじゃない
正解・・黒猫が。まず、金を稼ぎに行った。名前より金。
そして、今が、ある。若手ナンバー1ヤクザ・・
名前だけ売れて、金ねえアウトローなんてゴロゴロ居る。
結局、出世街道から外れる。金の稼ぎ方もわからないまま
昔喧嘩強かっただけのチンピラで、くすぶる・・)山本
「何が聞きたい?」黒猫
「あっ・・わかった?」山本
「じゃあ、俺アウトロー夜の真実ベスト3にするか・・・」黒猫
「おおー。おもしろそう。じゃあ、まず、ベスト・・3っ」山本
「おたくの、大将の前に・・・」黒猫
「おおー。大将の前に?」(なんだ?)山本
「六本木の女帝と、付き合ってた」黒猫
「ぶわああああああ!!!」山本
(いっ・・いきなり強力!!・・これで3っ!?
うちの大将と、六本木の女帝が付き合う前の彼氏か・・・
すっ・・・すげえ・・・分かる。ただのホストじゃねえ・・)山本
「えっと・・・佐藤お姐さん(女帝)の下になるの?」山本
「だね。俺、いわゆる華の49年組だから。ひとつ下。」黒猫
「裏、エースだな・・・あの時代の・・」山本
華の49年組
この世代に、異様に、強力な人材が偏った。
過去起こった、爆撃戦争、六本木戦争でも最前線に居た年代。
その、裏エース・・・三軒茶屋の黒猫
東義会、次代のエース。
まだ、この東京にやべえのは居る。




