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番号違いの恋  作者: 蒼月想
13/14

番外編・湊の職場同僚視点: 昼休みの青いボタン

「湊さんって、そういうのあるんですね」


昼休み。

レンジの前で、ちょっと焦げた冷凍チャーハンの匂いを嗅ぎながら、そう言ってみた。


彼は、例によって「何が?」と、とぼけた顔。


「いや、ボタンない日、機嫌悪かったし」


「そんなことないよ」


「ありました。3回は見た」


職場の中では、湊さんはわりと評判がいい。

無口で淡々としてるけど、ちゃんと見てくれてる人って感じで、後輩にも優しい。


でも、たまに、ほんとにたまに、ポケットをそわそわ触る日がある。

それが妙に印象的だった。


そしてその日には、いつも左胸のあたりに「青いボタン」がなかった。



あるとき、コーヒーを買いに行ったとき、彼がぽつんとつぶやいた。


「隣の人と、最近うまく話せなくて」


なんの脈絡もなかったから、「え、だれですか?」と聞き返してしまった。


「……まあ、近所の人」


そう言って笑ったけど、目線が遠くて、ちょっと切なそうだった。


なるほど、そういう相手がいるんだなと思った。


仕事の手際は良くても、私生活では不器用そうだもんなぁ。

なんだか納得した。



先週の金曜、いつもより早く定時で帰っていく彼の背中を見た。


ポケットには、あの「青いボタン」がちゃんとあった。


――今日、会える日なんだ。


私はそう思った。


誰かを思って帰る背中って、案外すぐに分かる。


今度話すときには、「頑張ってくださいね」って、

こっそり応援してみようと思う。

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